論文査読について、研究内容、研究対、研究者の量、研究論文の量などで、さまざまな見解が成立可能であることは推測できる。
データサイエンティストの立場と、査読する研究者の立場と、査読してもらう研究者の立場と、3つの立場で整理してみる。
プログラムの査読制度があると仮定して、どのように機能するか、どのような利点があるかを考える。
さらに、プログラムの自動査読システムを仮定して、どのような利点があるか、どのような技術が必要かを考える。
分類
論文査読といっても、学会の論文誌の査読と、学会以外の論文の査読と、学会の口頭発表の査読と、学会以外の高騰発表の査読と4種類に分類して述べる。
学会の論文誌の査読といっても、ピンからキリまである。
特定の傾向しか通らない学会もあれば、全方位で通りやすい学会もあるとお聞きしたことがある。
査読する
査読数は研究者としては多くない。論文誌の査読は2桁ないかもしれない。口頭発表の査読は3桁ある。
非公式な査読を依頼いただいてお断りしたことはある。
公式な査読依頼はお断りしたことはない気がする。もし、断ったことがあるとすれば、該当する分野で利用している数式を解析するのに半年以上かかりそうで、半年待ってもらうのは忍びないからかもしれない。
査読はいいぞ。勉強になる。自分が査読して、意見を出して、その意図通りまたは、自分の意図以上に改良してもらえて、その論文が賞を取れば、なんか、自分、社会に貢献したって勘違いしたくなる。
査読する対象が、自分の苦手そうな分野であっても、計算に時間がかからないものであれば、できるだけお受けしたい。現在、研究業務でなく、年間、お受けできるのは、たぶん2本が限界かもしれない。
査読手順
分野によってと、理論系か実験系かで、全然違うかもしれない。
実験系といっても、自分の専門分野である通信では、実(じつ)実験と模擬試験(simulation)があり、
模擬実験は再現試験が可能な場合があり、査読する上での再現実験は楽しい。
再現ができなければ、再現するための条件が不足しているかもしれず、意見か質問すればいい。
実(じつ)実験だと、特定の場所、特定の時期、特定の規模に固有な現象であることを明記しているかどうか。
別の条件だとどうなるかの予想をしているかどうか。
いくつかの別の条件との比較をして、その予想になんらかの現実味があるかどうか。
困るのは、社会的に容易に収集できる情報に基づかずに、仮設を立てたり、
特定の偏った集合にしかあてはまらない条件をあたかも一般的な条件かのように述べたり、
アンケートという名目で、明らかな誘導の質問ばかりが羅列していたり、
アンケートの質問項目があまりに偏ったり、解答例が偏っていたり。
ある時期、来るアンケート類を10種類並べてみた。
9種類が質問内容が偏っていてこれで論文を書かれても困るものだった。
査読は来なかった。
参考文献
参考文献で半分以上は入手して読んでおく。
入手できない場合は、入手できない論文の参考文献だけは少なくとも入手して、全部読みをする。
参考文献と参考文献の参考文献と、参考文献の参考文献の参考文献まで追いかけても、
大事な一つを入手できないために、新規性が確認できないことはある。
新規性
新規性がない論文などはないというのが持論である。
問題なのは、新規性の根拠となる初期条件、制約条件を網羅的に記述していないことと、
それらの制約条件が、今後普遍性を持つ可能性があることの根拠を示すことが大事だ。
新規性があるのに、厳密な条件記述と、時系列的な展開の可能性の示唆がないことで、新規性なしと判定する人がいるかもしれない。