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ベータ関数

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Last updated at Posted at 2026-05-29

 はじめまして、りょーつといいます。高専出身の博士課程1年生です。研究の専門は力学や機構学で、Qiitaでは主に制御工学や数学に関する記事を書いています。
最近は数学に関する単発ネタで記事を書いていて,これまでに以下のような記事を書きました.興味があれば読んでみてください~.

①ウォリス積分の基礎
②ウォリス積分の応用
③n次元球のイメージについて
④四次元球の体積の計算
⑤ガウス積分
⑥ガンマ関数
⑦非自然数の階乗
⑧N階積分
⑨非整数階積分

目次

1.はじめに
2.ベータ関数の定義
3.ベータ関数とガンマ関数の関係
4.おわりに

1. はじめに

 今回の記事では,ベータ関数$B(p,q)$について紹介します.〇〇関数系でガンマ関数の次くらいによく見かけるやつですね.関数の定義そのものはガンマ関数$\Gamma(\alpha)$よりも簡単な気がします.
 2章でかる~く定義に触れて,3章でガッツリ性質の証明をしようと思います.ガンマ関数の性質を使用するので,ガンマ関数を解説した記事の内容を抑えておいてください.

2. ベータ関数の定義

 ベータ関数$B(p,q)$は見た目のとおり,2つの引数をもつ2変数関数です.引数$p$,$q$はともに$p>0$,$q>0$の実数です.このときベータ関数$B(p,q)$は以下の積分で定義されます.

B(p,q)
=
\int_{0}^{1}
(1-t)^{p-1}
t^{q-1}
dt
\tag{1}

なお,$p$と$q$が自然数なら,ベータ関数はシンプルな多項式の積分になって,とても簡単に計算できます.
 特にこれ以上言いたいことはないので,次章でガンマ関数との関係について紹介しようと思います.

3. ベータ関数とガンマ関数の関係

 本章ではベータ関数$B(p,q)$とガンマ関数$\Gamma(p)$,$\Gamma(q)$の間に成立する,以下の関係式を示します.

B(p,q)
=
\frac{\Gamma(p)\Gamma(q)}{\Gamma(p + q)}
\tag{2}

(2)式を紹介したいがためにこの記事を書いていると言っても過言ではありません.早速証明していきましょう.実際には(2)式を変形して

\Gamma(p)\Gamma(q)
=
B(p,q)\Gamma(p + q)
\tag{3}

になることを示します.ガンマ関数の定義式

\Gamma(p)
=
\int_{0}^{\infty}
x^{p-1}
e^{-x}
dx
\tag{4}

を用いて(3)式の左辺を展開すると,以下の重積分が得られます.

\Gamma(p)\Gamma(q)
=
\int_{0}^{\infty}
x^{p-1}
e^{-x}
dx
\int_{0}^{\infty}
y^{q-1}
e^{-y}
dy
=
\int_{0}^{\infty}
\int_{0}^{\infty}
x^{p-1}
y^{q-1}
e^{-(x+y)}
dx
dy
\tag{5}

ここで,示したい式は(3)式なので,右辺にガンマ関数っぽい形が作れるように変数変換をしてみます.特に指数関数の部分がヒントですね.以下のような変換を考えます.

s
=
x+y
\tag{6}
t
=
\frac{x}{x+y}
\tag{7}

こうすると,積分区間は$0 \leq s$,$0 \leq t \leq 1$みたいな感じになります.また,変数変換をするのでヤコビアンを計算しておく必要があります.(6),(7)式を解くと

x = s(1-t)
\tag{8}
y = st
\tag{9}

のような関係が得られるので,これを偏微分します.

dx
=
\frac{\partial x}{\partial s}ds
+
\frac{\partial x}{\partial t}dt
=
(1-t)ds
-
sdt
\tag{10}
dy
=
\frac{\partial y}{\partial s}ds
+
\frac{\partial y}{\partial t}dt
=
t \ ds
+
s \ dt
\tag{11}

これらの結果を行列にまとめると

\begin{bmatrix}
dx \\
dy \\
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
1-t & -s \\
t & s \\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
ds \\
dt \\
\end{bmatrix}
=
J
\begin{bmatrix}
ds \\
dt \\
\end{bmatrix}
\tag{12}

であり,ヤコビアンが

\det{(J)}
=
s
\tag{13}

になることが分かります.(6)~(9),(13)式の結果を(5)式に代入して整理すると以下のようになります.

\Gamma(p)\Gamma(q)
=
\int_{0}^{1}
\int_{0}^{\infty}
s
\big( s(1-t) \big)^{p-1}
(st)^{q-1}
e^{-s}
ds
dt
=
\int_{0}^{1}
\int_{0}^{\infty}
(1-t)^{p-1}
t^{q-1}
s^{p + q - 1}
e^{-s}
ds
dt
\tag{14}

(14)式は$s$に関する積分と$t$に関する積分に分離できます.

\Gamma(p)\Gamma(q)
=
\int_{0}^{1}
(1-t)^{p-1}
t^{q-1}dt
\int_{0}^{\infty}
s^{p + q - 1}
e^{-s}
ds
\tag{15}

ここで,(15)式の1つ目の積分はベータ関数$B(p,q)$,2つ目の積分はガンマ関数$\Gamma(p+q)$の定義に対応していることが(1)式と(4)式から分かりますね.
 以上のことから(2)式の関係が示せたというわけです.

4. おわりに

 本稿では,雑にベータ関数$B(p,q)$の定義とガンマ関数との関係性について紹介しました.これを使用することで,非整数階積分の面白い公式が導出できます.積分演算子$I$が指数関数みたいに表せるというものです.
 少し内容が短いような気もしますが,キリがいいのでここらへんまでにします.来週はまた,非整数階積分の話をします.
 今週も最後までよんでくださり,ありがとうございました!

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