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AIが作るコードの乱立に、どう備えるか。Tines 3B の全体像と5つの強みを読み解く

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Last updated at Posted at 2026-10-22

連載「Tines 3B を読み解く」の第1回(入口)です。

はじめに

Cursor、Claude、Codex のような AI のコーディング支援が広がり、これまでコードを書かなかった部署でも毎日のようにコードが生まれています。便利な一方で、そのコードがどこで動き、誰が見ていて、どの認証情報を使っているのかは、IT やセキュリティの側から見えにくくなりがちです。

この記事では、AI ネイティブのワークフロー基盤「Tines 3B」が何を目指す製品なのかを、公式ドキュメントに沿って整理します。連載の入口として全体像と公式が掲げる5つの強みを紹介し、次回以降の見取り図にします。

こんな方に向けて書いています。

  • AI が書いたコードや AI エージェントを業務に入れることを検討している
  • 部署ごとに AI で作り始めた自動化を、どう統治するかで悩んでいる
  • Tines 3B の名前は聞いたが、何をする製品かを短く把握したい

先に結論です。3B は「全部署が AI で作る力」と「IT・セキュリティが全社で統治する制御」を、ひとつの環境に載せようとする製品です。作る、動かす、見るの3つを同じ基盤の上で行います。

こんな場面、ありませんか

  • 営業や経理の担当者が、AI に書かせたスクリプトを自分のパソコンで動かしている。IT 部門はその存在を知らない。
  • AI で作ったものが完成したのに、本番に載せる手順がなく、バックログで止まっている。
  • 全社で AI を使い始めたが、何が動いていて、いくらかかっているのかを一覧で見られない。

共通するのは、「作ること」は速くなったのに、「動かすこと」と「見ること」が追いついていない点です。

結論:3つの層

公式では、3B は「あらゆるチームの重要なエージェント、アプリ、自動化を、構築し、実行し、監視する、安全な単一の環境」と説明されています。この記事では、これを「作る」「動かす」「見る」の3つの層に分けて見ていきます。

層 何をするか 次に読む回
作る チャットで依頼して、AI がコードを書く。自分のエディタや GitHub からも作れる 第6回、第7回
動かす 実行ごとに使い捨ての環境で動かし、認証情報はコードに渡さない 第2回、第3回、第4回
見る 誰が何をしたか、動いているもの、AI の費用を、1か所で見る 第5回

「共通の土台」は権限(第4回)や接続(第8回)にあたります。

層1:作る。AI にも、自分のエディタでも

3B は「ビルド環境」と「実行エンジン」が密接に結びついています。AI に作ってもらうときも、AI はステップを実際に動かして確かめながら作り進めます。

作り方はひとつではありません。3B の中の AI に頼む方法のほか、コマンドラインの Claude Code、自分のテキストエディタ、GitHub のリポジトリから作る方法もあります。実行と監視は 3B で行えます。

AI の提案を確かめる仕組みもあります。Plan mode を使うと、AI が提案した変更を実行の前に確認できます(ユーザーの設定です)。

層2:動かす。使い捨てで、シークレットは持たせない

3B で動くものはすべて、隔離されたコンテナで動きます。ワークフローのステップも、チャットでの試行も、接続のテストも同じです。コンテナはその作業のためだけに作られ、終わるとすぐに破棄されます。

認証情報はコードの外側で付けます。ステップは認証なしの要求を出し、外へ出る途中のプロキシが認証を付けるので、コードにシークレットが入らない構造です。

作ったものを本番へ出すときは、ドラフトと「ライブ」を分けます。ドラフトはスケジュールや webhook では動かず、反映は権限を持つ人が行います。

詳しくは第2回(分離)、第3回(認証情報)、第4回(権限)で扱います。

層3:見る。1か所で見渡す

監視ダッシュボードでは、動いているワークフロー、アクセスの状況、自動化の効果、AI の利用費を見られます。管理者向けには、全スペースやメンバーの個人ワークフローを見渡せる Watchtower もあります。

AI の費用は、ダッシュボードの AI のタブに推定の支出やトークン数などが出ます。あくまで推定で、請求額そのものではありません。詳しくは第5回で扱います。

公式が掲げる5つの強み

記事「What makes Tines 3B different?」は、5つの見出しで 3B の特徴を述べています。見出しごとに、公式の説明の要点と連載で扱う回をまとめます。

見出し 説明の要点 扱う回
Security without compromise 認証情報の保護、隔離された実行、包括的なログで、開発を遅らせずに IT とセキュリティが監督できる 第2〜4回
Full visibility into AI-created work エージェント、連携、アプリを1か所に集め、所有者の追跡、監査証跡、トークン消費やインフラ使用量の監視ができる 第5回
From idea to production, for everyone 試作で止まる壁を越え、コードファーストで、あらゆる連携と LLM を使い、誰でも最後まで作れる 第6〜8回
Workflows that adapt to your reality API の変更、認証情報の期限切れ、サービス停止で壊れる業務を、実際のエラーに基づく自己修復と Autofix で直す。自動でも、人が確認してからでも反映できる 第7回
Built for the future of work 10年の経験をもとに、AI の時代に向けて、あらゆるチームを支える(位置づけのメッセージ) 連載全体

5つ目は、機能というより製品の位置づけを述べた見出しです。

別の記事「What is Tines 3B?」には、「ベンダーに縛られない(Vendor-agnostic)」という項目もあります。任意のシステム、ネットワーク、言語モデル(自分で用意したものを含む)に接続できる、という説明です。詳しくは第8回で扱います。

「コードファースト」は、ワークフローの実体がコードとして書かれている、という意味で使います。ノーコードの画面部品を並べるのではなくコードがそのまま実体になるので、Git で管理したり AI に書かせたりしやすくなります。

守ってくれないこと、向く場面と向かない場面

3B は、AI が作るものを安全に動かし、見渡すための基盤です。ただし、次のことは利用者の側の仕事です。

  • 何を作らせるか、誰に任せるか。権限の設計は利用者が決めます(第4回)。
  • 3B の外で動くもの。個人のパソコンで動くコードは 3B からは見えません。
  • AI が正しく判断する保証はない。仕組みは被害の範囲を狭めるもので、AI の出力が正しいことを保証するものではありません。

向く場面と向かない場面も、条件で分けて考えるとよいでしょう。

向く場面 慎重に判断したい場面
多くの部署が AI で作り、IT・セキュリティが統治したい ライブの実行中に、人の承認ステップが必須(公式で確認できていません)
認証情報をコードや AI に見せたくない 認証(SOC 2、ISO)の対象に 3B が含まれるかの証明が、契約前に必須
自社の LLM 契約を使いたい。コードと Git で管理したい 日本語でのサポートが必須条件(公式ドキュメントに記載なし)

他の製品との比べ方は第11回で扱います。

おわりに

  1. 3B は「作る」「動かす」「見る」をひとつの環境で行う基盤です。
  2. 公式が掲げる5つの強みのうち、中心は安全な実行と、AI が作ったものの可視化です。
  3. 強みには、利用者が担う範囲と、確認できていない点があります。

IBM Institute for Business Value の調査(IBM Newsroom、2026年6月8日発表。技術部門の上級幹部2,000人)では、AI の導入が現在のガバナンスの能力をすでに上回っていると報告した組織が77%でした。作る力が先に広がって統治が追いつかない状況は、珍しくないようです。

連載の他の回

連載「Tines 3B を読み解く」(全11回):

参考

公式ドキュメント(docs.3b.tines.com):

外部の調査:

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