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PowerVS IBM i 日記(53): 後からPowerVS IBM i にネットワークを追加しても自動でLINDは作成されないし IP アドレスも追加されない

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オーダー時に指定しなかったネットワークを後から追加したい

PowerVS IBM i のオーダー時にパブリック・ネットワークやプライベート・ネットワークを有効にしておくと自動的に回線記述 (LIND) が作成され IP アドレスが追加されます。
では、オーダー時に指定していなかったネットワークを後から追加したらどうなるでしょうか?

Docs の「IBM i 仮想マシン (VM) のネットワーク・インターフェースを追加/削除する方法」では下記が記載されています。

IBM PowerVC バージョン 1.2.2 以降、IBM PowerVC は、動的にネットワーク・インターフェース・コントローラー (NIC) を VM に追加したり、NIC を VM から削除したりできます。 IBM PowerVC では、マシンのデプロイメント後に作成された新しいネットワーク・インターフェースには、IP アドレスは設定されません。

後から追加した場合、ネットワーク・インターフェース = NIC = LIND は自動構成されるが、IP アドレスはアサインされないという事でしょうか ?

実際、Docs の同じページの「IBM i VM へのネットワーク・インターフェースの追加」でも LIND の作成には触れていません。LIND があることを前提に IP アドレスを追加するステップをガイドしているだけです。

実際に確認

実際に確認しましょう

プライベート・ネットワークなしのオーダー

まず、プライベート・ネットワークなしのオーダーをします。

image.png

パブリック・ネットワークあり、プライベート・ネットワークなしでデプロイされました。

image.png

LIND が作成され「CFGTCP」の「OPT 1」でもパブリック・ネットワークに正しくIP アドレスがアサインされています。

image.png

「WRKLIND」を確認すると「CLOUDINIT0」と「CLOUDINIT1」の LIND が確認できます。
「CLOUDINIT0」には、パブリック用の IP アドレスがアサインされていました。
「CLOUDINIT1」は制御用の LIND です。
「0/1」の名称は入れ替わっている場合もあります。

image.png

「WRKHDWRSC TYPE(*CMN)」で資源を確認します。
タイプ「268C」の「CMNxx」が仮想イーサネット通信ポートです。
「CLOUDINIT0」「CLOUDINIT1」に対応して、二つ存在します。

image.png

プライベート・ネットワークの追加オーダー

プライベート・ネットワークをポータルから追加しましょう。

image.png

プライベート・ネットワークを追加する場合、あらかじめサブネットを作成しておく必要があります。
ここでは、サブネットを選択します。
IP アドレスを指定することもできます。

image.png

ネットワークが追加されました。IP アドレスもアサインされています。

image.png

「WRKHDWRSC TYPE(*CMN)」で資源を確認します。

「CMN05」が追加されたことが分かります。

image.png
image.png

「WRKLIND」を確認しましょう。LIND は追加されていません。

image.png

「CFGTCP」の「OPT 1」を確認します。LINDが作成されていないので、IP アドレスもアサインされていません。

image.png

IBM i を再起動しても結果は変わりませんでした。

LIND が作成されないのは仕様

IBM Cloud のサポートと長期間やり取りを行った結果判明したのは LIND が作成されないのは仕様とのことでした。

IBM i インスタンスをデプロイする時の初回は「cloud-init」が実行され、LIND の自動作成や IP アドレスの追加が行われます。

しかし、それ以降二度と「cloud-init」は実行されないのだそうです。

下記に「cloud-init」の状況を確認する方法が記載されていました。

IBM i の活動化エンジンの状況を確認するには、CALL PGM(QSYS/QAENGDSP) を実行します。以下のいずれかのメッセージが表示されます。

  • システム活動化エンジンが有効です (THE SYSTEM ACTIVATION ENGINE IS ENABLED)
    活動化エンジンは、次に仮想マシンの電源がオンになったときに実行され、ovf-env.xml ファイルがマウントされていればシステム構成を変更します。
  • システム活動化エンジンが無効です (THE SYSTEM ACTIVATION ENGINE IS DISABLED)
    活動化エンジンは、次に仮想マシンの電源がオンになったときに実行されません。
  • システム活動化エンジンが完了しました (THE SYSTEM ACTIVATION ENGINE COMPLETED)

「CALL PGM(QSYS/QAENGDSP)」を実行してみましょう。

image.png

少し表記が違いますが「活動化エンジンによって仮想マシンが構成されました。活動化エンジンは、次に仮想マシンの電源がオンになったときに実行されません。」の状況のようです。

「cloud-init」は初回デプロイの時しか実行されず、後からの構成変更に伴うIBM i 側の操作はユーザーが自分自身で実行する必要がある。Docs の記述は不十分だったとのことでした。

LIND を作成し IP アドレスを追加する

自動構成されないのであれば、手動で LIND を作成し IP アドレスを追加しましょう。

今回のプライベート・ネットワーク用に追加されたポートの資源名は「CMN05」であることが、わかっています。
「CRTLINETH」で「CMN05」を指定して LIND を作成します。

CRTLINETH LIND(PRIVATE1) RSRCNAME(CMN05)

image.png

オンに構成変更し、LIND を確認します。

VRYCFG CFGOBJ(PRIVATE1) CFGTYPE(*LIN) STATUS(*ON)
DSPLIND LIND(PRIVATE1)

MAC アドレスがポータルで表示されているものと一致しているのが分かります。

image.png

image.png

IP アドレスを追加し、開始します。

ADDTCPIFC INTNETADR('172.16.10.191') LIND(PRIVATE1) SUBNETMASK('255.255.255.0')
STRTCPIFC INTNETADR('172.16.10.191') LIND(PRIVATE1)

当日記のIndexはこちらです。


許可の無い転載を禁じます。
この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。

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