■ 目次
・はじめに
・取り組みの背景
・課題解決① 初学者向けz/OS資料「メインフレーム初学者向けヒント集」の作成と発信
マニュアルリンクまとめ
便利コマンド集
・課題解決② 実務に役立つプロダクト関連記事「マニュアルよりわかりやすいミドルウェア資料」の作成と発信
IMS記事「データ共用について」
NetView記事「概要・コマンド投入自動化について」
はじめに:メインフレームナレッジ継承分科会の概要
本記事は、「若手視点で考える、メインフレームの将来像」というテーマのもと始動した、若手主体のプロジェクトにおけるシリーズ記事の1つです。
(メインフレームの将来像:20年後の未来を若手メインフレーマーが考える~プロローグ~ より)
メインフレームの将来像について考察し、提言するため、まずは必要な知識の収集と整理を目的に、「メインフレームの魅力深堀分科会」と「メインフレームナレッジ継承分科会」に分かれて活動しています。
本記事では、「メインフレームナレッジ継承分科会」の取り組みについてご紹介します。
取り組みの背景:若手技術者が直面する情報アクセスの難しさ
ナレッジ継承分科会は、メインフレームに関するナレッジ継承の仕組みが十分に整っておらず、必要な情報にスムーズにたどり着けないという点に課題があると感じたことから結成されました。
若手技術者が集まり、メインフレーム業務に従事する中での困りごとやつまずいた経験を共有したところ、以下のような共通の悩みが浮かび上がりました。
・メインフレーム関連の情報はネット検索ではなかなか見つからない
・配属されたばかりのころ、慣れないリモートワークで上司に質問しづらい
・業務を依頼された際に、どのユーティリティーを使うべきかわからない
・目的のマニュアルにたどり着けない
・マニュアルを見つけても、量が膨大でどこを読めばよいかわからない
こうした状況は、若手技術者が学習を進めるうえでの障壁となっています。
以上の問題意識をもとに、若手メインフレーム技術者が「こんな情報がネットにあったら助かった」という視点で意見を出し合い、課題の深掘りや解決方法の検討を進めています。
その課題解決の一環として、次の2つのテーマに沿って記事を作成しました。
課題解決①:初学者向けz/OS資料「メインフレーム初学者向けヒント集」の作成と発信
配属されたばかりの時期につまづきやすい課題にアプローチしたいという思いから、初学者支援チームが結成されました。
業務に携わるようになり、TSOの操作やJCLの作成を経験する過程で、ネットで検索しても業務で使う基本的なコマンドやマニュアルにたどり着けないことに課題を感じていました。
そこで、初学者のスキル向上の一助となることを目指し、「マニュアルリンクまとめ」と「便利コマンド集」を作成しました。
「マニュアルリンクまとめ」では、各ユーティリティーでよく使う項目をリスト化し、リンクを掲載しました。
「便利コマンド集」では、JCLの編集作業を効率化するコマンドや、運用保守や変更時のシステムの状態確認に役立つ基本的なコマンドを紹介しています。
「メインフレーム初学者向けヒント集」目次
・マニュアルリンクまとめ (マニュアルリンクまとめ)
・便利コマンド集
TSOで使用する基本コマンド
・SWAPBAR&SCRNAME:画面の移動を便利にする機能
・LISTC ENT(/) ALL:コマンドでカタログ・エントリー情報を取得する機能
ISPFで使用するコマンド
基本コマンド
・RETP:コマンド履歴の表示する機能
・RECOVERY+UNDO:編集中のデータを復元する機能
・DSLIST:直近で参照したデータセットを一覧表示する機能
・&:入力したコマンドを表示させたままにするする機能
JCL内の編集行コマンド
・AK、BK:複数宛先行の指定する機能
・BOUNDS:範囲指定をして編集する機能
SDSFで使用するコマンド
MVSシステムコマンド
・DISPLAY、DEVSERV:ボリュームの状態確認する機能
ACTIONコマンド
・SET ACTION:SDSFコマンド一覧の表示する機能
BOTTOMコマンド
・BOT:SYSLOG等において一番下を閲覧する機能
課題解決②:実務に役立つプロダクト関連記事「マニュアルよりわかりやすいミドルウェア資料」の作成と発信
実務者支援チームを立ち上げ、「NetView」、「IMS」をテーマに記事を作成しました。このチームは業務配属から1年程度の状況のメンバーが、z/OSや操作パネル(TSO)の理解と並行して、「製品固有の機能への理解が必要」と感じたことから結成されています。
実際に業務を進める中で、「概要レベルの情報はあるけれど、実務で使える具体的な情報が少ない」と感じる場面が多くありました。
そこで、「実務で使える情報とは何か?」を議論した結果、製品固有の機能に踏み込んだ解説や、実装経験をもとにした記録が必要だという結論に至りました。
そのため、担当製品(NetView,IMS)をテーマに、「自分達の理解を深めることを、他者へ知見を遺す」を目的として、段階的に記事を作成しました。
NetView記事では、製品の概要紹介と、OSメッセージ受動監視・コマンド投入機能実装に挑戦した際の記録を紹介します。
IMS記事では製品概要とデータ共用機能を紹介します。
Netview記事① … [NetView]メッセージ監視&コマンド投入の実装記録(1/2)
Netview記事② … [NetView]メッセージ監視&コマンド投入の実装記録(2/2)
Netview記事③ … [NetView]NetViewプログラム・インターフェース(TAF・RMTCMD)
IMS記事
#1IMSの概要について
今後の活動:ナレッジ継承の活発化に向けて
このように、私たちは若手技術者が安心してメインフレーム業務に取り組めるよう、「ナレッジへのアクセス性の向上」と「実践的なナレッジの共有」を軸に活動を進めています。
また、この記事の作成そのものが、ナレッジ継承の仕組みをより良くしていくための一歩だと考えています。
若手メインフレーム技術者の声を可視化し、課題を言語化することで、ナレッジ継承の改善や議論の土台となることを期待しています。
読者の皆さんも、便利だと思ったコマンドや業務で培った経験・知識をぜひ発信していただけると嬉しいです。
会社や経験年数を問わず、メインフレーム初学者を支え合える環境を作っていければと思います!
この記事は、IBM Community Japanの主催する2025年ナレッジモール研究における「メインフレーム若手技術者の広場」の成果物です。
記事の背景や目的は下記記事にまとめています。
メインフレームの将来像:20年後の未来を若手メインフレーマーが考える~プロローグ~