先日AWSの認定資格をすべて取得完了しました。いま取得可能なAWS認定資格はβ版を除き11個ですが、廃止になった資格をまだ1つ保持していますので、12個になりました。そのうち半分以上の7個を最後の1ヶ月ほどで取得しました。
これまでの資格取得を軽くまとめます。
これまでに取得した資格
ここ数年で取得した資格の一覧です。せっかくなのでAWS以外も含みます。リンクは私の合格体験記です。(1個目だけQiita始める前だったから記事がない)
私の経歴は、2019年夏ごろまではAWSを直接触る機会はほとんどなく、用意されているAWSインフラ上でサーバサイド開発をするエンジニアでした。2019年秋ごろからAWSを扱う仕事を始め、認定資格も取得し始めました。2020年はAWS受験をサボっていて1個だけにとどまりました。2021年は一時期Google Cloudに浮気して連続受験したのち、12月から年始にかけての1か月で7連続受験をしました。いまのところすべて一発合格です。
認定資格を取得し始めてから2年余りかかりましたので、今年にはもう更新が始まります。
全部取得してよかったこと
全部取得して本当によかったです。AWSのサービスを一通り知る機会になります。特にSolution Architect Professionalの勉強では、AWS全般を広く知ることになります。資格そのものよりも勉強したことに価値があります。試験ごとに少しずつ試験範囲が重なっています。すべての試験を受けると、同じことを何度も、少しずつ視点を変えて勉強することになります。多角的な理解つながります。
AWSの各サービス内容や機能は必要になったときに調べればいいと思っていたのですが、そもそも存在を知らない概念(サービス、機能、考え方)は調べるに至りません。手持ちの知識だけでなんとかしようとしてしまい、アンチパターンになってしまうこともあります。無知なことは恐怖に思います。いままでこの内容を勉強せずにAWSを業務で扱っていたのかと思うと。
プロフェッショナルのレベルまで取得したとしても、広く浅い知識なので、実際に使うにあたってはもちろんわからないことたくさんあって、調べながら実装していくことになります。今回全資格を取得して初めてAWSのスタート地点に立ったと感じます。
AWS認定資格の受験の順序
ここは全部取得したいという人向けの説明です。
最初はやはりクラウドプラクティショナーを受けるべきです。どうせ全部集めるならばです。
その次は、AWSのサービス全般の概要を把握するためにも、ソリューションアーキテクトアソシエイトがよいです。私も最初に受けました。
それ以降は、アソシエイトだからとか専門知識(スペシャリティ)だからというのは、難易度に差は感じませんでした。単に苦手な領域ほど難しく感じます。得意だと思うもの、もしくは伸ばしていきたい領域から受ければよいと思います。苦手な領域が最後の方に残りますが、徐々にAWS全般の知識が溜まってくるので、受けやすくなります。私は最初にビッグデータや機械学習、最後のほうにセキュリティやネットワークと、いま振り返っても私のスキルとしては正しい順序だったと思います。
プロフェッショナルの2つはどちらが先でもいいと思いますが、いずれにせよスペシャリティなどを受験した後、記憶が残っているうちに続けて受けてしまうのがよいです。プロフェッショナルとスペシャリティどちらが先に受けるべきかについては両論あると思いますが、私はスペシャリティのほうが勉強しやすかったです。勉強範囲が比較的明確なためです。スペシャリティよりもプロフェッショナルを先に受けたときのプロフェッショナルの勉強方法は想像つきません。
私はクラウドプラクティショナーの受験順序だけ明らかに間違えています。みなさんの記事を見ていると、私同様にクラウドプラクティショナーを取り損ねてコンプリート目的であとから受験している人もいそうですね。
連続受験
最初のころは1つずつ慎重に受験していましたが、徐々に受験に慣れてきますので、連続して受験するのがいいと思います。私は12個中、7個を最後の1ヶ月で取りました。勉強する範囲が少しずつ重なっているので効率がいいです。3年後の資格更新時期にひどい目に合いそうですけどね。
ある程度AWSをエンジニアとして扱っていれば、あとは受験するかどうかだと思います。受験申し込みをしたらそれに向けて必死に短期集中で勉強することになります。慣れてこれば、勉強してから受験申し込みではなく、申し込みをしてから勉強してもなんとかなります。
今回AWSコンプリートに至ったのは、昨年末に連続受験をし始めたのがきっかけです。
もともとは昨年夏に1個取得したあと、年内にあと2個くらいは取得しておきたいと思っていた
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しかしそのままずるずると12月になってしまい、12月中に2個受験することに
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思い返せば7月にGoogleを3連続受験している → AWSも3連続受験をしてみよう
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スペシャリティを1つ残すだけになる → 残り1つも取得してしまおう(4連続)
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プロフェッショナルとクラウドプラクティショナを残すのみになる → なんとなくクラウドプラクティショナーを残して年超すのが気持ち悪いので、続けて取得(5連続)
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プロフェッショナルも直近の連続受験の記憶が残っているうちに受験したほうが楽だと思い至る → 年明けに2つのプロフェッショナル資格を取得(7連続)
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結果、コンプリート達成
勉強方法
私の実際の具体的な勉強方法は、最初に挙げた合格体験記の各記事に書いています。
AWSの試験を受け始めたころは、一般的な本を読んだり、実際に関連するサービスを触ってみたりもしていました。Udemyにある模擬試験を買ったこともあります。後半(最近1カ月)は、YouTubeやSlideshareなどで上がっているBlack Beltの資料と、PDFで公開されているサンプル問題と、BenchPrepというので受けられる模擬試験だけでほぼカバーしていました。
以下、箇条書きで勉強方法をまとめておきます。
- 試験対策の本
- Solutions Architect AssociateとProfessionalは、対象サービスが多岐にわたるので、本で全体を理解するのが役に立ちました
- セキュリティのスペシャリティも本があります
- 出題範囲が特化している試験は、ある程度AWSに慣れてこれば、本を買わなくてもBlack Beltの資料で足りそうです
- 一般的な本
- ビッグデータとは、機械学習とは、セキュリティとはみたいな
- 受けようとする試験の領域が苦手だったり自信がない場合には、最初に本を読んだこともありました
- Black Belt Online Seminarの資料
- リンク: サービス別資料 | AWS クラウドサービス活用資料集
- AWSのドキュメントと違って、必要な情報がコンパクトにまとまっています
- AWSにある程度慣れてきている人にとっては、勉強ソースとして一番使いやすいです
- Solutions Architect AssociateとProfessionalは、対象サービスが多岐にわたるので、Black Beltを通読するのは辛いかも
- PDFのサンプル問題
- 試験の対象領域を理解するためにサンプル問題を最初にやっておくとよいです
- 試験対策の本がある場合は、本を読むことで領域がわかるので、サンプル問題は最後に模試代わりに使ったこともあります
- BenchPrep
- 無料で手に入る模擬試験なので、必ず解いてみるべきです
- Black Beltだとかから漏れている知識も手に入ります
- Udemy等にある模擬試験
- BenchPrepがないころはここで模擬試験を購入したことがあります。koiwaclubというのもあるらしいです
- 難易度が実際の試験とギャップがある場合もあり、あまりこういった模擬試験に惑わされないほうがよいです
- Qiitaなどにある先輩の方々の合格体験ブログ記事
- 出題範囲や勉強方法の参考とします
- 合格した人を見て、自分も合格したいという気持ちをおこします
- AWSドキュメント
- 問題集などでわからない点があったときに、ググって出てきたページがAWSドキュメントならばそれを読みます
- AWSドキュメントを一通り読むのは、私には読解力も読解スピードも足りなくて無理でした
いずれの媒体を使うにしても、得た知識は自分で整理してノートにまとめます。自分の言葉で書くことに意味があります。試験を繰り返すと同じ領域の知識を深掘りすることになるので、ノートが更新されていきます。アソシエイトレベルでは、機能の一覧だけ書いてあったところが、プロフェッショナルやスペシャリティでは各機能の詳細を書き足していくようなイメージです。私はScrapboxというサービスで知識を整理しています。
おわりに
AWSの全資格を取得したことで、広く浅くの知識が手に入りました。繰り返しますが、全部受験してよかったです。今後は全資格の更新受験を繰り返すことで、知識のベースを維持していきたいと思います。