昨日「(94): 仮想シリアル番号でのIBM iライセンスTierの機能名は「Virtual Software Tiers (VST)」/ VST まとめ Blog - 2025/12/14」を書きました。
その中で、こんなことも書きました。
「Virtual Software Tier (VST) for IBMi」では、下記の記載もあるので、情報の確認が必要な時は、参照していただければと思います。
- Power10 以降、IBM i 7.3 以降で利用可能であること
- 各 Tier のリソース上限
- どのモデルで、どの Tier が使えるのか
「Virtual Software Tier (VST) for IBMi」では、S1022 で稼働する VST は P05/P10 となっていますし、今日現在の DAL14 や TOK04 でも、そのように動作します。
しかし、LON04 の S1022 では P05/P10 の他に P20 が使えるのに気がつきました。
LON04 で Power10/S1022 が利用可能になったのは 2025/10
ロンドン 04 DC(LON04) で Power10/S1022 が利用可能になったのは 2025/10 と、比較的最近です。
しかし、当初、LON04 の Power10/S1022 では VST 自体が利用できませんでした。
Power10 で VST を利用できるようにするのには、対応した Firmware レベルが必要なのですが、それが適用されていなかったのでしょう。
LON04 の Power10/S1022 では P20 が選択可能
では、実際にやってみましょう。
S1022 に対しても P20 が選択できます。
エラーも発生せず、実際に P20 でデプロイされました。
「(93): 既存のインスタンスを仮想シリアル番号管理にしてIBM iライセンスTierをP05に変更する - 2025/11/01」を参考に OS からも ライセンス Tire を確認しましょう。
SELECT * FROM QSYS2.LICENSE_INFO
P20 が割り振られていました。
今月、利用可能なった SYD04/SYD05 の Power10/S1022 では P20 は選べない
今月入ってシドニー 04(SYD04) や シドニー 05(SYD05) でも Power10/S1022 が利用可能になっています。
こちらでは VST 自体は利用可能になっているのですが、TOK04 や DAL14 と同様に Power10/S1022 では P20 は選べませんでした。
S1022 で P20 が使える意味
Power 10/11 H/E モデル(E1080/E1180)の世界的な配置は、まだ十分ではありません。また Power 11(S1122) の展開も限定的です。
そのような状況で、 Power 10(S1022) で P20 が使えるのであれば、ライセンスと 資源利用の最適化がより容易になると考えます。
Firmware の更新により機能拡張のため、今度、他の DC への展開が期待されます。
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