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PowerVS IBM i 日記(69): CORの利用(1) - COR サーバーを構成してライセンスプログラムを導入する

Last updated at Posted at 2025-02-23

ストックイメージ「IBMi_COR-XX-XX-X」は何のため?

IBM i のストックイメージに「IBMi_COR-XX-XX-X」というものがあります。

image.png

「COR」は「Cloud Optical Repository」の略で、IFS 上の仮想光ディスク・イメージを他の PowrVS VSI に NFS 経由で提供するサーバーです。

以前「PowerVS IBM i 日記(43): ブートイメージ 言語コード 2924/2984 の区別と導入メディア専用サーバーの用意」で存在は紹介しました。

今回は実際に動作を確認したいと思います。

構成手順は英文ですが「COR - Cloud Optical Repository」に記載されています。それに従って実行していきます。

COR サーバーの構成と確認

COR 用のストックイメージを通常通りデプロイします。

クライアントとなる IBM i とはプライベート・ネットワークで接続するのでプライベート・ネットワークを構成に含めてください。

通常デプロイされる IBM i サーバーと違うのは、アクセプトする必要のあるライセンスが、極端に少ないことです。
NSF サーバーとして他の IBM i に仮想光ディスク・イメージを提供すればいいだけなので、その目的に不要なライセンスは導入されていません。

image.png

COS サーバーは NFS サーバーとしてクライアント IBM i に仮想光ディスク・イメージを提供します。
しかし必要な TCP/IP スタックや NFS サーバーは自動開始されるため、COS サーバー側ではこれ以上の構成は不要です。

COR サーバーでの仮想光ディスク・イメージの確認

クライアントとなる IBM i から接続するために想光ディスク・イメージが存在する IFS 上のディレクトリを確認します。

仮想光ディスク・イメージは「/INSTALL」の下に、VxRxMx ごとに用意されています。

image.png

V7R4 の場合「/INSTALL/V7R4M0/LATEST」になります。その下に、言語グループごとのフォルダーが存在します。日本語を含むアジア圏用はグループ 3 のため、日本語対応のメディアを利用する場合は「/INSTALL/V7R4M0/LATEST/LANGGRP3」が対象です。

「/INSTALL/V7R4M0/LATEST/LANGGRP3」と階層をたどると、基本メディアセットの他、基本メディアセットに含まれないライセンスソフトのイメージが用意されているのが分かります。

image.png
image.png
image.png

クライアント IBM i のセットアップ

COR サーバーと同じプライベート・サブネットに接続された IBM i VSI で NFS クライアントをセットアップします。

プライベート・ネットワーク・インターフェースの追加

クライアントの IBM i のプライベート・ネットワーク・インターフェースは、通常利用のためのものと NFS クライアント用を共有することも、別々に分けることもできます。
今回は、別々に分けて構成します。

COR - Cloud Optical Repository」には共有する場合の手順も記載されています。

稼働中の IBM i に追加のプライベート・ネットワーク・インターフェースを追加します。
今回は通常利用の IP として「192.168.100.11」が割り当て済みのところに「192.168.100.111」を新しく割り当てました。

image.png

追加されました。

image.png

デプロイ後にネットワーク・インターフェースを追加した場合、IP アドレスが割り振られても IBM i に自動構成されるわけではありません。
PowerVS IBM i 日記(53): 後からPowerVS IBM i にネットワークを追加しても自動でLINDは作成されないし IP アドレスも追加されない」にも書きましたが、資源が割り振られるだけで LIND も 作成されないし IP アドレスも追加されません。

ただし、今回はクライアントの IBM i が仮想光ディスク装置用に利用する IP のため、CFGTCP から認識できる IP アドレスとして構成する必要はありません。

サービス・ツール・サーバー LAN アダプターの設定

COR サーバーには IBM i の OS からではなく、サービス・ツール・サーバー LAN アダプターから接続します。
先ほど追加したプライベート・ネットワーク・インターフェースをサービス・ツール・サーバー LAN アダプターとして設定します。

DST を起動します。
「IBM i 操作」で「21」を実行するとコンソールに DST が表示されます。

image.png

「5. Work with DST environment」を実行します。

image.png

「2. System Devices」を実行します。

image.png

「F13= Select STS Lan Adapter」で LAN アダプターの選択画面に進みます。

image.png

新規に追加したネットワーク資源が表示されるはずです。
「1」で選択します。

image.png

新規に追加したプライベート・ネットワーク・インターフェースの IP アドレスを設定します。

image.png

「F7 = Store」で変更を保管します。

image.png

「F17 = Deactivate followed by activate」で変更を有効にします。

image.png

これで構成は終わりです。「F3 = exit」で終了します。

image.png

稼働光ディスク装置の構成

「CRTDEVOP」で稼働光ディスク装置を作成します。
NFS を利用した稼働光ディスク装置は下記のような作成になります。

CRTDEVOPT DEVD(COR_IMG) RSRCNAME(*VRT) LCLINTNETA(*SRVLAN) RMTINTNETA([COR サーバー IP]) NETIMGDIR([マウント先]) UID(0) GID(0)

今回は COR サーバー には「192.168.100.99」を割り振っています。

image.png

先ほど確認した COR 上の IFS の「/INSTALL/V7R4M0/LATEST/LANGGRP3」をマウントします。

このように実行します。

CRTDEVOPT DEVD(COR_IMG) RSRCNAME(*VRT) LCLINTNETA(*SRVLAN) RMTINTNETA('192.168.100.99') NETIMGDIR('/INSTALL/V7R4M0/LATEST/LANGGRP3') UID(0) GID(0)

VRY-ON します。

VRYCFG CFGOBJ(COR_IMG) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*ON) 

イメージカタログにイメージをロードします。

LODIMGCLGE IMGCLG(*DEV) DEV(COR_IMG) IMGCLGIDX(*FIRST) 

ここまでの実行結果です。

image.png

仮想光ディスク装置にロードされているイメージを確認します。

WRKIMGCLGE IMGCLG(*DEV) DEV(COR_IMG)

COR サーバーの「/INSTALL/V7R4M0/LATEST/LANGGRP3」内のイメージがロードされているのが確認できました。

image.png

COR サーバーからライセンスプログラムを追加導入する

今回は「AFP Font Collection for IBM i (5733B45)」から日本語フォントを導入してみましょう。

How to Install the AFP Font Collection for IBM i Product (5733B45)」によれば、日本語フォントは下記のオプションです。

  • Opt 2 - AFP Outline Fonts - Japanese
  • Opt 8 - AFP Raster Fonts - Japanese

メディアをマウントし確認

「6=Mount」で 5733B45 のメディアをマウントします。

image.png

「/OPT」を確認するとマウントしたメディアの中身が確認できます。

5733B45 のメディアで、オプション 2 と 8 が含まれていることが確認できます。

image.png

ライセンスプログラムの導入

「RSTLICPGM」で導入します。

RSTLICPGM LICPGM(5733B45) DEV(COR_IMG) OPTION(*BASE)
RSTLICPGM LICPGM(5733B45) DEV(COR_IMG) OPTION(2)
RSTLICPGM LICPGM(5733B45) DEV(COR_IMG) OPTION(8)

導入されました。

image.png

「DSPSFWRSC」でも導入が確認できます。

image.png

image.png


当日記のIndexはこちらです。


許可の無い転載を禁じます。
この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。

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