Oracle Database@Azureとは?
OCI (Oracle Cloud Infrastructure)で稼働するOracle DatabaseのサービスをAzureのデータセンター内で提供するサービスです。
2023年9月14日にOracle社からOracle Database@Azureの発表がされ、2023年12月13日にAzureのEast USリージョンで一般提供が開始されました。
参考:
- マイクロソフトとオラクル、パートナーシップを拡大し、Oracle Cloud Infrastructure 上のデータベース サービスを Microsoft Azure で提供
- Oracle Announces the General Availability of Oracle Database@Azure
どんなメリットがあるの?
一例にはなりますが、以下のようなメリットが挙げられます。
- Azure上のサービスからOracle Databaseにより低遅延にアクセス可能
- Azure上での動作によるセキュリティの向上
- Azureの管理コンソールに統合されているため、よりシームレスに使用可能
- BYOL(Bring Your Own License)やOSR (Oracle Support Rewards)など、既存のOracleライセンスの特典を活用可能
- AzureとOracle Databaseのサービスの請求書を1つに統合
参考:Oracle Database@Azureに関するFAQ
利用可能なデータベースサービス (2024年11月時点)
-
Oracle Exadata Database Service
プライベートオファーの購入でのみ利用可能になります。 -
Oracle Autonomous Database Serverless
従量課金制 (PAYG)およびプライベートオファー購入で利用可能になります。
※プライベートオファーでは、まずOracle社の営業チームに連絡して、Oracle Database@Azureの契約を交渉します。
※従量課金制 (PAYG)の場合、Oracle社の営業へ連絡せずにAzure Marketplaceで購入することができます。
※リージョンによって利用できるサービスが異なる場合がございますので、詳細はホームページをご確認ください。
参考:Oracle Database@Azureに関するFAQ
その他、利用可能/提供予定のOracleとAzureとの連携サービス (2024年11月時点)
-
Oracle Interconnect for Azure
OCIとAzureの環境間にプライベートな相互接続を構築できるサービスで、Oracle FastConnectとAzure ExpressRouteを使用することで、2つのクラウド・プロバイダー間で低レイテンシかつ高スループットの接続を実現。 -
Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service
データ保護のフルマネージド・サービスで、事業に欠かせないデータを障害やランサムウェア攻撃から数秒以内に迅速に復旧させることが可能。 -
(今後提供予定)OCI GoldenGate
フルマネージド型のリアルタイムデータ連携サービスで、データベースの移行時にダウンタイムを極小に抑えることも可能。
※リージョンによって利用できるサービスが異なる場合がございますので、詳細はホームページをご確認ください。
参考:
利用可能なOracle Databaseのバージョン
OCIで現在サポートされている利用可能なデータベースのバージョンは全て、Oracle Database@Azureでも利用可能です。
参考:Oracle Database@Azureに関するFAQ
日本リージョンでの提供状況 (2024年11月時点)
Oracle Exadata Database Serviceのみ東日本リージョンで利用可能です。
最新のリージョンごとの提供状況については以下のリンクをご参照ください。
参考:
- Regional Availability for Oracle Database@Azure | Oracle
- Region availability for Oracle Database@Azure | Microsoft
運用上のTips
Oracle社、マイクロソフト社それぞれのOracle Database@Azureのドキュメントになります。
詳細に関しては、上記ドキュメントをご確認ください。
アーキテクチャ
各OCIリージョンには、Availability Domain (AD)と呼ばれる1つまたは3つの可用性ドメインがあります。
各ADは拡張することで複数の子データセンターサイトを持つことができ、Oracle Database@Azureでは、Azureデータセンター内にOCI Podと呼ばれる子サイト構築しています。
OCI Podは、物理的、ネットワーク的な距離がOCIのADに最も近いAzureのデータセンターに子サイトを構築しています。
参考:
- Oracle Database@Azure Deep-Dive
-
Oracle Database@Azureでミッション・クリティカルなアプリケーションを強化
⇒詳細なアーキテクチャの図に関してはこちらをご覧ください。
オンボーディング(購入・構成)
オンボーディングとは、Oracle Database@Azureの購入および構成の手続き周りのことを言います。
方法や手順については、
ほとんどのオンボーディング・タスクは、Oracle Database@Azureのデプロイメント中に1回のみ実行します。オンボーディング・タスクが完了したら、Azure環境でOracle Databaseリソースのプロビジョニングおよび使用を開始できます。
実行するタスクの正確なセットは、購入するオファーのタイプ(Pay as You Goまたはプライベート・オファー)と、使用する予定のデータベース製品(Oracle Autonomous DatabaseおよびOracle Exadata Database Service)によって異なります。
引用:
プロビジョニング
Exadata Serviceのプロビジョニングに関しては、以下のようにAzure側とOCI側で操作が分かれている部分があります。
- Azure側
- Exadata InfrastructureとVM Clusterのプロビジョニングは、Azure PortalかAzureのAPI、SDK、Terraformスクリプトを使用して実行可能
- サーバー/OCPUのスケール、メンテナンスはAzureポータルで可能
- メトリックやイベントは、Azureサービスを使用してAzureポータルからも監視可能
- OCI側
- DB Homeのプロビジョニング
- コンテナ・データベース (CDB)、プラガブル・データベース (PDB)のプロビジョニング
- 自動バックアップ設定、Data Guard、GI/DBなどのアップグレード
- ZDMやOCI Migration Serviceなどの自動ツールを使用して移行可能
詳細なプロビジョニング方法に関しては、以下のドキュメントを参照してください。
参考:
バックアップ
-
Oracle Autonomous Databaseの場合
OCIのObject Storageに自動的にバックアップされ、リストアもAutonomous Databaseから実行されます。また、ユーザー主導でバックアップを取ることも可能です。
リカバリに関しては、コンソール、コマンドライン、またはAPIを介してAutonomous Databaseで行われます。 -
Oracle Exadata Database Serviceの場合
データベースの自動バックアップに、Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery ServiceまたはObject Storageを選択可能です。
※日本リージョンでは、2024年11月17日時点でOracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを選択不可です。
参考:
運用監視
Azure MonitorでExadata InfrastructureおよびVM Clusterのメトリックを監視することが可能です。
項目としては、CPU使用率、メモリ使用率、ロード平均、ファイルシステムの使用率、ノードステータス、ディスクグループ使用率などが監視可能です。
Azure Log Analyticsを使用してのログ分析可能も可能です。
また、OCIのDatabase ManagementやIaaS上にEnterprise Managerを構築しての運用監視も可能です。
参考:
パッチ適用とメンテナンス
パッチ適用やメンテナンスなどの運用周りに関しては、従来のOCIリージョンの場合と同じ方法で実行されます。
参考:
学習方法に関して
Oracle Database@Azureの学習に関しては、Oracle Database@Azure Deep-Diveの動画を視聴することをおすすめします。
Oracle Database@Azureについてだけでなく、そこで提供しているExadata Database ServiceやAzure Identity and Networkingの内容について幅広く学ぶことができます。
まとめ
今後もOracle Database@Azureの情報がアップデートされ次第、追記していきます!
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編集履歴
- 2024/11/17 記事公開