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Microsoft 365無償版のCopilot Chatガイド(11)無償版でもここまでできる!宣言型エージェント活用の基本

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はじめに

最近のCopilotアップデートで注目されているのが 「宣言型エージェント(Declarative Agents)」 です。
これはコードを書かずに「何をしたいか」を宣言し、知識ソースや手順を組み合わせてタスクを支援してくれる仕組みです。

有料版CopilotではResearcherやAnalystといった専用エージェントが提供されていますが、無償版でも宣言型エージェントをある程度作成・利用することが可能 です。
今回は、無償版でできること、制約事項、ライセンス上の注意点を整理します。


エージェントの種類(ざっくり整理)

AIエージェントにはいくつかの分類があります。

  • 宣言型エージェント(Declarative)
    ユーザーが「何をしたいか」を宣言すると、AIが手順を組み立てて応答するタイプ。
    例:「3ヶ月でデータ分析スキルを習得したい → 週ごとの学習計画を作成」

  • タスク型エージェント(Task-oriented)
    特定のタスクをゴールまで支援するタイプ。
    例:「PDFを要約して、会議用に箇条書きで整理」

  • 自律型エージェント(Autonomous)
    自分で判断して次のステップに進むタイプ(例:AutoGPTなど)。
    例:「調査 → 要約 → 比較 → 提案」を自動で進める

👉 無償版のCopilot Chatは、この中の 宣言型タスク型 の使い方が可能です。
image.png


宣言型エージェントとは?

  • 宣言型エージェント(Declarative Agents) とは:ユーザーが「こういう仕事をしてほしい」と宣言すると、そのタスクをこなすための知識・手順を組み立てて応答する仕組み
  • 特徴:ノーコードで作成可能、Copilot StudioやAgents Toolkitで定義できる
  • 典型的な利用例
    • 社内ヘルプデスク(FAQの自動回答)
    • 顧客サポート(製品知識ベースに基づく案内)
    • ナレッジ検索(社内公開資料を検索・要約)

無償版でできること

1. 宣言型エージェントの作成

  • Copilot Studio Lite環境 を利用して、基本的な宣言型エージェントを作成可能
  • 公開Webサイトやアップロードファイルを知識ソースにした「FAQ型エージェント」を作れる

2. 宣言型エージェントの利用

  • 無償版ユーザーでも、組織で公開されているエージェントをCopilot Chat内から呼び出して利用可能(従量課金のライセンスが必要)
  • チャットUIのサイドパネルから「エージェント」を選び、タスク実行に利用できる

3. 簡易的な知識統合

  • アップロードしたPDFや文書を元にした「知識ベース的エージェント」として利用可能
  • 公開情報をまとめたり要約したりする用途であれば、無償版でも実用レベル

無償版での制約事項

制約 内容
組織データ参照不可 OutlookメールやSharePointファイルなど「Microsoft Graph 経由の組織データ」自動参照は不可
高度なエージェントなし Researcher / Analyst など有料版専用エージェントは利用不可
外部アクション制限 プラグイン連携や外部システム操作を組み込んだ高度なエージェントは利用不可
使用制限あり 無償版は同時利用や応答速度に制約あり。混雑時は遅延や制限の可能性あり

ライセンス上の注意点

  • 有料Copilotライセンス必須のケース

    • 組織内データ(SharePoint, OneDrive, Outlookなど)を知識ソースとして利用する場合
    • 高度な推論や専用エージェント機能を使う場合
    • 外部コネクタを組み込む場合
  • 課金モデルに注意

    • 一部の機能は「メーター課金(使用量に応じた従量課金)」対象
    • 管理者が使用量を監視・制御する必要がある
  • 管理者設定の重要性

    • エージェント利用可否、知識ソースの許可設定、コネクタ設定は管理者側で制御可能
    • 利用開始には組織のIT管理者による有効化が必要な場合がある

まとめ

無償版のCopilot Chatでも、宣言型エージェントを作成・利用することは可能 です。
ただし利用範囲は「公開Webやアップロードファイルなどの限定的な知識ソース」に限られ、社内データや高度な機能を使うには有料ライセンスが必要 です。

まずは無償版で「小さなエージェント」を試してみる → 使いどころを見極める → 有料ライセンス導入で本格展開、という流れが現実的です。


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