背景と目的
地図の索引(index)を見ていると
偶然の出会いや思わぬ組み合わせによる気づきがある。
その偶然の仕組みを整理してみる。
同じことが辞書や辞典でもありうる。
1. 偶然の出会いの条件
1.1. 視野と方向
眼は、角度と距離で視覚をつくりだす。
視覚の有効視野角は中心から上下20度左右30度ぐらいの楕円の範囲となる。
有効視野とは、視覚情報としてとらえられる領域と見なしてよい。
眼と対象の距離が離れると楕円の面積は広くなる。
文字となっている言語は、左右に読むもの、上下に読むものがある。
漢字などの1文字の情報量が多い場合、文の把握に際して上下の移動で読むことが効率よい。
英語など1文字に意味はなく単語による情報となる場合、表記の面積が多くなり、
文の把握に際して横での単語表記をすることで効率が良くなる。
合成視野における黄色の楕円内に多くの情報を提示できる形式が都合がよい。
首や腰は、眼の位置を変える。
眼球もある程度(左右上下に45度)可動できる。
左右に眼球を動かすと、鼻で視野が制限されることがわかる。
正面に眼球があるときの有効視野の認識では鼻や目の輪郭の存在はほぼ無い。
(上下の眼の輪郭はややきになることがあるが。。)
1.2. 偶然とセレンティビティ(serendipity)
a 偶然とは
偶然(ぐうぜん、英語: contingency)とは、必然性の欠如を意味し、事前には予期しえないあるいは起こらないこともありえた出来事のことである。
"wikipedia:偶然"より
偶然は、必然性がなく、予期していない出来事である。
偶然の領域は思いのほか広い。
ほとんどのことは必然性がなく、予期もしていない。
"出会い"や"気づき"に発展するには、まだまだ要素が足りない。
b セレンティビティとは
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること[1]。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。
"wikipedia:セレンディピティ"より
セレンディピティは、偶然の後に起こった現象であり、"偶然+何か"に起こった発見と言える。
c セレンティビティが起こるとき
クリスチャン・ブッシュは「セレンディピティ 点をつなぐ力」にて、
セレンディピティが起こる条件を示した。
c01 好奇心を開く
c02 既存の前提を疑う
c03 偶然をつなぐ「点と点を結ぶ」習慣を持つ
c04 小さなズレや不一致を価値につなげる
偶然の領域の、"必然性がない"かつ"予期していない"ものごとに
出会ったときの状態によって、セレンティビティが起こるか起こらないかが分かれる。
過去の投稿で"差分の検出機構"にて、許容判定の図を示した。

追加で2点条件を足したいと思う。
c05 偶然の事象を許容もしくは保留できる状態であること
c06 個人もしくは社会の志向性レイヤーの判定を無効にできること(c02の補足条件)
2. 索引とセレンティビティ
2.1. 目次と索引
書籍には、目次と索引という2つの情報を見渡す手法が使われる。
目次と索引の意味を見ていく。
目次(もくじ、英: table of contents)は、書籍や論文などの比較的長い文書にある見出しをまとめて整理し、(書かれた順番に)書き並べたリストである。その文書の要約、索引の役割も果たす。
"wikipedia:目次"より
索引(さくいん)とは、百科事典・学術書などの書籍や雑誌・新聞]などの記事、統計、コンピュータのデータやインターネット上のWorld Wide Webにおいて、特定の項目を素早く参照できるよう、見出し語を特定の配列に並べ、その所在をまとめたもの。(中略)
コンピュータで用いられる際にはインデックス (index (pl. indice))と呼ばれることもある。
"wikipedia:索引"より
目次は、全体を見渡す順序性をもった目録である。
索引は、特定の言葉を抜き出し順序性をもった目録である。
目次を読む人には、全体を知ろうとする必然性がある。
索引を読む人には、ある言葉を見つけようとする必然性がある。
2.2. 索引における偶然
再度、"セレンディピティが起こる条件"を示す。
c01 好奇心を開く
c02 既存の前提を疑う
c03 偶然をつなぐ「点と点を結ぶ」習慣を持つ
c04 小さなズレや不一致を価値につなげる
c05 偶然の事象を許容もしくは保留できる状態であること
c06 個人もしくは社会の志向性レイヤーの判定を無効にできること(c02の補足条件)
目次より、索引の方が、偶然が多い。
索引は、有効視野の中に必然性の要素が少ないと言いかえてもよい。
各条件と索引を関連付けてみる。
c01 好奇心を発揮しやすくなる。(目的の近くにある関心がなかったものに注目がいってしまう)
c03 "点と点を結ぶ"のIF=かもしれないが起こりやすくなる。(〇〇 x △△ という組み合わせが視覚に入る)
c02,c05,c06は、バイアスの話となるため、バイアスを考える➁】個性の見つけ方を参照としたい。
c04は、【バイアスを考える④】差分の検出機構あたりが参考になるかもしれない。
2.3. 索引という偶然をつくる
僕の記事には、基本リンクを(極力)丁寧に示している。
それは、必然と偶然に期待している。
必然は、もうちょっと知りたいという好奇心への可能性であり、
偶然は、新しい点の可能性である。
偶然を"点"とできたとき、違う点と"つながる可能性"が生まれる。
索引には、"点"を生む力がある。
9. リンク
Qiita
【バイアスを考える➁】個性の見つけ方
【バイアスを考える④】差分の検出機構
URL
HONDA:中心視と周辺視野
wikipedia:有効視野
脳科学辞典:眼球運動
56doc blog:人間の視野とディスプレイの関係
wikipedia:偶然
wikipedia:セレンディピティ
TopPoint:セレンディピティ 点をつなぐ力
wikipedia:目次
wikipedia:索引
wikipedia:目録
論文
那倉 達哉, 入倉 隆(2005).疲労と有効視野の関係.照明学会誌,89巻 (2005) 11 号.
深澤 伸一, 下村 義弘(2017).周辺視野への視覚的な動きと音による情報提示が気づきやすさと作業集中性に及ぼす影響.人間と生活環境/24 巻 (2017) 1 号.
板谷 和彦(2018).試行錯誤における偶然とセレンディピティ
書評「臨床知と徴候知」
研究課題:「予見(prevision)」をコア概念とした統合的思想史の構築
書籍
本書編集委員(2007).眼・色・光 より優れた色再現を求めて.(公社)日本印刷技術協会.
クリスチャン・ブッシュ, 土方 奈美(訳) (2022).セレンディピティ 点をつなぐ力.東洋経済新報社.
変更履歴
2025/10/04 新規作成
2025/10/05 2.追記


