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PowerVS IBM i 日記(17): Cloud Storage Solutions for i と BRMS で IBM Cloud Object Storage にバックアップ (手動移動編)

Last updated at Posted at 2020-10-14

Cloud Storage Solutions for i と BRMS で IBM Cloud Object Storage にバックアップ (手動移動編)

前回の「Cloud Storage Solutions for i で IBM i から IBM Cloud Object Storage にアクセスする」でコマンドで IBM Cloud Object Storage(ICOS) にアクセスできることを確認しました。

今回は「5770-BR1 Backup Recovery and Media Services (BRMS)」と組み合わせて、バックアップを ICOS に保管したいと思います。
BRMS は PowerVS IBM i の基本契約に含まれます。

まずは、前半として ICOS へのバックアップの移動を手動で行うパターンを試します。

自動移動させる構成は、「Cloud Storage Solutions for i と BRMS で IBM Cloud Object Storage にバックアップ (自動移動編)」をご覧ください。

Cloud Storage Solutions for i のリソースの作成

CRTS3RICC コマンドで ICOS にアクセスするリソースを作成します。
今回は、前回作成した「ICOS_SYD」を使います。

仮想テープとイメージカタログの作成

Cloud Storage Solutions for i は IFS 上のファイルを ICOS と送受信します。
バックアップが IFS に生成されるように仮想テープとイメージカタログを作成します。

仮想テープを作成します。

CRTDEVTAP DEVD(TAPVRT01) RSRCNAME(*VRT) 
VRYCFG CFGOBJ(TAPVRT01) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*ON)

イメージカタログを作成し、先ほど作った仮想テープにロードします。

CRTIMGCLG IMGCLG(VTAPBRMS) DIR('/VTAPBRMS') TYPE(*TAP) CRTDIR(*YES)   
ADDIMGCLGE IMGCLG(VTAPBRMS) FROMFILE(*NEW) TOFILE(ICC001) VOLNAM(ICC001)
LODIMGCLG IMGCLG(VTAPBRMS) DEV(TAPVRT01)

イメージカタログが利用可能になっています。

image.png

仮想テープボリュームも用意されています。密度は「*VRT256K」です。

image.png

BRMS の状況の確認

現在の BRMS の状況を、いくつかのコマンドで確認します。

WRKDEVBRM

仮想テープ装置は BRMS に認識されていません。

image.png

WRKCLSBRM TYPE(*MED)

仮想テープボリュームに対応した媒体クラスはありません。

image.png

WRKPCYBRM TYPE(*MED) 

ICOS に対応したポリシーはありません。

image.png

INZBRM による構成や資源の BRMS への登録

INZBRM OPTION(*DATA) を行うことで、BRMS が 仮想テープ、イメージカタログ、Cloud Storage Solutions for i の資源を認識します。

INZBRM OPTION(*DATA)

先ほどの同じコマンドで BRMS の認識を確認します。

WRKDEVBRM

仮想テープ装置が認識されました。

image.png

WRKCLSBRM TYPE(*MED)

仮想テープボリュームに対応した媒体クラスが追加されました。

image.png

WRKPCYBRM TYPE(*MED) 

Cloud Storage Solutions for i の資源名と同じ名前で媒体ポリシーが作成されました。

image.png

BRMS を使った保管と ICOS への手動移動

保管対象を作成します。

CRTLIB LIB(TESTLIB) 
CRTPF FILE(TESTLIB/TESTPF) RCDLEN(132) 

内容を確認します。PDM を使うには5770-WDS が必要ですが、追加料金が掛かります 。基本料金に含まれる AMT で確認しましょう。

WRKOBJAMT LIB(TESTLIB) 

image.png

BRMS を使って保管します。
マウントされている仮想テープボリュームを BRMS に登録します。

ADDMEDBRM VOL(ICC001) MEDCLS(QCLDVRTTAP) IMGCLG(VTAPBRMS)

登録を確認します。

WRKMEDBRM

image.png

BRMS を使ってライブラリー TESTLIB を保管します。

SAVLIBBRM LIB(TESTLIB) DEV(TAPVRT01) MEDPCY(ICOS_SYD) 

メディアは有効な保管に使われているため、状況が活動中 (*ACT) になります。

WRKMEDBRM

image.png

メディアを ICOS に移動しましょう。

MOVMEDBRM コマンドで移動することができます。

MOVMEDBRM MOVPCY(ICOS_SYD) LOC(*HOME)

また、おなじみの WRKMEDBRM から「8= 移動」で移動することもできます。
今回は、こちらで移動します。

WRKMEDBRM

「8= 移動」を指定します。

image.png

保管場所として Cloud Storage Solutions for i の資源名を指定します。

image.png

場所が「*HOME」から「ICOS_SYD」に変わっています。

image.png

実際の転送はバッチです。転送の状況は WRKSTSICC で確認できます。STATUS(*ALL) を指定すると完了したものも確認できます。

WRKSTSICC STATUS(*ALL)

image.png

ICOS上に「QBRMS_システム名/ファイル名」の形で転送されました。

image.png

ただし、IFS 上の仮想テープイメージは残ったままです。

WRKLNK OBJ('/VTAPBRMS/*') 

image.png

復元のテスト

移動済みの仮想テープボリュームを削除します。

RMVLNK OBJLNK('/VTAPBRMS/ICC001')

削除されました。

image.png

復元対象のライブラリーを削除します。

DLTLIB LIB(TESTLIB)

削除されました。

image.png

BRMS を使って復元します。

RSTLIBBRM SAVLIB(TESTLIB) DEV(*MEDCLS)

復元されている事を確認します。

WRKOBJAMT LIB(TESTLIB)   

復元されてます。

image.png

仮想テープボリュームが IFS にコピーされています。

WRKLNK OBJ('/VTAPBRMS/*')

image.png

Cloud Storage Solutions for i のバッチ処理を確認します。

WRKSTSICC STATUS(*ALL) 

ICOS からのコピーが記録されています。

image.png

メディアの状態を確認します。

WRKMEDBRM

「*HOME」つまり ローカルに媒体イメージが存在すると BRMS は認識しています。

image.png

BRMS は ICOS からコピーするだけで、ICOS 上のファイルは削除されずに残ります。

image.png

まとめ

今回は手動で仮想装置を使ったボリュームイメージを ICOS に移動(コピー)しました。
BRMS の機能で移動したため、BRMS は ICOS 上にボリュームイメージが存在していることを認識しています。
そのため復元時には自動的に ICOS からローカルに逆方向のコピーを行い、そこから復元を行いました。

物理的な保管媒体が存在しない PowerVS 環境の IBM i ですが、Cloud Storage Solutions for i と BRMS を組み合わせることで、効率的に ICOS 上にバックアッブ・イメージを移動・管理することができます。


当日記のIndexはこちらです。


許可の無い転載を禁じます。
この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。

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