ブートイメージ 言語コード 2924/2984 の区別と導入メディア専用サーバーの用意
しばらく PowerVS IBM i を触っていなかったのですが、気がついたら言語コード 2984 のブートイメージが用意されました.
あと「COR」と見慣れないものあります。
ずいぶん前に「PowerVS IBM i 日記(11): 一次言語を 2984 English DBCS にする」でも書きましたが、「英語を 1 次言語として必要とする場合の 2 次言語に関する注意」に下記のようにあるので、1 次言語 を 2924 のまま、2 次言語を日本語で使うのはいい気持ちではありませんでした。実際に困った経験はありませんが。
日本語、中国語 (簡体字)、中国語 (繁体字)、または韓国語を 2 次言語として使用し、1 次言語として英語が必要な場合は、1 次言語に英語大文字および小文字 (2984) を使用してください。
でも最初から 2984 のイメージが用意されているのであれば、こちらを使えばより安心ですね。
言語コード 2924/2984 のブートイメージには、2次言語が用意されていない
これまで「PowerVS IBM i 日記(8): 2962 日本語を二次言語として導入する」で見たように 2930 日本語を含む複数の言語が 2 次言語として用意されていました。
今回用意された 言語コード 2924/2984 のブートイメージには2 次言語が導入されていませんでした。
言語コード 2984 だからと言って、DBCS 特有のライセンス S/W が導入されているわけではない
「PowerVS IBM i 日記(14): 導入されている LPP がドキュメントより少ない?」で書いたことです。
1 次言語が 2924 SBCS 英語なら DBCS ユニークな 5761-AP1 や DBCS フォントが含まれないのも納得はしないまでも、ある程度理解できますが 2984 DBCS 英語なら DBCS 特有のライセンス S/W も導入してほしいところでした。
画面から 5761-AP1 多機能 DBCS 印刷装置サポート や 5733-B45 のうち DBCS フォントが導入されていないのが確認できます。
導入イメージは専用ブートイメージ「IBMi_COR-74-05-1」で提供
ブートイメージの選択肢に「IBMi_COR-74-05-1」という意味が分からないものがありました。
この中に各種の導入イメージが用意されていました。
IFS の「/INSTALL」の中に V7R1 から V7R4 のフォルダーが用意されています。
さらに言語グループ(日本語を含むアジアはグループ 3)ごとにフォルダーが分かれ、基本メディアセットに入っていない 5769-FN1 AFP DBCS Fonts なども用意されています。
なおメディア提供の専用サーバーのため、ライセンス S/W は最低限しか導入されていません。
「NFS (ネットワーク・ファイル・システム) を使用した仮想光ディスク記憶」のように NFS で仮想光ディスクとしてマウントして利用することを想定しているようです。
導入メディア専用ブートイメージ「IBMi_COR-74-05-1」のメリット・デメリット
メリット
- 既にイメージがCloud上にある
実は、DVD ISOイメージを Public IPから scp で転送すると大体失敗します。
Public IP の ssh ポートが管理用なので仕方ないかもしれませんが…
私は DVD ISOイメージを転送する時は aspera を使って ICOS に上げて、ICC で IFS にコピーとかしてました。
- 標準セットに含まれないライセンスS/Wの導入メディアが提供されている
SWMAのエンタイトルを持たないでも IBM ESS のサイトから標準セットのDVD ISOイメージを「Trial」として入手することができます。
これは対象がキー付きライセンスのためです。
一方、PowerVS 上でライセンスの利用が許可されているにものには、有料・キー無しのライセンスが含まれます。
これらは別メディアになっていて ESSに エンタイトルを持つ ID でログインしないと入手できませせん。
有料・キー無しのライセンスが用意されていることは大きなメリットです。
- 2924/2984 で済む人が無駄な 2 次言語のために容量を食われない
不要な人にとっては、無駄な 2 次言語はストレージの無駄ですね。
デメリット
デメリットは、PowerVS のインスタンスを有料で立てて、プライベートネットワークや NFS の構成とかが必要なことですかね。
2022/06/01 作成
2022/06/02 「導入メディア専用ブートイメージ「IBMi_COR-74-05-1」のメリット・デメリット」を追記
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