「PowerVS IBM i 日記(64): PER 環境の利用(1) - PER 環境を用意する」で特別な構成をしないでも IBM Cloud 提供の DNS が、そのまま利用できるのを確認しました。
同様に、IBM Cloud Object Storage(COS)にも、追加構成をしないでもアクセス可能です。
COS にアクセスできれは Cloud Storage Solutions for i と BRMS を使って IBM i のバックアップ先として COS を利用することができるようになります。
構成方法は以前確認しましたが、その時はパブリック・エンドポイントを利用しました。
- PowerVS IBM i 日記(16): Cloud Storage Solutions for i で IBM i から IBM Cloud Object Storage にアクセスする
- PowerVS IBM i 日記(17): Cloud Storage Solutions for i と BRMS で IBM Cloud Object Storage にバックアップ (手動移動編)
- PowerVS IBM i 日記(18): Cloud Storage Solutions for i と BRMS で IBM Cloud Object Storage にバックアップ (自動移動編)
今回、プライベートな接続で Cloud Storage Solutions for i を使って COS にアクセスアクセスできること確認します。
アクセスが可能になれば、それ以降の操作や BRMS との連携は同じはずです。
COS のエンドポイント
COS のエンドポイントは。こちらに記載されています。パブリック・エンドポイントの他、プライベート・エンドポイントとダイレクト・エンドポイントが用意されています。
PER 環境の PowerVS からはプライベート・エンドポイントとダイレクト・エンドポイントの両方に直接接続することが可能です。
東京リージョンのプライベート・エンドポイントはこちら
- s3.private.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud
特別な構成をしないでも ping で疎通確認ができます。
東京リージョンのダイレクト・エンドポイントはこちら
- s3.direct.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud
やはり特別な構成をしないでも ping で疎通確認ができます。
ICC の構成とテスト
「エンドポイント・タイプ」の説明でも「可能な限り、プライベート・エンドポイントを使用することをお勧めします」とあるので、プライベート・エンドポイント「s3.private.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud」を使ってテストします。
構成手順は「PowerVS IBM i 日記(16): Cloud Storage Solutions for i で IBM i から IBM Cloud Object Storage にアクセスする」と同じです。
違うのはエンドポイントの URL 程度です。
「CRTS3RICC」コマンドで COS への接続リソースを作成します。
(下記のアクセス情報は削除済みです)
いったん、非 TLS の「http:// s3.private.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud」で構成します。
「CPYTOCLD」で IFS 上のファイルを COS にコピーしましょう。
MKDIR DIR('/ICCTEST')
EDTF STMF('/ICCTEST/A.TXT')
CPYTOCLD RESOURCE(COS_TOK) ASYNC(*NO) LOCALFILE('/ICCTEST/A.TXT') CLOUDFILE(From_IBM_i.txt)
正常にコピーされました。特別な構成をしなくても PER 環境では COS プライベートなネットワークでアクセスできるのが確認できました。
ポータルからもコピーしたファイルを確認できます。
「CHGS3RICC」コマンドで COS への接続リソースを「https:// s3.private.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud」と TLS 接続に変更します。
「CPYTOCLD」でもう一度にコピーします。
CPYTOCLD RESOURCE(COS_TOK) ASYNC(*NO) LOCALFILE('/ICCTEST/A.TXT') CLOUDFILE(From_IBM_i.txt)
エラーでコピーが失敗しました。
「CPDBCC9 Application identifier is not registered to use TLS.」というエラーが発生していました。
これは PER や COS の問題ではありません。
Cloud Storage Solutions for i が IBM i 上で TLS の クライアント・アプリケーションとして登録されていないというエラーです。
TLS を利用したい場合は「Cloud Storage Solutions のファイル転送暗号化の構成」を参考に、追加構成を実施します。
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