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HAZOPとTRIZを適用した新製品開発とその安全分析

1.概要

人間に密着した医療・健康機器の開発が進んでいる。ペースメーカーと植え込み型除細動器のような医療機器と、Apple Watchのような健康機器のような高機能・小型化・ネットワーク対応機器について新製品開発と安全分析を実施した[1]。

2.背景

小型計算機は、iPod, iPhoneをはじめ音楽、携帯電話機能が普及している。それに対して、腕時計型の機器の普及はまだ進んでいない。医療機器と健康機器は体の安全にかかわる大切な道具であり、これらの機器の特性をHAZOPとTRIZで展開することにより、新たな製品開発に役立てようとするものである。

3.課題

 製品の個々の特性に応じた分析がTRIZの強みであり、HAZOPによる網羅性を確認する上でも、特定の製品に対して適用する。
 まず、スマートウォッチを対象にする。スマートウォッチは、健康管理、運動記録などの用途で様々な製品が発売されてきた。Apple Watchのような数万円以上する高価な製品から、スマートブレスレットという数千円の製品まである。他の用途としては、スマフォを持たせていない子供や、徘徊する可能性のある老人の、現在位置確認や帰宅支援機能が考えられる。
 しかし、いくつかの会社が撤退した理由を分析し、従来より機能を絞り込み、必要がある顧客に必要がある機能を提供することを検討する。あるいは、現在の普及型に何を追加、削除または小型化すれば飛躍的に利用が増えるかを検討する。
 ここでは、子供と老人の所在確認に焦点を絞り、GPSと地図情報があり、電話による問い合わせ機能がある機器を最初に検討する。交通事故の減少のためには猫中心設計という発想を提案してきた。スマートブレスレットには血圧計の機能がある。血圧計は、毎日測定した変動がわかるとよく、医療用ではなく健康管理用としては絶対値としては誤差は1割、2割の精度は必ずしも必要がない。医療機関に設置してある筐体が硬く圧迫して測定する血圧計では腕の細い方は3割、4割高く出たり、測定不可能になることがある。「小学生以下の方は測定できません」と書かれているが、腕の細さで表示されていない。
 お年寄りの交通死亡事故が減っていないことも関連する課題である。あまり機能をたくさん入れすぎると目的の焦点が絞りきれない可能性があるが、検討するのはよい。交通死亡事故の減少には、猫の死亡事故に関する分析も有効の可能性があり検討する。

4. 機能分析

4.1 所在確認

 位置情報を発信、確認できる端末を持つことにより、所在確認ができる。
 安否確認も移動していれば、ひとまず移動中という情報として自動記録する方法がある。

4.2 健康管理

 医療用の機器であれば、精度が必要であるが、個人による健康管理では成果が重要である。
 誤差が2割、3割あっても、継続データの増加、現象が現実を反映していればよいことがある。
 大きな変動があれば、医療機関での診察をすればよいからである。

5 設計指針

5.1 猫中心設計

交通死亡事故をなくすための方策は、人間中心設計では死亡事故をなくす鍵がうまく見付からないかもしれない。
猫中心設計なら、子供、高齢者に対応した設計が検討できるかもしれない。
1) 道路に飛び出す猫
猫の飛び出しに対応できれば、子供の飛び出しにも対応できる可能性大。
2) 道路の真ん中で、走ってくる車を見て、車の方を見て止まる猫
猫の習性を理解して、どうやって「猫」死亡事故を減らすかを考えると、自然と人の死亡事故も減る仕組みができるかもという仮説を立する。
野良犬がほとんどいない現在、犬中心設計では、上記の分析が十分できない可能性がある。

6.おわりに

他の安全分析と同様、多機能化と単機能化の選択は企業にとっては死活の課題である。
製品開発においては、多機能化と単機能かのどちらでも対応できるため単純な設計にすることが重要である。

参考文献

[1]医療系の現状と課題, https://qiita.com/ kaizen_nagoya/items/5734255c49b6eca4565d, 2019
[2]遠山正道へのtweet記録「犬中心設計 v.s. 猫中心設計」, https://researchmap.jp/ jon7mq1zq-45644/#_45644, 2013
[3]猫中心設計, 小川清, https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/d409c1185df30f660adc, 2019
[4] 血圧計の課題と対応:データ処理,小川清, https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/631c1a490463c64fd50d, 2019
[5] JIS Z 8051:2015(ISO/IEC Guide51:2014)安全側面―規格への導入指針
[6] JIS Z 8050:2016(ISO/IEC Guide 50:2014) 安全側面-安全側面-規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針
[7] IEC 61882:2017, “Hazard and operability studies”.

<この記事は個人の過去の経験に基づく個人の感想です。現在所属する組織、業務とは関係がありません。>

文書履歴(document history)

ver. 0.01 初稿   20190527
ver. 0.02 ありがとう追記 20230614

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