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PowerVS IBM i 日記(96): PowerVS IBM i 2025年振り返り

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2025年も押し迫ってまいりました。
今年の PowerVS IBM i の動向と機能拡張を振り返りたいと思います。
順不同です。この順にイベントや機能拡張がされたわけではありません。

IBM i の最小 PTF レベル」の更新とライセンス切れ問題

必ず「IBM i の最小 PTF レベル」記載の PTF が適用されていることを早急に確認してください。適用されていない場合は、いくつかのライセンスが期限切れで使えなくなり、業務停止の可能性があります。

このあたりでお伝えしたことです。

IBM Cloud Docs の「IBM i の最小 PTF レベル」が更新され、必要な PTF が追加されていました。
IBM i のライセンス・ポリシーが変更され、QU1 や ST1 などが OS へのバンドルになり、ライセンスキーが不要になったことへ対応するものでした。
Docs に追加された PTF と 適用すると、ライセンスキーが不要になったライセンスへのチェックが行われなくなります。

一方、IBM Cloud の対応してライセンスキーが不要になったライセンスに対するキーのインスタンスへのインジェクションがされなくなりました。

そのため、追加 PTF が適用されていない環境で LPM などでホスト移動が起こり、シリアルが変更されるとキーの期限切れでライセンスが利用できなくなりました。

ホスト移動が無い場合でも、PTF が適用されていないと、以前にインジェクションされた有効期限の短いキーで動作していることになります。新たなインジェクションはされませんので、その期限に達すると、現在、問題なく動作していたとしてもある日ライセンスが使えなくなります。

Power Edge Router(PER) 移行の推進と Cloud Connections の有料化

PowerVS 環境は Classic や VPC といった標準の IBM Cloud 環境に対してコロケーション・エリアに設置されていて、ネットワーク接続が複雑になるのが構成上の課題でした。
Classic や VPC 環境へ接続するには Cloud Connections と呼ぶ Direct Link を利用する必要がありました。
IBM Cloud の制約によるもののため、Cloud Connections 用の Direct Link は無料で提供されていました。

IBM Cloud は Power Edge Router(PER) の提供を開始し、各種 IBM Cloud サービスへの直結と TGW 経由での接続を可能にしました。
PER の活用は、このあたりでお伝えしました。

上記のように PER に移行することには多大なメリットがあり、ほどんどの DC に PER の展開が完了したことを受けて、IBM Cloud は Cloud Connectionsの終了をいったんアナウンスしました。

その後、Cloud Connections の終了は撤回されたのですが、継続利用のためには無料提供だったものを有料化されることになりました。
それまで無料だったため必要以上の帯域を設定している場合もありました。
その対応について、こちらでお知らせしました。

Power11 利用可能

オンプレ用の出荷開始と同じタイミングで PowerVS でも Power11 が利用可能になりました。
現在、US と EU で2か所づつ利用可能になっています。

当初のストックイメージは、Power11 用の PTF が適用されていなかったため、カスタムイメージの作成が必要でしたが、現在はストックイメージから通常どおりデプロイできるようになりました。

仮想シリアル番号と Virtual Software Tiers (VST)

PowerVS で仮想シリアル番号が利用可能になりました。

これまで、LPAR である PowerVS IBM i 環境は、物理ホストのシリアル番号で稼働していたため LPM を行うとシリアル番号が変わってしまい、特にサードベンダーのキー付きライセンスで課題になる場合がありました。

仮想シリアル番号は、物理ホストに紐づいていないので LPM してもシリアル番号は変わりません。
また、仮想シリアル番号では FixCentral を使うこともできます。
運用が非常に楽になります。

無料の機能で、既存のインスタンスを仮想シリアル番号管理に変更できます。

もちろん、仮想シリアル番号の一番のメリットは Virtual Software Tiers (VST)です。
P05 や P20 といったライセンス Tier が利用可能になるので、構成に最適化されたライセンス料で PowerVS IBM i をご利用いただけます。

IBM i 7.6 利用可能

PowerVS でも IBM i 7.6 が利用可能になりました。

ただ、追加ライセンスが必要な 5770-WDS で提供されている PDM の代わりに、無料で利用可能な 5770-AMT が 7.6 では提供されなくなったのが残念でした。

Power9 標準メンテナンスサービスの終了. PowerVS S922には影響なし

こんな記事も書きました。

Power9 での稼働がどうしても必要なら PowerVS は移行先の候補になると思います。

もちろん、IBM i のバージョン対応や適切な PTF が適用されていることが前提ですが、一旦、PowerVS にしていただければ、H/W を新規購入しなくても Power 9 → Power10 → Power11 の移行は LPM で可能です。

導入メディア・サーバー Cloud Optical Repository(COR) の集中テスト

新機能ではありませんが、導入メディア・サーバー Cloud Optical Repository(COR) の集中テストを実施しました。
PowerVS IBM i が登場した時は、ストックイメージ内に各種の二次言語が導入済みだったのですが、当然、効率も悪く事前導入されていないライセンスの入手も課題でした。
そこで、 COR という導入メディア・サーバーのストックイメージが用意されました。

COR をデプロイし、ひととおりの機能を検証できました。

来年もよろしくお願いします

来年も PowerVS IBM i 日記 を続けていければと思います。
まずは 100 回ですね。
メッセージがありましたら記事にコメントをいただけると励みになります。


当日記のIndexはこちらです。


許可の無い転載を禁じます。
この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。

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