AUTOSAR文書を読む前に知っているとよいことを整理します。
AUTOSAR文書を読む前に、AUTOSARの解説書は読まない方がいいかもしれません。
<この項は書きかけです。順次追記します。>
This article is not completed. I will add some words in order.
文書の種類
技術に関する文書には、法律・条約と、規格、特許・意匠、論文などがある。
規格、特許・意匠に関する法律・条約がある。
規格、特許・意匠を考えるには、法律・条約が前提だと思うといいかもしれない。
法律・条約
法律・条約を読む前に、読んでおくとよい本があります。
人生で影響を受けた本100冊
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/16af53acbb147a94172e
- 権利のための闘争
岩波文庫, 1982/10, イェーリング
法学部卒の同僚に勧められて読んだ本です。
法律を正式に勉強していない人間が、法律をどのように扱うとよいかの基本だと教えられました。
権利を主張し続けることが、法律を維持するための基本的な行動であること。
法律は支配のための道具ではなく、支配者の横暴を許さないための道具であるいこと。
法律は適宜改訂しないと時代遅れになる可能性があること。
法律の文章がすべてではなく、公序良俗が大事なこと。
公務員必携であるだけでなく、選挙権のない人も含めて、すべての法治国家の国民の必携の書だと思います。
復刻し、多くの人に読んでもらえるようになったことは喜ばしいことだと思います。
英語版は無償で読めるようです。
英語版:https://archive.org/details/struggleforlaw00jhergoog
憲法
憲法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
民法
民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
(任意規定と異なる意思表示)
第九十一条 法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。
(任意規定と異なる慣習)
第九十二条 法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。
第11回 法律行為の自由と制約(1):強行法規違反・公序良俗違反 松岡 久和
http://matsuokaoncivillaw.private.coocan.jp/Lecture2013/CivilLaw1/11PublicOrder.pdf
法の適用に関する通則法
(旧 法例)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000078_20150801_000000000000000
(法律と同一の効力を有する慣習)
第三条 公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する。
商法
商法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=132AC0000000048
(趣旨等)
第一条 商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の定めるところによる。
2 商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。
下請代金支払遅延等防止法
下請代金支払遅延等防止法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=331AC0000000120
(親事業者の遵守事項)
第四条 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあつては、第一号及び第四号を除く。)に掲げる行為をしてはならない。
一 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の受領を拒むこと。
二 下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと。
三 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減ずること。
四 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付を受領した後、下請事業者にその給付に係る物を引き取らせること。
五 下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。
六 下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。
七 親事業者が第一号若しくは第二号に掲げる行為をしている場合若しくは第三号から前号までに掲げる行為をした場合又は親事業者について次項各号の一に該当する事実があると認められる場合に下請事業者が公正取引委員会又は中小企業庁長官に対しその事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること。
2 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあつては、第一号を除く。)に掲げる行為をすることによつて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
一 自己に対する給付に必要な半製品、部品、附属品又は原材料(以下「原材料等」という。)を自己から購入させた場合に、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該原材料等を用いる給付に対する下請代金の支払期日より早い時期に、支払うべき下請代金の額から当該原材料等の対価の全部若しくは一部を控除し、又は当該原材料等の対価の全部若しくは一部を支払わせること。
二 下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。
三 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
四 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした後に)給付をやり直させること。
技術規格
技術規格の根拠となるのは、WTO/TBT協定および産業標準化法である。
WTO(world trade organization:国際貿易機構)/TBT(TECHNICAL BARRIERS TO TRADE:貿易の技術的障害に関する)協定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page25_000410.html#section9
加盟国は、強制規格を必要とする場合において、関連する国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは、当該国際規格又はその関連部分を強制規格の基礎として用いる。ただし、気候上の又は地理的な基本的要因、基本的な技術上の問題等の理由により、当該国際規格又はその関連部分が、追求される正当な目的を達成する方法として効果的でなく又は適当でない場合は、この限りでない。
産業標準化法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000185
(日本産業規格の尊重)
第六十九条 国及び地方公共団体は、鉱工業に関する技術上の基準を定めるとき、その買い入れる鉱工業品に関する仕様を定めるときその他その事務を処理するに当たつて第二条第一項各号に掲げる事項に関し一定の基準を定めるときは、日本産業規格を尊重してこれをしなければならない。
(産業標準化及び国際標準化の促進)
第七十条 国は、産業標準の制定及び普及、国際標準に関する国際団体その他の国際的な枠組みへの協力並びに産業標準化及び国際標準化に関する業務に従事する者への支援を通じて、産業標準化及び国際標準化の促進に努めるものとする。
2 国立研究開発法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第三項に規定する国立研究開発法人をいう。第四項において同じ。)及び大学は、民間事業者と連携しつつ、産業標準化に資する研究開発、国際標準に関する国際団体その他の国際的な枠組みへの協力及びその他の産業標準化又は国際標準化に関する活動に主体的に取り組むよう努めるとともに、産業標準化又は国際標準化に関する業務に従事する者の職務がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、産業標準化又は国際標準化に関する業務に従事する者の適切な処遇の確保に努めるものとする。
3 事業者は、産業標準化に資する研究開発、国際標準に関する国際団体その他の国際的な枠組みへの協力及びその他の産業標準化又は国際標準化に関する活動に主体的に取り組むよう努めるとともに、産業標準化又は国際標準化に関する業務に従事する者の職務がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、産業標準化又は国際標準化に関する業務に従事する者の適切な処遇の確保に努めるものとする。
国際規格に従っていることが必要なのではない。国際規格との関係が明確に示していればよい。
国際規格でないものでも、国際規格のNormative Referenceで参照していれば、その文書のNormative 部分は、国際規格の一部としてみなすことになる。
Liaison
国際規格は、ほっておいてよいものができるとは限らない。
ISO OSIのように、膨大な量の標準を作り、廃棄している。
IEEEは、ISO/IEC JTC1とAリエゾンで、共同発行している規格がある。
IEEE 802は、個人利用では無償でダウンロードできる。他人と共有は禁止。
Ethernet, Wi-Fi 規格は読み放題。
事実上の標準
国際規格でないものでも、De Fact Standardと呼ぶ事実上の標準が、無償で入手できる場合には、国際規格よりも非関税障壁ではないと主張できるかもしれない。AUTOSARは、利用にあたって会員であることを条件としており、De Fact Standardであることを主張するのは難しいかもしれない。
IETFのTCP/IPなどのプロトコル、Linux FoundationのLinuxはデファクトスタンダードを主張できるだろう。
Ethernetは、IEEEで発行しているが、ISO/IEC JTC1とAリエゾンとして情報交換を行なっており、相互の規格を利用して発行できる仕組みを作っている。AUTOSARは、ISO,IEC, ITUと協定を結んでいなければ、AUTOSARが国際規格にどう対応しているかを説明することが必要になるかもしれない。
国際規格に沿っていれば、独占禁止法の対象になる確率は減るが、AUTOSARに沿っていても、独占禁止法の対象になる確率が減るかどうかは、市場における独占的な行動を取っているかどうかの調査などに基づき専門家に判断を仰ぐとよい。
情報ネットワーク法学会
https://in-law.jp/
文献
https://www.autosar.org/nc/document-search/
解説資料
AUTOSARの最新リリース「R21-11」(その1):新規コンセプトの他に変更や廃止も
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2112/20/news024_2.html
AUTOSARの最新リリース「R21-11」(その2)+標準化活動の近況
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2201/12/news016.html
AUTOSARの最新リリース「R21-11」(その3)+合意形成のための5ステップ
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2202/03/news016.html
よかった
2021年10月1日改訂のSAEのLIN通信関連規格SAE J2602シリーズでは、master/slaveをcommander/responderに置き換えています※6)。
参考資料
私のAdvent Calendar 2022 ーー はじめたきっかけ、1月のふりかえり、今後の展望
https://qiita.com/torifukukaiou/items/891db4e40a7f6194af56
自己参照
今、CountdownCalendar2021を書いている理由
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/dca73e903785bea2a106
一覧
物理記事 上位100
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/66e90fe31fbe3facc6ff
量子(0) 計算機, 量子力学
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/1cd954cb0eed92879fd4
数学関連記事100
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/d8dadb49a6397e854c6d
言語・文学記事 100
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/42d58d5ef7fb53c407d6
医工連携関連記事一覧
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/6ab51c12ba51bc260a82
自動車 記事 100
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/f7f0b9ab36569ad409c5
通信記事100
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/1d67de5e1cd207b05ef7
日本語(0)一欄
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/7498dcfa3a9ba7fd1e68
英語(0) 一覧
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/680e3f5cbf9430486c7d
転職(0)一覧
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/f77520d378d33451d6fe
仮説(0)一覧(目標100現在40)
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/f000506fe1837b3590df
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線網(Wi-Fi)空中線(antenna)(0) 記事一覧(118/300目標)
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自動制御、制御工学一覧(0)
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Rust(0) 一覧
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/5e8bb080ba6ca0281927
小川清最終講義、最終講義(再)計画, Ethernet(100) 英語(100) 安全(100)
https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/e2df642e3951e35e6a53
<この記事は個人の過去の経験に基づく個人の感想です。現在所属する組織、業務とは関係がありません。>
This article is an individual impression based on the individual's experience. It has nothing to do with the organization or business to which I currently belong.
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ver. 0.01 初稿 20220211
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