「言語・認識・表現」第15回年次研究会 https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/78451/efff127b7d4f774d5a952156f436107f?frame_id=407644
古典テキスト・現代語コーパスや統計データなど大規模な電子的資
源が利用可能になった今日、言語学を含む世界の諸学は、何処へ行こ
うとしているのでしょうか。電子的資源の増大は、学問深化に貢献し
てこそ意味あるものになるはずであり、そのように期待もされている
ところです。しかし残念ながら、言語資源の技術的利用は進むにせよ、
21世紀の学的情況は活性しているとは、言い難いところです。量は
少なくとも質のよいものを摂取することは、いつの時代でも真理であ
りますが、この言葉を思い起こしながら、本年度も、また学的探求に
精進する時期になりま した。
「言語・認識・表現」 LACE 研究会は、言語学プロパーに加えて言
語哲学から言語処理までの幅広い学的諸分野間の学際的交流の場とし
て運営されています。2010年度の年次研究会を下記要領にて開催いた
します。ふるって、論文応募されますようにお願い申し上げます。
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■日程:2010年12月4日(土) AM11:00 〜PM6:00
■会場:京都光華女子大学 1号館401教室
〒615-0882 京都市右京区西京極葛野町38
・交通案内 www.koka.ac.jp/accessmap.html
・周辺地図
12月4日 土曜
AM11:00~AM11:10
研究会主査開会の辞 宮崎正弘 新潟大
開催校世話人挨拶 河原利昭 京都光華女子大
AM11:10~AM12:10
1
「ソフトウェア開発における「要求分析」と日本文化」
金田 重郎 同志社大学
要旨
ソフトウェア開発においてしばしば困るのは,ユーザが言っている
ことが,「要求」 なのか「感想」なのか分からないことである.本
報告では,ユング心理学者・河合隼雄の「中空均衡構造」論と多
神教(アニミズム)の観点から,GTA(グラウンデッド・セオリー・ア
プローチ)などの欧米で開発された手法をそのまま鵜呑みにする
ことの危険性について考察したい.
AM12:10~PM1:10
2
「形式手法における言語の対称性についての検討」
小川清・斉藤直希・渡部謹二 名古屋市工業研究所
要旨
論理回路とソフトウェアをデジタル設計工学あるいは論理設計工学
として体系化を図ろうとしている。設計指針の一つとして、対称性
を検討している。本年は、論理検証,モデル検査を行う言語に絞っ
て対称性を検討してきたので紹介する。特に技術者が実施する作業
とそれに応じたスキル(力量)に対応した技術体系との関係につい
て言及する。
PM1:10~PM1:50 昼休み休憩
PM1:50~PM2:50
3
「日本人は言語表現の道具性に対する認識が何故弱いのか?」
柴田勝征 福岡大学
要旨
国際学力テストPISAの主催団体であるOECDはWB(世界銀行)、
IMF(国際通貨基金)と並んでグローバル資本主義体制によって世
界全体の秩序を作り替えようとする世界的な司令塔であるにも拘わ
らず、日本においては、右から左までのあらゆる政治的潮流によっ
て「世界標準」という美名のもとに礼賛・支持されている理由を考察する。
PM2:50~PM3:50
4
「英語俳句の文体分析」
中村秩祥子 滋賀大学
要旨
英語俳句は、アメリカの小学校の教科書で掲載されていて、欧
米ではよく知られている。日本語俳句とは、言語の相違上、形
式などが異なり、独自の発展を遂げている点もある。本発表で
は、北アメリカの英語俳句の俳人たちの作品をとりあげ、それ
を文体分析して考察する。日本語とは異なる英語俳句の文体的
特徴を述べていくことを目的とする。
PM3:50~PM4:00 休憩
PM4:00~PM5:00
5
「日本語と英語における情報提示の違いについて―画像列と符牒
列の差異から」
岩垣守彦 フリー
要旨
言語による情報は「名詞(noun)+動詞(verb)」を一つの「単位情報
(unit-information)」として提示される.日本語の場合は,たとえば,
「彼は/飛行機で/ニューヨークへ行った」のように,多くの場合
「時系列(time sequence)」で提示される.しかし,これを英語にその
まま変換すると, He/ went to New York/by airplane. のように,
情報が逆になる.これは動詞を複数使って情報を提示する「連体節を
含む文」(彼は/レストランにひとりで座っている婦人/の絵を描い
た)と「関係代名詞節を含む文」(He/ drew a picture of a woman/
who was sitting alone in a restaurant.) において顕著である.こ
れは単なる提示上の問題ではなく,言語情報というものに対する認識
の相違に由来するのではないであろうか.仮に画像列(figure sequence)
を使って情報を交換すると,日本語のような「時系列による画像列」
しか世界で共有できないと思われるのであるが・・・.
PM5:00~PM6:00
6
「不完全な機械翻訳の利用法(仮題)」
新田義彦 日本大学
PM6:00~PM6:30
7
「連体節を必須とする形式名詞の諸相とその英訳文の特徴」
佐良木昌 日本大学
形式名詞は、その事例が「の」「こと」「もの」を代表格にして数多く挙げら
れている。しかし、文法家により、その語彙範囲には、異動がある。諸家
の形式名詞論を整理しつつ、形式名詞の特質を論じる。同時に、連体節を
必須とする形式名詞が主語となる和文の英訳事例から、その文型的特徴
を抽出して紹介する。
懇親会 PM7:00~PM8:30
会場:研究会会場近辺
会費:4000円
研究会についてのお問い合わせは、研究会事務局 佐良木の下記アドレスまで。
sarakiATst.rim.or.jp
ATをat markに換えてご使用下さい。
p.s.
追悼 白井諭(自然言語処理)
「言語・認識・表現」年次研究会一覧
p.s.2
ポエトリースラムジャパン名古屋大会への道
Qiita歌人連盟
C言語C++とC# 未来短歌会 2018年8月号
短歌の自動生成プログラムとデータの収集
<この記事は個人の過去の経験に基づく個人の感想です。現在所属する組織、業務とは関係がありません。>