はじめに
今月未取得だった残りのAWS認定試験に合格して、無事に11冠を達成したので振り返りと個人的なロードマップを考えてみました。
この記事がどなたかのご参考になれば幸いです。
謝辞
自分が合格できたのは、他の方の合格記や出版された対策本、練習問題をまとめて公開してくださっている方々のおかげだと思っています。
まずはその方々に感謝させていただきます。ありがとうございました。
この記事でわかること
- AWS認定試験の(個人的)お勧め取得順
- AWS認定試験の(個人的)勉強方法
事前情報
- AWS経験は2年と半年程度
- 普段はデータ分析系のサービスを使うことが多い
- 最近は業務でセキュリティ周りのこともやる機会が増えてきた
注意
- 本記事に書いてあるのはあくまで個人の意見です。
- 受験される方の性格や所有スキルによってこの勉強法が合わない可能性があります。
- 自分は資格試験を必要なスキルの知識を手っ取り早く体系的に学ぶための手法の1つとして考えています。
受験履歴
AWS認定試験は以下の順番で受験していきました。SAAは旧試験で、それ以外は新試験で受験しています。
SAAの後にDASを受験しているのは普段データ分析系のサービスをよく使っていたことが理由です。
※合格スコアは現在は受験当時のものです
※受験記事は資格ごとに勉強した内容をまとめた記事へのリンクです
試験名 | 取得日 | 合格スコア | 受験スコア | 受験記事 |
---|---|---|---|---|
AWS Certified Cloud Practitioner | 2019/07/04 | 700 | 770 | CLF合格記 |
AWS Certified Solutions Architect - Associate | 2019/07/24 | 720 | 836 | SAA合格記 |
AWS Certified Data Analytics - Specialty | 2021/02/25 | 750 | 879 | 未作成 |
AWS Certified Developer - Associate | 2021/07/23 | 720 | 867 | DVA合格記 |
AWS Certified SysOps Administrator - Associate | 2021/10/26 | 720 | 754 | SOA合格記 |
AWS Certified Security - Specialty | 2021/11/13 | 750 | 834 | SCS合格記 |
AWS Certified DevOps Engineer - Professional | 2021/12/01 | 750 | 852 | DOP合格記 |
AWS Certified Database - Specialty | 2021/12/28 | 750 | 771 | DBS合格記 |
AWS Certified Advanced Networking - Specialty | 2022/01/06 | 750 | 821 | ANS合格記 |
AWS Certified Solutions Architect - Professional | 2022/01/15 | 750 | 808 | SAP合格記 |
AWS Certified Machine Learning - Specialty | 2022/01/27 | 750 | 782 | MLS合格記 |
AWS Certified SAP on AWS - Specialty | 2022/05/14 | 750 | 755 | PAS合格記 |
2022/5/24追記
SAP on AWS認定取得したので受験履歴に追加しました。
試験難易度Top3
自分の中だと以下の順番で難しかったです。
それ以外の試験は大小ありますがそこまで大きく変わらなかったです。(勉強したら何とかなるレベル)
- 1.AWS Certified Solutions Architect - Professional
- 2.AWS Certified Machine Learning - Specialty
- 3.AWS Certified DevOps Engineer - Professional
MLSは機械学習をそもそも知らなかったので難しいのは当然でしたが、SAPはある程度知っていても尚難しいと感じました。
問題数の多さもありますが、明らかに問題と選択肢の質が他のAWS認定資格に比べると別次元だったので、一番難しいという評判は流石といったところでした。
個人的取得ロードマップ
11個のAWS認定資格を取得してきて、もしまた一から受験しなければいけないとなった場合にどの順番で取得していくかをロードマップとして図にしてみました。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、一番下のCLFがスタート地点で上にある資格を取得していくイメージです。
上記の図を元にお勧めする取得順序とその理由を以下に記載していきます。
CLF・SAA
下の2つの認定資格は入門資格ということでCLF→SAAという順番になっていますが、CLFの難易度的にはITの知見があれば最初にSAAを受験して良いと思います。
既にクラウドの知見があれば最初にDVAやSOAでも問題ないとは思いますが、AWS試験に慣れるという意味ではSAAの方が適しています。
DVAやSOAは良くも悪くもサービス領域に傾向があるのでまだ取りやすいのですが、SAAはそういうわけではないので最初のうちに取っておくとよいでしょう。
SCS
SAAの次に何を受験するかとなったときに大体の人は同じアソシエイトレベルのDVAかSOAを考えるのではないでしょうか。
もちろんそれでも良いとは思うのですが、受験時点でAWSの開発や運用に携わっており、それらのサービスを利用するということでなければ、正直いつ受験しても必要な勉強量は変わりません。
それよりはスペシャリティのセキュリティ試験(SCS)の受験をお勧めします。
実務でAWSのアーキテクチャ設計をするとなった際に、開発系のサービスは要件によって使う使わないがありますが、権限や暗号化などのセキュリティはどのサービスを利用する場合でも必須になります。
実際のAWS試験でもその辺りが反映されているのか、セキュリティ試験で学んだ知識が他の試験の受験に役に立つことが多く、一番試験で使える知識が得られるのがこの試験だと私は思っています。(実務でも使える知識も多く学べます)
ANS
セキュリティ試験の次はネットワーク試験がお勧めです。
正直この試験はAWS以外のネットワークの知識が求められる部分もあるので難易度的には少し高いのですが、ネットワークはセキュリティと同じくどのAWSサービスを利用する場合も必ず必要な知識なので、序盤で取得することでDBSやSAPを受験する際にもかなり役に立ちます。
一つだけ出題される情報が古いという難点がありましたが、今年の夏あたり(だったはず)に新しいANS試験が出るそうなので、新試験で受験できればさらに良いと思います。
現在の試験でも最低限必要な知識は身に付くので、それまで新試験がスタートするのが待てないという方は受験しても良いと思います。
DVA・SOA・DOP
SCS→ANSときて、次は同じスペシャリティのどれかを受験しよう、となるかもしれませんが、ここで敢えてこの開発運用系の3つの試験です。
理由は2つあって、SCSとANSで学んだ知識を忘れる前にDOPを取っておきたいというのと、残りのスペシャリティ(DBS/DAS/MLS)は専門性が高いので、いつ受験しても必要な勉強量はそこまで変わらないということです。
受験する場合はDVA→SOA→DOPという順番だと問題に慣れつつ受験できるのではないかと思います。
SOAにはAWS試験初の試験ラボ(実技)があるので、DVAから始めて実機を触りながらSOA受験、その勢いでDOPを受験すると知識も近しいので、学んだことが無駄になりません。
DOPはSAP程ではないですが問題文がこれまでの試験に比べて長いので、練習問題などで問題文に慣れておくと良いでしょう。
DBS・DAS・MLS
ここまでくると正直どれから受験しても対して変わらないですが、しいて言うのであればDBS→DAS→MLSが良いです。
DBSはAWSサービスの中でもよく利用されるDBサービスが出題されます。
多分実際に使ったことがあるという方が多いと思うので、DASとMLSに比べると問題が解きやすいと思います。
また、DASでもDBの知識が少なからず必要になるので、DBSで勉強した知識の流用が可能です。
最後のDAS→MLSも同じような理由で、機械学習に必要なデータはデータレイクやDWHに格納して使うケースが多いので、DASの知識がMLSでも役に立ちます。
このあたりの3つのサービスは知識的に近しいところがあるので、同じぐらいのタイミングで連続受験したほうが取りやすいんじゃないかと思いました。(個人の感想)
※MLSは求められる知識がAWSの範囲を超えているので敢えて番外としました。
SAP
最後に受験するのがSAPです。
自分はSAPを受験するまでにMLSを除いてすべての資格を取得していたので、意外と何とかなるんじゃないかと思ってました。
そう、思って"ました"。
全然そんなことなかったです。寧ろほとんど資格取ってきたのにこんなにわからないサービスが出るものかと驚愕しました。
QiitaでSAPの合格記を探すとCLF→SAA→SAPって取っている人がいましたが、一体どうやって勉強したら合格できるのか聞いてみたいものです。
ただ、SCS/ANS/DBS/DOP等で学んだ知識は当然問題を解くのに大いに役立ったので、まったく無駄ではなかったと思います。
ちゃんと勉強時間をかけて受験できる人であればいきなりSAP受験しても合格できるかもしれませんが、なるべく勉強時間を少なくSAPに合格したいということであれば、最後に受験するのをお勧めします。
試験別勉強法まとめ
本記事上部の表に貼った試験ごとの受験記事にどのような勉強をしたかは書いてあるのですが、全試験でどの勉強をしたのか一覧にしてみました。
実務経験があったので、これで絶対合格できるというわけではないですが、参考にはなるかと思います。
その他は公式以外の動画や関連する技術本を使ったかどうかで判断しています。
試験 | ホワイトペーパー | 公式ドキュメント | AWS公式動画 | 対策本 | 模擬試験 | koiwaclub | クラストレーニング | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CLF | 〇 | 〇 | ||||||
SAA | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
DVA | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
SOA | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
SCS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ANS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
DBS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
DAS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
MLS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
DOP | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
SAP | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特に有用だった勉強ツール
koiwaclub
結論からいうとkoiwaclub最強でした。
いや、最強は言い過ぎですが、私のAWS認定資格受験において多大な貢献をしていただいたことは確かです。
どこかの受験記事で書きましたが、個人的にudemyの試験問題動画が長すぎて性格的に耐えられないので、7問1セットという短い問題セットで提供してくれるのはとても助かりました。
また、合格記という形で過去に受験された方の受験履歴が見れるようになっているので、どのような勉強をしたらよいかざっくりあたりを付けることができ、そういう意味でも優良なサイトだと思います。
公式の練習問題(BenchPrep)
昨年の11月にそれまで有料だった模擬試験が無料で提供されると発表があり、これが非常に有用でした。
前の模擬試験とは異なり、ちゃんと間違えた問題がわかるようになってかつ詳細な解説までついているので、一番最初に受けておくことで早く理解できました。
対策本
次に良かったのが以下のような試験対策本です。
AWS公式の試験ガイドを見て関連するBlackbeltを読むという方法も網羅的に学べるので良いのですが、どうしても時間がかかってしまいます。
これらの対策本を使うことで必要な箇所だけをサッと学ぶことができるので、勉強する範囲が本に記載されていない範囲だけで済みます。
この本がなければ恐らくこんなに早く11冠することはできなかったと思います。
# 2022/2/2追記
敢えて最後の方に追記しますが、自分の試験に対する取り組み方とか解き方はこの記事に一番近いかもしれません。
これを書かれてる方ほど効率的にはやってないですが笑
https://qiita.com/mrpepper/items/64039b828c82e12ad35f
冒頭でも書きましたが、自分は資格を手っ取り早く体系的に知識を学ぶために使ってるので、出題される内容を完全に理解する必要はなく、試験に合格できるだけの理解ができれば十分と思ってます。
(多分本当に必要な技術はその時に深く学ぶことになるでしょうし)
効率とかはあまり意識しなくてもよいと思いますが、上のロードマップは「この順番で受験することでAWS資格に関連する全体的な知識を体系的に学ぶことができる」ぐらいで考えておいてください。
もちろん効果を保証するものではないので、そのあたりは他の方の感想も踏まえて自己判断でお願いします。
おわりに
いつもは検証系の記事を書いていてここまで文章書かないので、読みづらい箇所もあるかもしれませんが最後まで読んでいただいてありがとうございます。
資格をコンプリートするという経験が今までなかったので、嬉しくて色々書いてしまいました。
冒頭にも書きましたが、この記事がどなたかの参考になれば幸いです。