Cloud Connections(DL)接続をまだ使っているのであれば Power Edge Router(PER) に移行を! そのままでは課金されます。
PowerVS の環境を Classic や VPC といった他の IBM Cloud の環境に接続するには、現在 Power Edge Router(PER) が利用可能です。
この日記でもこのあたりで、取り上げました。
- (64): PER 環境の利用(1) - PER 環境を用意する - 2025/02/09
- (65): PER 環境の利用(2) - TGW で VPC と接続する - 2025/02/09
- (66): PER 環境の利用(3) - TGW で東阪の PowerVS を接続する - 2025/02/09
- (67): PER 環境の利用(4) - VPC Linux の sshd 経由で 5250 接続する - 2025/02/09
しかし PER が利用可能になる以前は Direct Link を利用して PowerVS の環境を Classic や VPC に接続していました。
その接続が「Cloud Connections」と言われるものです。
Cloud Connections による接続は 2024 年 7月にいったん End of Life(EOL) が発表されましたが、その後、EOL は撤回されました。その代わりに 2025 年 7 月から有料となります。
もともと Cloud Connections のご利用は無料だったため必要以上の 速度/帯域で利用されているケースも多く見られました。
一方、2025 年 7 月からの有料化では、帯域に応じた課金となります。
Direct Link に金額が完全固定の「unmetered」とポート当たりの料金+転送量課金の「metered」がありますが、「unmetered」の場合の日本のDCでの料金は下記となります(金額は国によって変わります)。
PER 接続用のTransit Gateway(TGW)には一定の範囲で無償利用は出来ることと、PowerVS のネットワーク関連の機能拡張は、下記の記事のように PER 環境を前提にするので、期日までに PER 接続に移行するのが、もっともお勧めです。
- (74): PowerVS の Network Security Groups(NSG) ではパブリックアクセスは守れない - 2025/03/28
ただし、環境の制約などで 2025 年 6 月中の移行が間に合わない場合もあるかもしれません。
その場合、とれる対応の一つが帯域を減速する事です。
特に、無料だからと必要以上の帯域で利用されている場合には、効果があるでしょう。
Cloud Connections(Direct Link) の構成方法を確認する
Cloud Connections(DL)の構成には「手動構成」と「自動構成」とがあります。
各々で 帯域変更の方法が異なります。
どちらの方法で構成されたかは「PowerVSでの「手動構成したDirect Link」と「自動構成したCloud Connection」の見分け方」の方法が利用可能です。
「手動構成」の場合の速度変更
「手動構成」の場合は Direct Link 側の設定で変更します。
この場合、手順は「IBM Cloud】Direct Link Connectのオーダーと通信速度の変更を試してみた」をご確認ください。
「自動構成」の場合の速度変更
「自動構成」の場合、 Direct Link 側の設定では変更できません。下記の通り PowerVS側から変更します。
「metered」を検討する。
従量制の「metered」の場合、ポート当たりの固定料金と外部へのデータ転送量の従量課金となります。
実際の転送量が少なければ「metered」の方がコストを節約できるかもしれません。
「unmetered」⇔「metered」の変更方法は、上記の帯域方法と同じです。
しかし気になるのデータの転送量に応じた従量課金部分でしょう。
データの転送量の実績は下記から「インスタンス」の CSV で確認可能です。
情報の対象月も選択できるので、データのやり取りが多そうな月を含めて、複数月を確認されるといいでしょう、
ダウンロードした CSV から「Connect Free Plan」(これが今月まで無料のCloud Connections(DL)接続の情報です)→「GIGABYTE_TRANSMITTED_OUTBOUND」の「Usage Quantity」が計算の元になる測定値です。
月中はその時点までの経過情報になるので、トータル量は前月以前を確認してください。
なお上記の表示では、いくつかの列を非表示にして、行もフィルターしています。列名で項目をご確認ください。
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