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自分が発表(講演を含む)したうち、成功体験と失敗体験を記録し、
参考にしてもらおうと思う。

成功1 笑いを三度

20代のころ、あるコンサルに教えてもらったことが三つある。

  1. その日に与えられた題で、資料を用意せず、白紙の白板の前で、その場で1日話ができること。

  2. すべてのことに優先順位を与えること。一人、一人が別の優先順位を立てた事項を、複数人での優先順位にどう組み立てるかを行えること。

  3. 笑いを三度取ること。
    笑いを三度取るのは、緊張感がほぐれた時に、他人の話に耳を傾ける可能性が高くなるという、行動の経験則によるらしい。

笑いをいただいたことは、実際には何度かある。

エントロピー学会

最初から三度笑いをいただこうとして、実際に笑いをいただけた最初が、

1985年、京都大学で開催したエントロピー学会第二回大会での
「都市の水資源」という講演。

東京都水道局では、エントロピーモデルで、東京の水供給を計算したモデルを展開していた。同じようなことを発表しても、日本一の組織に勝てる訳がない。

そこで目標設定を、笑いを三度取ることに設定した。

自分が尊敬する、玉野井芳朗、柴谷篤弘、槌田敦といった面々に、いかに理解が得られるか。

似たような題材で、三度笑いを取っても仕方がない。お笑い芸人を目指すのであれば、それも訓練のうちかもしれないが。起承転結の四部のうちの、それぞれで一度づつ笑いを取るように企てて、そのうちの3箇所で笑いを取る戦略を立てた。

玉野井芳朗
転換する経済学―科学の統合化を求めて
https://bookmeter.com/books/882371
名称未設定.png

どんな笑いを取ったかは、関係者の聞き取り調査によって追記できるかもしれない。

成功2 次のプレゼンに何が書いてあるかを予測しやすいように

IEEE(1)

2004年、IEEEで発表した One-way differential delay used for path selection on mobile networks

遅延測定について、遅延の横顔(profile)項目として、次の8つを説明した

Availability(可用性)
Band Width(帯域)
Cost(費用)
Delay(遅延)
Error(誤り)
Fault(失敗)
Geometric distance(地理的距離)
Hop count(経路数)

Aから順に、B,Cとくれば、たいていはDを想定して、
次はEを想定する、想定と同じであればほっとし、
想定と違う場合には、納得感のある説明があればいい。

おかげさまで、Selected Presentationに選んでいただいた。
ありがとうございます。

成功3 優先順位、遠方優先、記載量少ない人優先

SWEST

Verilogスタイルガイドこんなコードもコンパイルエラーにならない
https://swest.toppers.jp/SWEST10/minutes/S2-c.txt

演習でルールの優先順位をそれぞれ書いていただき、集計した。

時間に関する必須でない規則が2つ浮き上がった。
学会報告し、必須への改定が実現した。

MISRA Cが空間にしか言及していないが、Verilog HDLのコーディング標準は時間を重要視している点がよいという意見もいただけた。
次につながった。

RTL設計スタイルガイド Verilog HDL編(System Verilog対応版)
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/4c02f1575db1f28310a7

日本技術士会

東京の日本技術士会で、HAZOPの演習をした際に、
広島の技術士の方に遠隔参加いただいた。

広島のコーディネータの方が優秀で、
打ち合わせをしていないのに、
演習の進め方を現地で指導していただき、
質問も積極的に出していただいた。

質問への回答は、遠隔の方を優先した。

日鉄ソリューションズ

日鉄ソリューションズの企画で、グループ内を含め、100人くらいの方の HAZOPの演習を実施した。

基本説明はなし。

3人の班での報告は、記載量が少ない人から報告するようにした。

結果として、話をする時間量の分散が3人で小さくなった。

他の方が企画する5人くらいの演習で一人がしゃべりつづけるのを目撃することがある。演習の仕方をわかっていないのに、偉そうにする人は世の中にはいるんだと勉強になる。

成功4 若人の意見を受け止める

動画

名古屋Reject会議。

自分以外の発表者は、ほぼ20代。一人だけ50代だった。

動画を見るとわかるが、ちょくちょく口頭でコメントしてくださっているのが、今は岐阜大学の今井敬吾。最初はニコ動にあげてもらった。
12人中、viewsが3番目に多かった。ニコ動技術部でも100番程度に位置付けられた。娘に褒められた。

今井敬吾が、いろいろコメントしてくだったので、わかりやすくなったと感謝している。また、普段、名古屋大学、大同大学の学生に教えてもらったことに、自分の経験をちょっと足しているだけなので、学生にも分かるのだと思う。

仮説・検証(139)新人(学生)を指導するよりも新人(学生)に指導してもらった方が効率的
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/db993b1536055029f7c8

言語教育XYZ
言語教育XYZ

成功5 著名人との出会い

日本規格協会

日本規格協会で招待講演をさせていただいたことがある。

東京大学の飯塚悦功 さんも講演されており、日本規格協会の方の紹介で、ご挨拶をさせていただいた。

情報処理学会での東京での講演、
日本科学技術連盟での東京での講演と合わせて、
自分の大きな経験になった。

IEEE(2)

アメリカで、ISO/IEC JTC1 SC7開催の前の週にIEEEの研究会があった。
講演させていただいた。
日本からは、早稲田大学 東 基衞、慶應大学 山本喜一、 IEEE Softweareのeditor 松原 友夫が参加されていた。

最初にIEEEで発表した時に、松原 友夫さんがいたというのは、
JAXAの片平真史さんと一緒。兄弟弟子にあたる。

その後、片平真史さんが実行委員長をされていたWOCSのプログラム委員長をさせていただいた。

成功6 大勢との出会い。

名古屋市工業研究所

自分の講演で集まっていただいた方が200人を超えたことが2度ある。

一度は、1999年に、ISO/IEC TR 15504を発行した時。
当時、規格の審議委員会の幹事をしていた。

200人のうち、20人は、自動車部品製造業のD社、20人は事務機械製造業のB社。当時、名古屋工業大学の電気工学科で、就職の一番は中部電力で、2番はD社、3番はB社だった。勉強熱心な会社はすごいなと思った。

大勢の方に来ていただければ、それはとてもありがたいこと。

課題としては、大勢に来ていただけば来ていただいただけ、期待の方向性がたくさんになり、顧客満足度が下がる可能性があることだ。

大勢に対して、笑いを三度取ろうとすると、お笑い芸人の方に習い、いかに大勢から笑いを取るかということに焦点を合わせないといけない。

営業職であれば、それも能力のうちだろう。

大勢の方に集まっていただき、結果として研究会が始まり、その後23年間続いている。毎月、第二金曜日。

参加していただける方が一人になったこともあったが、十人以上集まっていただけたことも三分の一くらいある。

大勢あつまっていただいて、その後がないのは、一発屋ってことになってしまうかもしれない。

北京

中国政府の招待で、北京で英語で講演したことがある。
自分がeditorをしていた国際規格に関する講演である。

当初は、アメリカ国防省の委託研究をしている
カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所に依頼があったらしい。ちょうどその頃、国際規格の別のpartのeditorをしていた方が、日本にもeditorがいるからと紹介してくださったらしい。

最初、中国人の通訳の方は、おまえの英語はわかりにくいから通訳しづらいとか言っていた。
しかし、フランス人とカナダ人が英語で講演している最中に、通訳師ではなく、規格の専門家に交代している。

専門用語の通訳は、専門分野の専門家が行うか、事前にその専門分野について精密に調べた人が行うのがよいという経験則。

自分の人生で、参加者が一番多かったかもしれない。
人数を数えきれなかったから。400人は超えていたような気がする。

講演を準備してくださった方が、次にISOの国際会議で南寧に言った際に、2300km離れている北京から、わざわざ会いに来てくださった。

三菱電機

三菱電機の尼崎で講演させていただいたことがある。
社内の技術報告会で、外部講師と内部講師という関係。

全国の三菱電機の製作所から人が来る。

人数を数えきれなかった。

ブラザー工業

講演をお願いされた時に、講演より前に工場見学をさせていただくことを条件とさせていただいた。

現地、現物を見ずに、その場に役立たない発言をしても、何の価値もない。

「優れた品質 無言の奉仕」という看板がかかっていた。

小学生の頃から、ブラザーの英語のタイプライタを使っていました。
まだ、複写機が高価な時代だったので、高校の英語の教科書は買わずにタイプしました。
大学生の頃には、ブラザーのスペイン語のタイプライタを買いました。
大学でも、写経のように、経済学の英語の書籍などを打ちました。

一度も壊れたことがなく、ブラザー工業に対する品質の高さと、価格のお値打ち間は定着していました。
その背景に、「優れた品質、無言の奉仕」という考えがあったことを知り感激しました。

失敗1 事前調査不足

無線(Wi-Fi)についてのセミナ講師をしたことがある。
三箇所の分散、遠隔開催。

「Wiresharkを使ったことがありますか?」
という問いかけに、答えは0。

Wiresharkを動かしたことがない人に、
Wi-Fiの何を話せというんだ。

頭が真っ白になり敗北。

事前に質問をなげかけておくべきだった。

実際に現場を訪問する場合は、上記brotherの例のように、
見学させてもらったりする。三菱電機の場合も、ちょっと見学はしたことがある。

見学がない時には、最寄り駅から工場までのみちすがらに、どういうお店があり、ごみがどれくらい落ちているかを確認している。

失敗2 怒り出した講師

ある講演会で3人の講師(うち一人は自分)のうち、一人が怒り出した。講演が終わってから、嫌がらせの手紙をどこかに出したようだ。
嫌な思いだけでなく、数千万円相当の被害も被った。
そういう人が社長をやっている会社には、勤めないことが大事だという勉強にはなった。

3人のうち、一人の講師の配偶者の方が倒れられ、講師の方がおみえになるかどうかわからなかったことと、それにもかかわらず来てくださったので、自分の講演の中で、その講師へのリップサービスをしたことが気に食わなかったらしい。

何かの長をやられているからということで講師はお願いするものではない。信頼できる方だけに講師はお願いするのがよい。

特別編 講師がおみやげ2つ。

白井諭さんに講演をお願いした時に、 おみやげを2つお持ちになり、1つはご家族にと言われた。
初めての経験。いろいろつらい思いもされてきたことはお聞きしたことがある。そんな時、ご家族が支えになったんだなと推測できた。 感謝。合掌。

日本語語彙大系 追悼:白井諭。Lisperへの敬意を込めて。

追悼 白井諭(自然言語処理) 一周忌

<この記事は個人の過去の経験に基づく個人の感想です。現在所属する組織、業務とは関係がありません。>

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