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Microsoft 365無償版のCopilot Chatガイド(17)組織エージェントを呼び出す:Copilot Chatの拡張活用へ

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はじめに

これまでCopilot Chatは、WebブラウザやOfficeアプリ(Word/Excel/PowerPointなど)で
「自分とAIの1対1の対話」を中心に利用されてきました。

しかし今、Microsoftは 「組織や部門ごとのエージェントを呼び出して使える」 方向へ進化しています。

本記事では、追加ライセンスなし(=Microsoft 365/Office 365ライセンスのみ)でできる範囲 に絞って、Copilot Chatでのエージェント活用方法と注意点を解説します。


そもそも「エージェント」とは?

Copilot Chatでの“エージェント”とは、あらかじめ特定の目的や知識をもって動作するAIのことです。
一般的に次の3種類に分類されます。

種類 特徴
宣言型エージェント 「〜したい」と伝えると、AIが手順を組み立てて実行 「3ヶ月で英語を学びたい → 週ごとの学習計画を作成」
タスク型エージェント 特定の業務タスクを支援 「PDFを要約して、会議用に箇条書きで整理」
自律型エージェント 自分で判断し連続処理を行う(例:AutoGPTなど) 「調査 → 比較 → 要約 → 提案」を自動で実行

無償版Copilot Chatで扱えるのは、主に宣言型タスク型です。(それぞれの役割は重複してるので一概に分類しきれません)


M365ライセンスでできる「エージェント利用」の範囲

2025年10月時点では、Microsoft 365の標準ライセンスだけでも、
Copilot Chatから「公開されているエージェントを呼び出す」ことが可能になっています。

機能 無償(M365ライセンスのみ) 有料Copilotライセンス
Webで根拠付けされたエージェント ✅ 利用可能(追加費用なし) ✅ 利用可
組織内データを参照するエージェント(Graph接続) ❌ 利用不可 ✅ 利用可(管理者設定が必要)
独自エージェントの作成(Copilot Studio) ❌ 作成不可(閲覧のみ) ✅ 作成・公開可能
公開済み組織エージェントの呼び出し ✅ 利用可能(管理者が公開していれば) ✅ 利用可

Copilot Studio製エージェントの利用と課金モデル

Copilot Studioライセンスを持つユーザーが作成したエージェントは、
他のユーザー(無償ライセンス利用者)でも利用できます。

ただし、そのエージェントがどのデータを参照するかによって、課金の仕組みが異なります。

利用パターン 根拠データ 課金 説明
公開Webや一般情報のみを利用 Webデータ 無料 Web情報をもとにした回答であれば、従量課金は発生しません。
組織データ(SharePoint/OneDrive/Microsoft Graph)を参照 社内データ 💲 従量課金(メーター課金) 組織のGraphデータを使う場合、テナント側の「従量課金モデル(Pay-as-you-go)」が適用されます。
外部APIやカスタムコネクタを利用 外部サービス 💲 従量課金 Copilot Studioで設定された外部呼び出しも、課金対象になります。

💡 ポイント

  • ユーザー自身が有料ライセンスを持っていなくても、
    テナントで従量課金が有効になっていればエージェントを利用可能。
  • 管理者が「Pay-as-you-go」課金を設定していない場合は、Graph接続型エージェントは呼び出せません。
  • 公開Webベースのエージェントは、引き続き無償で使えます。

どんなエージェントが使えるのか

組織の管理者や開発チームが Copilot Studio で作成・公開していれば、
利用者は追加費用なしでそれを呼び出せます(課金が発生する場合は組織側に計上)。

利用例

  • 「人事ポリシーQ&Aエージェント」
     → 社内規定や福利厚生制度を聞ける
  • 「製品知識Q&Aエージェント」
     → 商品説明や顧客対応で使うFAQを確認できる
  • 「営業サポートエージェント」
     → 提案書テンプレートや顧客対応文面を生成

注意点と制約(2025年10月時点)

項目 内容
Graph/社内データ参照 無償版では利用不可。SharePoint・Outlook・Teamsなどの組織データに基づく回答はできません。
従量課金エージェントの利用 組織が「Pay-as-you-go」を設定していれば利用可能。課金は組織側に発生します。
独自エージェントの作成 一般ユーザーは作成不可。Copilot Studioライセンス保持者のみ作成可能。
呼び出し制限 管理者が非公開にしている場合は一覧表示や呼び出しはできません。
自動実行や連続タスク 自律型(Autonomous)処理は無償版では未対応。

無償版でもここまでできる

Microsoft 365の標準ライセンスだけでも、次のような「組織AI活用」はすでに実現できます。

活用シーン Copilot Chatの動き
社内FAQの活用 公開済みエージェントから社内ポリシーを確認
ナレッジ共有 部門ごとのQ&Aエージェントを呼び出して即参照
文書作成支援 エージェントに社内テンプレート作成を依頼
業務教育 人事・経理などの「問い合わせ窓口」をAI化

まとめ

Microsoft 365のライセンスだけでも、Copilot Chatは「組織エージェント」を呼び出せる段階に入りました。

  • ✅ 公開済みエージェントの呼び出しが可能
  • ✅ 組織内での情報共有・FAQ活用に最適
  • 💲 Graph連携エージェントは従量課金で利用可能
  • ❌ 独自エージェントの作成は不可(Studioライセンスが必要)

まずは、自分の組織にどんなエージェントが共有されているか を確認してみてください。


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