こんにちは。NetAppの榎本です。NetAppアドベントカレンダー22日目の記事になります。
本記事はネットアップ合同会社Advent Calendar 2022のBlueXPシリーズ第5号として、BlueXPのHealth機能について紹介したいと思います。
はじめに
BlueXPの項目の一つにHealth項目があります。
Health項目には二種類の機能があり、
一つ目がDigital Advisor(別名:ActiveIQ)
二つ目がRemediation
という機能になっています。
実際にこれらの機能は、何ができてどんなメリットがあるかなどを紹介していきたいと思います。
1:Digital Advisor
この記事では主にダッシュボードとクラウドに関する推奨事項について紹介したいと思います。
・ダッシュボード
まず初めにDigital Advisorのダッシュボード画面は以下のようになっています。
このダッシュボードでは重要な情報を分かりやすく表示しています。
大きく分類すると以下の3つになります。
・健全性
・インベントリ
・Upgrade Advisor
1)健全性
健全性のページでは、以下の5つのタブがあります。
・アクション
・固有のリスク
・確認済みのリスク
・影響を受けるシステム
・健全性の履歴
この項目は、既知のリスクを軽減するためのアクションを簡単に特定することができます。
またフィルタを使用して、最も重要な影響領域を確認することができます。
リスクの詳細は、リスク名、是正措置、影響を受けるシステムを拡大表示します。
2)インベントリ
インベントリでは、ストレージの概要を確認することができます。
ホスト名、クラスタ名、StorageGRID名、モデル、プラットフォームのサポート終了日、シリアル番号、OSバージョン、CloudManagerコネクタIDなど様々な情報を一覧で表示します。
フィルタ機能を利用して、ONTAP AFF, Cloud Volumes ONTAP, Cloud Backupなどを選択しフィルタリングが可能になっています。
インベントリでストレージ環境を簡単に把握し、状況を理解することによって体系的に管理することができます。
3)Upgrade Advisor
Upgrade AdvisorはONTAPのバージョンアップの際にどのような影響があるか、アップデートした際の新機能および機能変更を一覧で確認することができます。
リスクの概要からONTAPのバージョンアップを行った際の影響についての詳細を知ることができます。
影響度合い、カテゴリ、影響領域、リスク、リスクに対する対処方法が確認できます。
この機能を利用することで、バージョンアップによるリスクを軽減でき、事前に対処することが可能です。
クラウドに関する推奨事項
次にクラウドに関する推奨事項について紹介します。
クラウドに関する推奨事項の画面は以下のようになっており、それぞれ項目が
・移行
・階層化
・バックアップとアーカイブ
・ディザスタリカバリ
の4つの項目で構成されています。
この機能は、高度なアルゴリズムによりクラウドストレージを活用できるオンプレミスシステム、ワークロード、ボリュームを特定します。
移行:この項目に表示されたワークロードは、業界標準に基づいてクラウド対応可能と判断されたものをです。この情報をもとにして、ワークロードをクラウドへ移行しハイブリッド環境の構築を手助けします。
階層化:アクセス頻度の低いコールドデータを監視します。オンプレミスにデータアクセスが高頻度のデータを保持し、データアクセスが低頻度のものを低コストのオブジェクトストレージに移行することで、データ圧迫によるオンプレミスの性能低下を防ぐことができます。また、低コストのオブジェクトストレージに階層化することで、ストレージフットプリントとその関連費用を削減することができます。
バックアップとアーカイブ:NetApp Cloud Backupの効率的でセキュアなバックアップとリストア機能が、データの保護と長期的なアーカイブを実現します。
ディザスタリカバリ:クラウドとの間でデータをレプリケートすることで、DevOpsやクラウドベースのディザスタリカバリをサポートできます。
2:Remediation
このサービスは、リソースの作成、クラウドサービスの統合など、Cloud Managerで利用可能な複数のタイプのアクションを自動化し、同一の構成を保証しながら、プロビジョニングのスピードアップと手動作業の排除を実現し、アプリケーションのテンプレートを簡単に作成・管理・共有できるほか、スマートタグによるソート、検索、リソースの編集を容易に行うことができます。
今回は、Cloud Volumes ONTAPボリュームのテンプレートを作成してみたいと思います。
この例では、"CVO volume for databases "という名前のテンプレートを作成し、次の2つのアクションを含めます。
・Cloud Volumes ONTAPボリュームの作成
AWS環境用のボリュームを作成し、100GBのストレージで構成し、Snapshot Policyを "default "に設定し、Storage Efficiencyを有効にします。
・クラウドバックアップを有効にする
30個の日次バックアップ、13個の週次バックアップ、3個の月次バックアップを作成します(3 Months Retentionポリシーを使用します)。
テンプレート作成
Step1: Health > Remediationを選択し、Templatesタブをクリックし、Add Your First Templateをクリックします。
Select_a Template to Get Started ページが表示されます。
Step2: 作成するリソースの種類として、Cloud Volumes ONTAP + Backup用のVolumeを選択し、Get Startedをクリックします。
[Cloud Volumes ONTAP Action Definition] の [Create Volume] ページが表示されます。
Step3: Action Name: アクション名を入力します。
Step4: Context: 必要に応じて、Cloud Volumes ONTAP作業環境のコンテキストを入力します。
ユーザーが既存の作業環境からテンプレートを起動する場合、この情報は自動的に入力されます。
Step5: Details: ボリューム名とサイズを入力します。
Step6: Protection: このボリュームにSnapshotコピーを作成するかどうかを、「Default」またはその他のポリシーで選択するか、Snapshotコピーを作成しない場合は「None」を選択します。
Step7: Usage Profile: NetAppストレージ効率化機能をボリュームに適用するかどうかを選択します。これには、Thin Provisioning、Deduplication、Compressionが含まれます。この例では、ストレージ効率を有効にしておきます。
Step8: Disk Type: クラウドストレージプロバイダーとディスクの種類を選択します。ディスクの種類によっては、IOPSまたはスループット(MB/s)の最小値と最大値を選択することもでき、基本的に特定のサービス品質(QoS)を定義します。
Step9: Protocol Options: ボリュームのプロトコルを設定するには、[NFS]または[SMB]を選択します。そして、プロトコルの詳細を入力します。
Step10: Tiering: ボリュームに適用する階層化ポリシーを選択します。
Step11: このアクションに必要なパラメータを定義したら、[Apply]をクリックします。
テンプレートの値が正しく完了すると、「Create Volume in Cloud Volumes ONTAP」ボックスに緑のチェックマークが追加されます。
Step12: [Enable Cloud Backup on Volume]ボックスをクリックすると、[Enable Cloud Backup on Volume Action Definition]ダイアログが表示されるので、クラウドバックアップの詳細を入力します。
※3ヶ月間保持バックアップポリシーを選択すると、毎日30回、毎週13回、毎月3回のバックアップが作成されます。
Step13: [Working Environment]と[Volume Name]の下に、バックアップを有効にするボリュームを示すための3つの選択項目をそれぞれ選択します。
Step14: [Apply]をクリックすると、[Cloud Backup]ダイアログが保存されます。
Step15: テンプレート名CVO volume for databasesを入力し、テンプレートの保存をクリックします。
結果
テンプレートが作成され、新しいテンプレートが表示されるテンプレートダッシュボードに戻ります。
作成したテンプレートがテンプレートダッシュボードに反映されているので、右側の・・・からテンプレートを利用できます。
まとめ
本記事ではBlueXPが提供するHealth機能のDigital AdvisorとRemediationについて紹介いたしました。感覚的に分かるデザインになっており、複雑な操作は必要ないので簡単に利用できると思います。
参考記事
[NetApp公式ドキュメント]Digital Advisor documentation
https://docs.netapp.com/us-en/active-iq/index.html
[NetApp公式ドキュメント]AppTemplate documentation
https://docs.netapp.com/us-en/cloud-manager-app-template/index.html