電子機器、電子ファイル、ウェブの書き込みに関する鑑定の相談を受けることがある。
基本、民業圧迫にならないように、民間の機関を紹介するようにしている。

仕事柄、官庁からの相談も３分の１くらいある。
よくお話する内容に、技術鑑定を依頼するのにあたって、３つ以上の選択肢があるとよいとお勧めしている。

ある特定の立場の鑑定では、その逆の立場の鑑定方法に対して、落とし穴が生じることがある。
一方からは見えるが、他方からは見えないものを見落とすという。

鑑定を依頼する場合、お金と時間があれば、１箇所だけでなく、視点を変えて、３箇所に依頼するとよい。

その候補として、民間の試験機関、技術士、公的試験機関がある。
民間の試験機関。公的試験機関に、技術士がいる場合もある。

技術士以外に、博士、学芸員、医師・歯科医師、薬剤師などに鑑定を依頼することもあるかもしれない。

IT分野でも、遺伝子鑑定は大きな市場であり、遺伝子と関連したデータの蓄積と機械学習などを駆使した付加サービスの構築を準備するとよい。

民間試験機関

民業圧迫と言われないように、民間の試験機関が何が得意かを調べて、
当方よりもよいところをご紹介できるように努めています。

有限会社　日本音響研究所
http://www.onkyo-lab.com/kaisya.html

法科学鑑定研究所株式会社
http://alfs-inc.com/menu/

水質検査　

日本水処理工業株式会社
http://www.mizu-shori.com/私たちにできること/調べる/04-3/

日吉オンライン検査Web
https://www.hiyoshi-online.com

水質検査.com
https://www.suishitsu.com

食品検査

株式会社　BMLフード・サイエンス
https://www.bfss.co.jp/food/

技術士

科学技術鑑定センター
http://kantei-center.com/su/

技術鑑定
https://www.pea.or.jp/kantei/

科学技術鑑定　大藪技術士事務所
http://oyabu-kantei.com/judge.html

公的試験研究機関

産業総合研究所、都道府県工業技術試験場など
https://www.meti.go.jp/kousetsushi/kousetsushiList

公的試験研究機関には１ー３人くらいの技術士がいます。
いきなり技術士の事務所を訪問するのに敷居が高いとお感じの方は、
公的試験研究機関の技術士にご連絡くださると幸いです。
https://researchmap.jp/joc0m1j61-45644/

警察・消防・自衛隊

当方は、公的試験研究機関ですが、自治体つながりということもあり、名古屋に限らず、神奈川など遠方の警察からもお問い合わせいただくことがあります。

警察が犯罪捜査、当方が産業育成なので、鑑定のための姿勢として、
試験の再現性の確保以外は、ひょっとしたら違うかもしれません。

一緒に仕事をしたことはまだありません。安全工学シンポジウムでご発表の方には、いろいろお聞きして、勉強させていただいています。

裁判所における科学鑑定の評価について科学警察研究所　勝又義直　法科学技術 13(1) 1-6, 2008
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafst/13/1/13_1_1/_pdf

科学技術の活用　平成24年警察白書
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h24/honbun/html/o2220000.html

博物館・美術館・科学館

年代鑑定、材料鑑定などの機能を持った部門があるかもしれません。

学芸員になるには
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/about/gakugeiin/

医学鑑定

大学病院、日赤病院など大病院では医学鑑定の機能を持った部門があるかもしれません。

大学・博士

技術士の専門家がいない分野では、大学、博士に依頼することがある。

IT分野の鑑定

情報機器

携帯電話、スマフォ、Pad、パソコンなどの情報機器に入っているデータの取り出しと、
取り出す際に、破壊して取り出したか、破壊せずに取り出し、再読み出し可能かどうかを鑑定する。

WEB、メール、SNS

Web, メール、SNSの書き込みが、誰によるものの可能性が、どれくらいあるか、
通信路、システム側の不備により書き換わった可能性がどれくらいあるか、
悪意による破壊をうけたのかどうかなどを鑑定する。

過去に遡るよりも、将来に備え、wiresharkなどでパケットを取得して、鑑定することがある。

記載内容鑑定

記載している内容が、法律、規則などにどれくらい反しているか、
その場合、法律、規則などに違反している分布と、その分布のうちのどういう位置づけにいるかを鑑定する。

画像データの判定には機械学習・深層学習を用いる。
文字データの鑑定にも機械学習・深層学習も用いる傾向がある。

鑑定と市場調査の違い

市場調査を十分にしていると、電子機器の振る舞いの想定の範囲が広くなり、
鑑定するには市場調査が前提となる。

市場調査は長年実施していないと、分布を見誤る可能性があり、
急に始まったサービスに鑑定を依頼しても、市場動向とは関係のない結果を出すかもしれない。

市場調査自体は、鑑定には含めない場合もあり、相互の契約上の取り決めによる。
通信上のノイズだと思ったものが、特定の暗号化での機密情報のやりとりであったということはまれにあるいはしばしばあるかもしれない。

電波法の体系の範囲内の電波しか利用していないか、無届けの電波を利用していないかなど、
日頃の市場調査がものを言うかもしれない。

検査機関の審査登録

個別の法律によって、検査の基準を決めている場合もある。
検査の内容によっては、国際規格に基づいた検査であれば、検査機関の審査制度の対象になることもある。

ISO/IEC 17020　https://kikakurui.com/q/Q17020-2012-01.html
ISO/IEC 17021 https://kikakurui.com/q/Q17021-2011-01.html
ISO/IEC 17024 https://kikakurui.com/q/Q17024-2012-01.html
ISO/IEC 17025 https://www.nite.go.jp/data/000001799.pdf

鑑定と市場調査。仮説（123）