背景と目的
以前の投稿で行為による偏り(バイアス)の補正を考えた。
人が持つ補正をするべきでない個性について注目し、個性の見つけ方を模索する。
1. 人の個性とは何か?
1.1. 個性という言葉の意味は何か?
wikipedia 個性(こせい)
個性(こせい)とは、個人や個体の持つ、それ特有の性質・特徴。
特に個人のそれに関しては、パーソナリティと呼ばれる。
goo辞書 個性
個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質。個人性。パーソナリティー。「—の尊重」「仕事に—を生かす」「—が強い打撃フォーム」
weblio personality
1 個性,性格
2a 強烈[魅力的]な個性,魅力.
2b 強烈[魅力的]な個性の持ち主.
3 有名人,名士,タレント.
4[複数形で] (非難の)個人批評,人身攻撃.
5 人間であること,人としての存在,(人の)実在.
6 (場所・状況の)独特な雰囲気.
Geoiji personality 意味と語源【英語】
ラテン語 personalitas|人柄、人格|
⇒ ラテン語 personalis|人物の、個人の|+-itas|もの、抽象名詞|
⇒ ラテン語 persona|人物、仮面|+-alis|~の|
weblio individuality
1a 個性,個人的人格
1b 個体,個人,単一体.
2[複数形で] (個人的)特性,性質.
Geoiji individuality 意味と語源【英語】
英語 individual|個人の、個別の、独特な|+-ity|こと、抽象名詞|
⇒ ラテン語 individualis|個人の|
⇒ ラテン語 individuum|不可分なもの、原子、個人|+-alis|~の|
⇒ ラテン語 in-|否定|+divido|分ける|+-uum|こと|
⇒ ラテン語 dis-|二つに、ばらばらに|+vido|分ける|が 詳細な語源。
整理すると日本語の"個性"はラテン語の"personalitas"/"individualis"を語源にしている。
ラテン語の persona(人物、仮面) + -alis (~の)をに分割できる。
"個性"の意味は、個人もしくは個体のもつ(現れる)、性質、性格、特徴を指す。
1.2. 哲学者の考える"個性"
カント、自由意志。
「特定の性格を持たない人は、気分に従う」としている。
支出の例、お金の使い方に一定の方針がなく、その都度、気まぐれに支出する人。
自由意志とは、自らの行為の格率(行動を決める際の主観的な原則)を他者に決めてもらうのではなく、行為の格率を自ら決める意志のことである。
"自らの行為の原則"は、個性に関係しそうである。
西田幾多郎、"善の研究"での善の活動。
善とは、"内的な先天的要求であり、理想を実現すること"である。
善とは、”美”である。
"内的な先天的要求であり、理想を実現すること(≒美)"は、個性に関係しそうである。
ハイデガー、人(現存在)の本来性と非本来性。
本来性とは、自由な自己の可能性のこと。
非本来性とは、選択を選ぶことをいまだなしえていない際の我々の可能性のこと。
ハイデガーは、自由な自己が選ぶこと自体を"現存在=個人"の特性と示している。
自己で選んでいない人は、”世人(ダスマン)”と表現し、"世間の意見に流されている状態"としている。
"自己が選ぶ"という行為は、個性に関連していそうである。
フランクル、"夜と霧"における奪えないもの。
強制収容所で、人間がすべてを取り上げられても、"与えられた状況でどのように振る舞うか"という最後の自由だけは奪えないということを証明した。
"与えられた状況でどのように振る舞うか"は、個性に関係しそうである。
ニーチェ、超人という理想。
”あらゆる瞬間に人間が克服されている”状態。
"すべての瞬間における生の肯定をしている"状態。
生き生きとしており、何かを生み出そうとしている状態を"超人の性質"としている。
"生み出す、生産する”という行為は、個性に関係していそうである。
出てきたポイント
- "自らの行為の原則"
- "内的な先天的要求であり、理想を実現すること(≒美)"
- "自己が選ぶ"という行為
- "与えられた状況でどのように振る舞うか"
- "生み出す、生産する"という行為
1.3. 個性が現れるもの(映し出されるもの)
★制御工学 PID制御
目標値の設定
★入力のフィルタ結果、フィルタされないもの
★処理のフィルタ結果、フィルタされないもの
1.4. 個性が現れないもの(映し出されないもの)
★出力のフィルタ結果、フィルタされないもの
2. 自身の個性を自身がどのように認識するか?
2.1. 自身で気づく
★TBD
2.2. 他者からの反応で気づく
★TBD
9. リンク
Qiita
【バイアスを考える】アリストテレスの中庸、孔子の中庸、ブッダの中道の比較
スキル(技能/能力)マップの整理
URL
教育における個性
ウィリアム・ジェームズ
心が変われば行動が変わる
論理的思考と習慣化で人生を切り拓く|アリストテレスに学ぶ
PID制御
現存在の本来性について(松本佳菜子)
木村洋二(1982). 意識機能と写像の概念. (閲覧日:2025-05-05)
丸山文隆(2022). ハイデッガー『存在と時間』における「非本来性」の概念. (閲覧日:2025-05-05)
ニーチェクラブ(2022).超人. (閲覧日:2025-05-05)
船木祝(2024).カントの人間学講義における、個人の「性格」概念を巡る思想発展. (閲覧日:2025-05-05)
アインシュタインの名言20選
古矢晋一(2018).フランクル「夜と霧」における「群衆の精神病理学」について. (閲覧日:2025-05-05)
塩川 太嘉朗(2021).西田幾多郎『善の研究』に挑む!.(閲覧日:2025-05-05)
書籍
チェット・リチャーズ(2019).OODA LOOP ―次世代の最強組織に進化する意思決定スキル. 東洋経済新報社.
Chet Richards(2004).Certain to Win: The Strategy of John Boyd, Applied to Business. Xlibris.
変更履歴
2025/05/05 新規作成