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ここまでは回路全体を“電源から負荷への流れ”として見たものでした。
次に、同じ回路をデバイス内部の視点から見直します。
1. 理想電流源と現実のFET
実際のFETでは、
- 電圧には耐圧制限($V_{ds,max})$
- 電流には電流密度や発熱による制限($I_{d,max}$)
があるため、理想的な電流源のようには動作できません。
2. FETの動作限界とロードライン
RF電力増幅器では、
- 電流源として生成できるRF電流
- ドレイン電圧のスイング範囲
の両方が出力電力を制限します。
負荷線と電圧制限・電流制限の関係を図に示します。
負荷線の傾き(絶対値)は、負荷インピーダンス$R_L$により決まります。最大出力を得るためには、FETの電圧・電流の振幅をできるだけ大きく使う必要があります。
電圧は$V_{knee}∼V_{DD}$の範囲で振れるため、対称スイングを仮定するとバイアス点($Q(V_{DD},I_0)$)は
$$V_{DD}=\frac{V_{max}+V_{knee}}{2}$$
$$I_0=\frac{I_{max}}{2}$$
となります。
このときFETがもつ最大電圧、最大電流を同時に使い切れる負荷が$R_{opt}$です。負荷に取り出される電力が最大となります。
$$R_{opt}=\frac{2(V_{DD}-V_{knee})}{I_{max}}$$
ここでの $R_{opt}$ は、「内部抵抗との整合条件」ではなく、
FETの電圧・電流の物理限界を同時に使い切るための負荷条件です。
$R_L<R_{opt}$ のとき、電流は最大電流まで振れますが、電圧の振れは小さくなります。
$R_L>R_{opt}$ のとき、電圧は最大電圧まで振れますが、電流の振れは小さくなります。
つまりRoptとは、デバイスの物理限界から決まる最大電力についての“最適ロードライン”なのです。
4. まとめ
負荷インピーダンスは、
電流源が生成したRF電流を
どれだけ電圧へ変換できるかを決めています。
しかし現実のFETには、
- 電圧制限
- 電流制限
が存在するため、
負荷を大きくすれば無限に出力を増やせるわけではありません。
