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PowerVS IBM i 日記(93): 既存のインスタンスを仮想シリアル番号管理にしてIBM iライセンスTierをP05に変更する

Last updated at Posted at 2025-11-01

「(90): IBM i ライセンスTierのデプロイ後の変更 - 2025/10/02」で、こんな事を述べたましたが、半分は嘘でした。

仮想シリアル番号を使っていない場合は、下記の通りあとからライセンス Tier の変更はできません。

一旦、既存のインスタンスを仮想シリアル番号管理に変更すれば、その後、ライセンス Tier の変更が可能です。

アカウントで仮想シリアル番号の使用を有効にする

仮想シリアル番号の使用が前提なので、事前に IBM へ依頼しましょう。
手順は「(79): 仮想シリアル番号の使用を依頼してみました - 2025/07/22」を見てください。

Power9 インスタンスの場合、Power10 以降のホストに移動する

仮想シリアル番号は、仮想シリアル番号に対応のための Firmware に更新された Power10 以降のホスト上での稼働が前提です。
Power9 上では利用できません。Power9 インスタンスの場合、Power10 以降のホストに移動しましょう。

移行方法 1 : Capture/Deploy

インスタンスのイメージを Capture し、そこから 新しいインスタンスを Power10 以降のホストにデプロイする方法です。
アカウントで仮想シリアル番号が有効になっていれば、Power10 以降のホストにデプロイするタイミングで、仮想シリアル番号が指定できます。 同時に P05 の指定も可能です。

移行方法 2 : Live Partition Mobility(LPM)

IP アドレスを変更したくないなどの場合、Case で Power10 以降のホストへの LPM を依頼してください。
この時に、ホストへ PIN 留めされているのであれば、PIN 留めを外してください。

インスタンスをシャットダウンする

ここからは、Power10 で稼働していて仮想シリアル番号を使っていない場合の対応です。Power9 から LPM で移動してきた場合も含みます。

まず、インスタンスをシャットダウンしてください。仮想シリアル番号の利用に切り替えるには、インスタンスがシャットダウンされていることが必要です。
シャットダウンされていない状態で変更しようとするとシャットダウンが必要という趣旨のメッセージが表示されます。

image.png

仮想シリアル番号を編集

インスタンスがシャットダウンされれば、仮想シリアル番号の編集が可能になります。編集アイコンをクリックします。

image.png

仮想シリアル番号を自動割り当てするか、既存のものから割り当てるか選びます。

image.png

設定を保存します。

image.png

しばらく待ちます。

image.png

仮想シリアル番号が割り振られました。
これまでなかった「IBM iソフトウェア・ティア」の項目が表示され、もともとの「P10」が割り振られました。
変更するためのアイコンも表示されました。

image.png

ライセンス Tier を変更する

現在、シャットダウン中のため、そのままライセンス Tier の変更が可能です。

image.png

P05 と P10 が選択できます。P05 に変更して同意します。

image.png

変更の適用には、しばらく時間がかかります。ステータスが「サイズ変更」でグルグルしています。

image.png

P05 に変更されました。

image.png

OS からの確認

起動して、 OS 側からも確認します。

image.png

ライセンスキーが追加されたことのメッセージが QSYSOPR に表示されています。
いくつか「not found」の表示がありますが、今回の環境の IBM i 7.4 では使えないバージョンのキーのインジェクションを IBM Cloud が試みてエラーになっています。これは正常な状態です。

image.png

IBM i「5770SS1」のキーが変更後の仮想シリアル番号に対して追加されました。

image.png

追加オーダーが必要だけど、今回はオーダーしていない「5770HAS」のキーはインジェクションされませんでした。70 日の猶予期間に入りました。
しかし、これもオーダーしていないので正常です。

image.png

「DSPLICKEY」で確認すると「5770SS1」の「5051」へは「P05」ではなく「*ANY」としてキーが発行されていました。

image.png

また「5770BR1」には「P40」としてキーが発行されていました。

image.png

他のものも「*ANY」か「P40」でした。
Cloud として、課金する Tier を管理しているので、キーを厳密に管理していないのでしょう。

OS 側から現在のライセンス Tier を確認する方法

Cloud のポータルで現在のライセンス Tier を確認ことはできました。OS 側から現在のライセンス Tier を確認する方法も確認しましょう。

いくつか方法は考えられますが、IBM i Services Directory の QSYS2.License_Info ビューを使えば、プログラムからも取得可能です。

SELECT * FROM QSYS2.LICENSE_INFO

image.png

IBM i Services Directory の QSYS2.License_Info ビューについては「IBM i Services Directory : QSYS2.License_Info ビュー」も参考にしてください。


当日記のIndexはこちらです。


許可の無い転載を禁じます。
この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。

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