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必要なのは「車輪の再発明」ではなく「追試」

Last updated at Posted at 2019-05-02

追試というと、試験に落ちた後の追加試験(makeup exam)だと思うかもしれない。
ここでは、何か実現した発表があった事項の、再現試験のことを追試(replication study)と呼ぶ。
実験屋さん、試験屋さんの用語です。

追試(replication test)

技術者にとって必要なのは、車輪の再発明ではなく追試。

やることは同じ。

過去にやったということを、全く同じようにする。

しかし、「全く同じ」にすることは不可能。

時間が違う。
場所が違う。

時間と場所が違えば、気温、気圧、電磁環境が違う。操作した人、操作した機材、電圧、電流、計算機材の能力(クロック、メモリ空間)などさまざま。

これらの違いを、こと細かに記録して、どういう条件の違いで、再現したかを記録することが追試。

車輪の再発明

という批判は、

1 過去に実施していることを知らずにやっている。
 やる前、発表する前に、過去に実施しているかどうか調べる努力が必要

2 過去を調べずに、世界で初めてという記述をする
 ここがダメ。過去に実施しているかどうかを知らなければ、
 「過去に実現しているかどうかがわかっていないため、過去に実現していることとの違いを確認するために記録」
 とかけばいい。
 発明したかのように書くから叩かれる。

発表

 車両の再発明のように、同じことを繰り返すのは、仕事で追試という仕事があるように、
悪いことではなく、発表するときの文章の書き方を間違えなければよい。

 もし、発表する前に、過去を知れば、「追試」として発表すればよい。
 過去をしらないまま発表するときは、過去をしるためにとかけば良い。

「車輪の再発明を否定しないでほしい」という表現がおかしい。
「車輪の再発明と同等の内容を否定しないでほしい」なら意味が通じる。

「「車輪の再発明」を否定するのは間違っているかもしれない」
ではなく、
「「車輪の再発明」と同等の内容を否定するのは間違っているかもしれない」

「TensorFlowを使ってWord2Vecを自作(車輪の再発明)する」
という表現は、追試の視点が理解できる。

「「車輪の再発明」は、自作、再実装、模倣、改善を否定する言葉ではないぞ!から始まるプログラミング学習法」という表現も、追試の視点が理解できる。

そのほか、「車輪の再発明」という見出しの項目のかなりの部分は追試。
自分の書いていることが車輪の再発明と同等であるが、背景、制約条件が違えば、価値のある活動であるから。

過去のことを知らなくても、自分の活動の制約条件を精密に記載すれば、追試と同じ価値があることになる。
機材の条件、OSの版、その他のソフトの版、作業手順などを詳細に記載するとよい。
特に、作業途中で出たエラーなどが、これまでに報告がなかったものなら、追試として貴重なもの。
成功したことだけでなく、失敗したこともかけばよい。

参考文献(reference)

車輪の再発明を否定しないでほしい
https://qiita.com/daijinload/items/6c7d68c23d64974ebe3a

「車輪の再発明」を否定するのは間違っているかもしれない
https://qiita.com/BlueEventHorizon/items/20cbfa92b0a1a7c25aea

TensorFlowを使ってWord2Vecを自作(車輪の再発明)する
https://qiita.com/tMinami/items/4dfca98b15ab9af1c3d0

「車輪の再発明」は、自作、再実装、模倣、改善を否定する言葉ではないぞ!から始まるプログラミング学習法
https://qiita.com/aimof/items/38e6b3f55df725b08758

文書履歴(document history)

ver. 0.01 初稿 20190502 午前
ver. 0.02 表現追記 20190502 午後
ver. 0.03 URL追記 20230214

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