COR サーバーを使って IBM i を V7R4 から V7R5 へバージョンアップ
COR の利用も 4 回目です。
「PowerVS IBM i 日記(69): CORの利用(1) - COR サーバーを構成してライセンスプログラムを導入する」で確認したとおり、COR サーバーの IFS には 現時点で V7R2 から V7R5 までのメディアが用意されています。
今回、IBM i を V7R4 から V7R5 へバージョンアップしたいと思います。
仮想光ディスク装置の準備
新しく V7R5 のディレクトリを指定した、仮想光ディスク装置を作成します。
なお、本来「COR_IMG750」とするつもりだったのですが「COL_IMG750」で作業を進めてしまったので、スクリーンショットは「COL_IMG750」になっています。
CRTDEVOPT DEVD(COR_IMG750) RSRCNAME(*VRT) LCLINTNETA(*SRVLAN) RMTINTNETA(192.168.100.99') NETIMGDIR('/INSTALL/V7R5M0/LATEST/LANGGRP3')
オンに構成変更します。
VRYCFG CFGOBJ(COR_IMG750) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*ON)
イメージ・カタログの内容を確認します。
WRKIMGCLGE IMGCLG(*DEV) DEV(COR_IMG750)
「V7R5M0」の「LANGGRP3」のメディアが確認できました。
バージョンアップの準備
今回は、自動導入でのバージョンアップを実施します。
装置とメディアが用意できたので、バージョンアップの準備をします。
「GO LICPGM」から「5. 導入の準備」に進みます。
今回は V7R4 から V7R5 へのバージョンアップのため、必要なのは下記の二つです。
- ターゲット・リリースのライセンス・プログラムの処理
- ソフトウェア契約の処理
「ターゲット・リリースのライセンス・プログラムの処理」を選びます。
「1= 配布媒体」を選択し「 ディスク装置」を指定、ターゲット・リリースに「V7R5M0」を入力します。
メディア情報を取得するので少し時間がかかります。
導入するライセンスに「1= 選択」を指定します。
「ソフトウェア契約の処理」を選択します。
「F11」で表示を切り替えると「受諾状態」が「NO」です。
全てに「5= 表示」を指定します。
ライセンス条項は正常に表示されませんでした。
各ライセンスに「F15= すべて受諾」を行います。
「受諾状態」が「YES」になりました。
「F3」で、コマンド入力画面に戻ります。
バージョンアップの実行
今回は「STRNETINS」コマンドでネットワーク導入を行います。
導入する言語を指定します。
指定しない場合、導入済み 1 次言語で導入されるはずですが、今回の環境は 2984 で初期導入されていた環境を 後から 2962 に変更したためか、この指定を行わないと 2984 でバージョンアップされてしまいました。
期待する 1 次言語で確実にバージョンアップするために、指定することをお勧めします。
CALL PGM(QINSTLNG) PARM('2962')
「STRNETINS」で自動導入を行います。
ここでも念のため、言語を指定しました。
STRNETINS DEV(COR_IMG750) LNG(2962)
「F16」で確認して開始します。
開始されました。コンソールに進捗が表示されます。
期待通り「2962」として導入が進んでいます。
サインオン画面が出ました。QSYSSBSDで起動しています。
「DSPSFWRSC」で確認すると、コードと 1 次言語が V7R5M0 に更新されているのが確認できました。
「GO LICPGM」の「21. 2次言語の導入」に進みます。
「PowerVS IBM i 日記(70): CORの利用(2) - COR サーバーから 2 次言語を導入する」の手順で、2 次言語も V7R5M0 に更新します。
ライセンス・キー
バージョンアップ直後は、ライセンスは登録されていませんでした。
その後「25/02/16 23:31:19」にライセンスは自動登録されました。
PowerVS IBM i では、システムが起動していれば、ライセンス・キーは毎週の週末の内部処理で自動設定されるとのことです。
システムを起動したまま、週末を経過してもライセンス・キーが登録されない場合は、 サポートに問い合わせてください。
なお、ライセンス・キー自動登録の問い合わせは Cloud の Case ではなく「PowerVS IBM i 日記(56): IBM i OSについてサポート・コミュニティ Caseで問い合わせるために「IBM i on Cloud」を指定する」で記事にしたサポート・コミュニティの Case になります。
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