#大阪のコロナ発生数 全経過を1つの式で表す。
上図は Mac の Grapher で作成した 2020.7.7~2021.2.14 の大阪 COVID-19 新規発生数です。
\ y=544e^{-0.0667(x-30)-e^{-0.0667(x-30)}}+1087e^{-0.0417(x-148)-e^{-0.0417(x-148)}}+1278e^{-0.1(x-190)-e^{-0.1(x-190)}}
という1つの式で全経過を表しています。
エクセルを使う場合は以下のようにします。
A の列に日数(0~222)を入力し B の列に以下の数式を入力します。(コピペ可能)
=544EXP(-0.0667(A1-30)-EXP(-0.0667*(A1-30)))+1087EXP(-0.0417(A1-148)-EXP(-0.0417*(A1-148)))+1278EXP(-0.1(A1-190)-EXP(-0.1*(A1-190)))
列A | 列B |
---|---|
0 | 2.46822778 |
1 | 3.72121537 |
2 | 5.44014703 |
~中略~ | ~中略~ |
220 | 111.912116 |
221 | 104.413095 |
222 | 97.4651426 |
列A と列B を選択し「挿入->散布図」から描画できます。 | |
##算出法の解説 | |
ゴンペルツ曲線とは何か?(8) | |
ゴンペルツ曲線とは何か?(10) | |
にて「開始〜ピークまでの日数」と「ピーク時発生数」という2つのパラメータから流行の全体像を描けることを示しています。 | |
-
- 7 開始
30日後の 8. 6 ピーク 200人
2020.10.15 開始
48日後の 12. 2 ピーク 400人
2020.12.24 開始
20日後の 1.13 ピーク 470人(※前の波からの上乗せ分)
これら6個のデータを使います。
2020.12.24 からの波を単独で計算すると上図の黒い波になり、前の波(緑)と足し合わせると青い波になります。
2020.7.7 を x = 0 として、それぞれの波を平行移動させます。元データと計算結果がきれいに fit しています。
下り坂の勾配が「開始〜ピークまでの日数」と「ピーク時発生数」によって規定されることがわかります。
###※追記(2021.2.20)
2020.3.25 を day 0 として 2021.2.19 (day 331)までの全経過を表すと下図のようになります。
- 7 開始
\ y=190e^{-0.1176(x-18)-e^{-0.1176(x-18)}}+544e^{-0.0667(x-134)-e^{-0.0667(x-134)}}+1087e^{-0.0417(x-252)-e^{-0.0417(x-252)}}+1278e^{-0.1(x-294)-e^{-0.1(x-294)}}
という1つの式で全経過が表せます。
エクセルを使う場合は以下のようにします。
A の列に日数(0~331)を入力し B の列に以下の数式を入力します。(コピペ可能)
=190EXP(-0.1176(A1-18)-EXP(-0.1176*(A1-18)))+544EXP(-0.0667(A1-134)-EXP(-0.0667*(A1-134)))+1087EXP(-0.0417(A1-252)-EXP(-0.0417*(A1-252)))+1278EXP(-0.1(A1-294)-EXP(-0.1*(A1-294)))
すべての波にゴンペルツ曲線が当てはまっていることがわかります。
##まとめ
ゴンペルツ曲線はピークの前後数日の範囲を超えると値がほぼ 0 になって無視できるため上記のような重ね合わせが可能となります。今後、いくつ新たな波が出現しても1つの式で表すことができます。
※大阪のデータを用いたのは、ゴンペルツ曲線がきれいに当てはまるためです。
###※追記 第4波の予測(2021.4.22)
2021.4.22 の時点で大阪の第4波の経過を予測しました。
- 大阪の第4波がゴンペルツ曲線に従う。
- 2021.3.13 が第4波の始点、2021.4.21 がピークである。
と仮定しました。
2021.3.13 を day 0 とすると
\ y=3262e^{-0.0513(x-39)-e^{-0.0513(x-39)}}
となり 2021.6月末くらいに 100人程度に落ち着くという予測になります。第4波の総感染者数は 63608人となります。
※上記は終息までの最短コースであり、新たな波が重なれば終息が後ろにずれ込みます。
###※追記 予測の検証(2021.6.29)
2021.4.25 に緊急事態宣言が発令された影響か、感染者数の収束が予測に比べて早くなりました。予測式との差分から緊急事態宣言の効果を定量化できます。
ゴンペルツ曲線とは何か?(14) では「緊急事態宣言の効果を定量的に検証する」と題して検証しました。
ゴンペルツ曲線とは何か?(1)
ゴンペルツ曲線とは何か?(2)
ゴンペルツ曲線とは何か?(3)
ゴンペルツ曲線とは何か?(4)
ゴンペルツ曲線とは何か?(5)
ゴンペルツ曲線とは何か?(6)
ゴンペルツ曲線とは何か?(7)
ゴンペルツ曲線とは何か?(8)
ゴンペルツ曲線とは何か?(9)
ゴンペルツ曲線とは何か?(10)
ゴンペルツ曲線とは何か?(12)
ゴンペルツ曲線とは何か?(13)
ゴンペルツ曲線とは何か?(14)