はじめに
Copilot Chatを「質問に答えるAI」として使っていませんか
実はCopilot Chatは、「自分の考えを整理し、筋道を立てて考えるための相棒」 としても非常に優秀です。
ビジネスの現場で求められるのは、AIが出す“答え”よりも、
「なぜそう考えるのか」「どう説明するのか」という思考のプロセス。
今回の記事では、Copilot Chatを使って論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛える方法を紹介します。
AIと“考える”とは?
Copilot Chatは、単に情報を検索して答えるだけでなく、
「問いの立て方」に応じて思考の筋道を一緒に作ってくれます。
たとえば、次のように質問してみましょう。
「売上が伸びない原因を整理してください」
そのままでも回答は得られますが、Copilot Chatの真価はここからです。
「売上が伸びない原因を「人・モノ・仕組み・市場」の4つに分けて整理してください。」
構造を与えることで、AIは論理的な枠組みの中で考えを展開します。
つまり、AIとの対話=思考の壁打ちになるのです。
Copilotで鍛える3つの思考力
| 思考力 | 鍛えられるポイント | プロンプト例 |
|---|---|---|
| ① 分解力(構造化の力) | 問題を小さく分けて整理する | 「売上が伸びない原因を3つの視点で分けてください」 |
| ② 仮説力(想定と検証) | “こうではないか”を立てて検証する | 「この課題の背景にある仮説を3つ出して、それぞれ確認すべきデータを提案してください」 |
| ③ 説明力(伝える力) | 相手に分かりやすく筋道立てて話す | 「この提案内容を、上司に伝わるように要約してください。PREP法でお願いします。」 |
実践:Copilotで“思考の壁打ち”をしてみよう
Step 1. 問題を構造化する
「顧客満足度が下がっている理由を、サービス、対応、価格の観点から整理してください」

Step 2. 仮説を立ててみる
「サービス面の課題について、3つの仮説を立てて、それぞれを検証する方法を教えてください」

Step 3. 結論を整理する
Copilot Chatは、単に「答えを出す」だけでなく、
思考の筋道(ロジックツリー)を描くパートナーとして機能します。
応用:ロジカルツールを使いこなす
Copilot Chatでは、代表的な思考フレームを簡単に再現できます。
| フレームワーク | Copilotへの指示例 |
|---|---|
| MECE(モレなくダブりなく) | 「顧客離脱の原因をMECEに分類して整理してください」 |
| ロジックツリー | 「コスト削減の要因をロジックツリーで分解してください」 |
| 5 Whys分析 | 「クレーム対応が遅い原因を『なぜ』を5回繰り返して整理してください」 |
| PREP法 | 「この提案内容をPREP法で整理して上司に伝える文章を作ってください」 |
Copilotは“補助輪”ではなく“鏡”
論理的思考を磨くとき、Copilot Chatは「答えを出すAI」ではなく、
自分の思考を映し出す鏡として使うのがポイントです。
AIの回答が正しいかどうかよりも、
「自分はどう考えたか」「何を見落としていたか」に気づくことが重要です。
その意味で、Copilot Chatは考えるための練習相手なのです。
まとめ
- Copilot Chatは“考えるAI”として使うと、論理的思考のトレーニングに最適。
- 問題を分解 → 仮説を立てる → 結論を整理する、という流れをAIと一緒に実践できる。
- AIに答えを求めるのではなく、「どう考えるか」を磨く使い方が鍵。
シリーズ記事
- (1)はじめに
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- (6)“ちょいコーディング”にも使える!Excel関数から正規表現まで
- (7)翻訳+要約の合わせ技で海外資料も一瞬理解
- (番外編)無償CopilotがWordやExcelにやってきた!
- (9)プロンプト講座①:基本テクニック
- (10)プロンプト講座②:部署ごとの応用テクニック
- (11)無償版でもここまでできる!宣言型エージェント活用の基本
- (12)安心して使うために知っておきたいプライバシーと著作権保護
- (13)AIと一緒に“考える”:仮説立案とアイデア発想の技術
- (14)情報を整理する力:AIで思考を見える化する方法
- (15)伝わる文章に変える:AIで“言葉の質”を高める技術
- (16)Word・Excel・PowerPointでも使えるように!進化したCopilot Chatの実力
- (17)組織エージェントを呼び出す:Copilot Chatの拡張活用へ