はじめに
- 本記事では、NetAppのストレージやクラウドサービスを一元管理することができるコントロールプレーンであるNetApp BlueXPを使って、Azure上にCloud Volumes ONTAPをデプロイする手順をご紹介します。
- こちらの記事は後編の「CVOのデプロイ編」です。前編の「BlueXPのセットアップ編」はこちら。
キーワード
NeApp BlueXP
- NetApp BlueXP(以下、BlueXP)はオンプレミスのNetAppのストレージとパブリッククラウド(AWS、Azure、Google Cloud)にまたがるNetAppのストレージサービスを一元管理したり、NetAppが提供する様々なデータ管理サービスを利用することができるSaaS型のコントロールプレーンです。
- BlueXP自体は無償で利用することができ、付随する機能(サービス)によってそれぞれの機能(サービス)に対するコストが発生するという仕組みです。
- BlueXPでストレージを管理するには、BlueXP Connectorという管理用のコンポーネントが必要となってきます。これはVM上で稼働します。
- 今回のお目当てであるCloud Volumes ONTAPはBlueXPからデプロイ・管理する必要があるので、前回の記事でセットアップしました。
Cloud Volumes ONTAP
- Cloud Volumes ONTAP(以下、CVO)は、NetAppのストレージに搭載されているストレージ専用OSであるONTAPをパブリッククラウド(AWS、Azure、Google Cloud)のIaaS上にデプロイすることができるサービスです。
- これにより、ONTAPが持つSnapshotや重複排除・圧縮、シンプロビジョニング、階層化などのストレージ管理機能を使って、パブリッククラウド上のストレージ管理を一元化したり、コストを削減したりといったことが可能になります。
- 今回はAzure上にデプロイしていきますが、AWSやGoogle CloudへのCVOのデプロイも含めて、BlueXP/CVOに関するQiita記事を本記事の最後にまとめています。興味があればご覧ください。
構成イメージ
やってみた
前提
- 前回の記事の内容が全て完了している前提です。
2023年2月中旬に実施した際の手順です。今後手順等が変わったらすみません。
CVOのデプロイ
サブスクリプション設定
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「Choose a Location」画面で「Microsoft Azure」、「Cloud Volumes ONTAP - Single Node」を選択して、「Next」をクリックします。
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「Edit Credentials & Add Subscription」画面でサブスクリプションが関連付いていないというメッセージが出ているので、「Add Subscription」をクリックします。
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次のステップは、「Continue」をクリックしてAzure Portalでサブスクリプションを作成すればいいとのことなので、「Continue」をクリックします。
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Azure Portalにログインすると、「NetApp BlueXP」のサブスクリプションの画面が表示されるので、「購読する」をクリックします。
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NetApp Cloud Centralの画面にリダイレクトされます。今回関連付けるのは「Defult」なので、そのまま「Save」をクリックします。
CVOのデプロイ
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「Choose a Location」画面で「Microsoft Azure」、「Cloud Volumes ONTAP - Single Node」を選択して、「Next」をクリックします。
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今度はサブスクリプションを選べるようになっているので、先ほど登録したサブスクリプションを選択して、「Apply」をクリックします。
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「Details and Credentials」画面で以下の情報を入力し、「Continue」をクリックします。
- Details
- Working Environment Name (Cluster Name): 任意の名前
- Credentials
- User Name: admin
- Password: 任意のパスワード
- Confirm Password: 任意のパスワード
- Details
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「Location」画面で以下の情報を入力し、「Continue」をクリックします。
- Azure Region: VNetを作成したAzureのリージョン
- Availability Zone: 1(なんでもよい)
- VNet: 前回の記事の事前準備で作成したVNET
- Subnet: 前回の記事の事前準備で作成したサブネット
- I have verified network connectivity between the
Cloud Manager server and the selected VNet.: チェック
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「Connectivity」画面で以下の情報を入力し、「Continue」をクリックします。
- Resource Group
- 「Create a New Group」を選択
- Resource Group Name: 任意のリソースグループ名
- Security Group
- 「Generated security group」を選択
- Allow traffic within: The selected VNet only (reccomended)
- Resource Group
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「Cloud Volumes ONTAP Charging Methods & NSS Account」画面で、今回は「Freemium (Up to 500 GiB)」を選択して「Continue」をクリックします。今回、サポートサイトのアカウント設定は割愛しました。
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「Preconfigured Packages」画面で、今回は「PoC and small workloads」を選択して「Continue」をクリックします。
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「Create Volume」画面で以下の情報を入力し、「Continue」をクリックします。
- Details & Protection
- Volume Name: 任意のボリューム名
- Size (GiB): 任意のサイズ
- Snapshot Policy: default
- Protocol: 今回はデフォルトのまま
- Details & Protection
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「Create Volume - Usage Profile Disk Type & Tiering Policy」画面で以下の情報を入力し、「Continue」をクリックします。
- 「Storage Efficiency」にチェック
- Tiering data to object storage
- Volume Tiering Policy: Auto
CVOの確認
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このCVOを選択すると、ここから色々なサービスを有効化できるようです。そして「Enter Working Environment」をクリックしてみます。
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ここでボリュームを追加したり拡張したりといった操作ができます。そして「Switch to Advanced View」をクリックしてみます。
まとめ
- BlueXPを使ってAzure上にCVOをデプロイしてみました。
- 今回はCVOをデプロイしただけですが、BlueXPはオンプレミスのNetAppのストレージとパブリッククラウドにまたがるNetAppのストレージサービスを一元管理することができるので、クラウドをまたいだレプリケーションなども今後機会があれば試してみたいと思います。
参考URL
- https://docs.netapp.com/ja-jp/cloud-manager-setup-admin/
- https://docs.netapp.com/ja-jp/cloud-manager-cloud-volumes-ontap/task-getting-started-azure.html
BlueXP/CVO関連のQiita記事
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- BlueXPのHealthってどんな機能?
- NetApp BlueXPからONTAP環境のセキュリティを強化する
- NetApp BlueXPを使ってAmazon FSx for NetApp ONTAPを構築してみた
- NetApp BlueXPを使ってAWS上にCloud Volume ONTAPを構築してみた
- NetApp BlueXPを使って、Cloud Volumes ONTAPのデータをAmazon S3にバックアップ・リストアしてみた。
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- BlueXPを使って、Google Cloud上にNetApp Cloud Volumes ONTAPを作成してみた
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