PowerVS 上の IBM i や AIX のサポートは IBM Cloud の Case ではなく、オンプレで利用される SWMA の IBM/AIX と同様に「サポート・コミュニティ」の Case で問い合わせます。
この時 Docs の「IBM サポートでオペレーティング・システム (AIX または IBM i) 関連のケースを開く」にあるように製品名として「AIX on Cloud または IBM i on Cloudと入力」します。
通常のオンプレの「IBM i/AIX」で問い合わせるためには 有効な SWMA がある IBM i のシリアル番号と IBMid が紐づいている必要があります。
しかし、PowerVS は Cloud上 の時間課金でありマシンシリアルも事前に特定できず、SWMA を締結しません。SWMA エンタイトル自体が不要です。
そのためサポート・コミュニティでは製品を区別することで、そのあたりの処理を分けています。
「IBM i on Cloud/AIX on Cloud」を利用する条件
今回、お客様から同じアカウントの内のメンバーなのにサポート・コミュニティの Case 起票で「IBM i on Cloud」が選べるメンバーと選べないメンバーがいると相談を受けたので、何をすれば「IBM i on Cloud」が利用可能になるかを確かめました。
IBM Cloud アカウントのメンバーであるだけではダメなのか、アカウントとして PowerVS の資源を持っているだけではなく、そのメンバーが実際にインスタンスを作成しなければいけないのかご不明だったようです。
結論: 有効な IBMid があれば「IBM i on Cloud/AIX on Cloud」は利用可能
少なくとも現在は IBM Cloud アカウントとサポート・コミュニティの間での連携は取られておらず、有効な IBMidがあれば「IBM i on Cloud/AIX on Cloud」は利用可能でした。
もちろん、チェックされないと言ってもIBM Cloud PowerVS のご利用が前提です。IBM Cloud PowerVS のご利用中の IBM i/AIX に対する問い合わせであることが前提です。
無関係な質問は利用条件違反となります。
選択できないのは利用実績がないから
では、なぜ同じアカウントの内のメンバーなのにサポート・コミュニティの Case 起票で「IBM i on Cloud」が選べるメンバーと選べないメンバーがいるのでしょうか?
それはサポート・コミュニティで「IBM i on Cloud」の問い合わせをした実績がないからです。
Docsの「IBM サポートでオペレーティング・システム (AIX または IBM i) 関連のケースを開く」を、もう一度確認しましょう。
「「製品」フィールドに、 AIX on Cloud または IBM i on Cloudと入力します」とあります。
「選択」ではないですね。
「製品」フィールドは、最近利用した製品はリストされますが、すべての利用可能な製品がリストされるわけではありません。
リストに表示されない場合は、入力して検索すればいいのです。
なお、検索結果に表示されたものすべてが、問い合わせ可能な製品ではありません。
SWMA や PA S&S が前提になる製品も検索可能です。この場合、IBMidが契約に紐づいていない場合は、その後に関連付けを求められます。
確認
実際にテストしてみましょう。
IBMid を作成
IBM Cloud アカウントのメンバーであるということは、IBMid をお持ちのはずです。
しかし今回は確認のために、新たに IBMid を作成します。
有効なメールアドレスがあれば IBMid は作成可能です。
IBMid の作成手順は「サポート・コミュニティーを使おう:ステップ1 IBMid の作成」などで確認できます。
「サポート・コミュニティ」にアクセス
この状態で「サポート・コミュニティ」にアクセスします。
ログインが完了していない場合「サポート・コミュニティ」にログインが求められます。
Case のオープンで製品をリストから選ぼうと「v」をクリックします。
「AIX on Cloud/IBM i on Cloud」は確かにリストされません。
さらに、全く利用実績がないので、一切の製品がリストされません。
しかし、よく見てください。
説明には「検索または最近の製品からの選択」とあります。
ここで選択するためにリストされるのは最近使った製品だけなのです。
「AIX on Cloud/IBM i on Cloud」を利用したければ、単純に検索してください。
下記は「IBM i 」と検索した例です。なお例では「i」の後にブランクを入れて、製品を絞り込んでいます。
「IBM i」と「IBM i on Cloud」に候補が絞られ、選択可能になりました。
後は「IBM i on Cloud」を選んで、バージョンを指定して Case を起票します。
「IBM i」を選ぶと
「IBM i」を選ぶと問い合わせに 有効な SWMA が必要なため、紐づいていない IBMid の場合は登録が求められます。
「IBM i on Cloud」の場合と動きが違うのが確認できます。
IBM Power Virtual Server Support Reference Guide
英文ですが「IBM Power Virtual Server Support Reference Guide」が公開されています。
より良いサポート体験のために、ぜひご一読いただければと存じます。
「重大度とアカウント情報」で「Severity」の直後に「アカウント」の選択・入力が求められる (2024/02/29 追記)
こちらで確認できた「IBM i on Cloud」を指定した後の入力項目は下記になります。
「重大度とアカウント情報」で「Severity」の直後に求められるのは「Cloud platform」の選択です。
しかし、「Severity」の直後に「アカウント」の検索・指定が求められ、指定できないのでサポート・コミュニティ Case を起票できないというお話をされる方がいらっしゃいました。
こちらで OS やブラウザーを変更、Cookie の削除などをしてみたりしたのですが、再現できませんでした。
Case のオープンに対するサポートは、ページの最下部にある下記の部分から、可能になっています。そちらでのお問い合わせをお願いいたします。
ご利用の IBMid に依存する現状なのかもしれません。新しい IBMidを取得した方が早い解決になるかもしれません。
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