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【地図を考える④】地図を読む

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Last updated at Posted at 2025-09-30

link - >> >> >> ④ >>

背景と目的

地図は書く回数より読まれる回数の方が多いものである。
地図の読み方を可能性の観点で探ってみる。

1. 地図を読む力

1.1. 地図を読むには

a 地図の利用まで

日常的に地図を使うときの流れは4ステップある。

step00 目的や知りたい"地"がある
step01 読図(map reading)
step02 記号と他の記号との空間的関係の理解
step03 目的や知りたいことへ接続する

b 地図を理解するための条件

01 記号の理解
02 視点を変換する能力
03 縮尺の理解

c 地図を理解するための能力

c1 記号を区別するための識別する力
 地図で使われる記号を脳内で呼び出しやすいようにする。
c2 記号間の距離や位置関係を認識する力
 記号と記号の関係性がわかること、記号と境界線の関係性がわかること。
c3 図の中で移動する力
 地図の中で記号は、ある領域や状態を示す。
 その図の中で、移動したときにどうなるかをイメージすることで理解できる。

1.2. 地図リテラシー

若林芳樹は、空間的思考と空間的リテラシーを整理した。

下記図は、整理した図になる。
qiita_map_13.png

「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がある。
男女で生物的に生き残ってきた傾向から脳の特徴を示している。
男は狩りや交易のために地図が読める傾向が高く、
女は集落で会話により交流をすることで成り立ってきたと。

"思考タイプと仕事・学習における能力形成"で職業別の能力の傾向を示した。
能力の切り口は3つ(空間認知能力、イメージ能力、言語能力)。
建築関係の人が最も空間認知能力が高い職業であるようだ。

使う頻度が高いものごとに関わる能力は成長する。

2. 地図を書き足す力

2.1. KJ法

文化人類学者の川喜田二郎(かわきた じろう)は、
カードに記載した情報を整理する方法を確立した。

ステップ 内容の概要 キーワード例
1. 情報収集 テーマに関連する情報をカードに書き出す 観察、記述、単文、付箋
2. グルーピング 意味の近いカードをまとめて分類する 関連性、分類、ラベル付け
3. 図解化 グループ間の関係性を図で表現する 構造化、関係性、可視化
4. 表現 図解をもとに文章化し、全体の意味を伝える 要約、報告、共有、発表

グルーピングで分けた大きな塊は、地図のランドマークとなるだろう。

2.2. マンダラート

大谷翔平選手の「マンダラート」が一時期話題になった。
高校1年に書いた9x9のマスに書かれた内容がほとんど実現されているのでは、と。

マンダラートの手順は、3ステップ。

  1. まず中央に叶えたい目標を書く
  2. そのために必要な手段を8つ、周囲のマスに書き出す
  3. そのための手段をさらに具体化し、残りのマスに書き出す
    " STUDY HACKER:大谷翔平選手の「マンダラート」を分析したら、仕事に活かせる “3つの教え” が見えてきた。"より

中央から広がる形の形成方法となる。
特徴的な点は空白が多いため、埋めようという意識が働く点だろう。

2.3. Zettelkasten(ツェッテルカステン)

社会学者のニクラス・ルーマンが"Zettelkasten(ツェッテルカステン)"を開発した。

紙のカード、又はそれに類似する電子的なメモに保存されている小さな情報群で構成されており、見出しや数字、タグなど、その他のメタデータを通じて相互にリンクされている構造を取る。
"wikipedia:ツェッテルカステン"より

カード間は、数字やタグで"つながる"。
KJ法の"つながり"を最も簡素化したものになる。wikipediaのリンクと同じ思想である。

紙の地図には、先頭か最後に索引がつくことが多い。
その機能を図中におくことで、目線の移動がシームレスに行える。

2.4. Evergreen notes

研究者のAndy Matuschakによって考案されたノートの原則。
時間が経っても常に枯れず活き活きとした状態を"常緑"としている。

Evergreen Notes の基本原則(5つ)

Andyʼs working notes:Evergreen notesより

英語原則文 日本語訳(意訳)
Evergreen notes should be atomic ノートは「原子的(アトミック)」であるべき
(1つの概念に絞る)
Evergreen notes should be concept-oriented ノートは「概念中心」であるべき
(抽象的なアイデアに焦点を当てる)
Evergreen notes should be densely linked ノートは「密にリンクされている」べき
(関連ノートと相互接続する)
Prefer associative ontologies to hierarchical taxonomies 階層的分類より「連想的オントロジー」を優先すべき
(柔軟な構造を重視)
Write notes for yourself by default, disregarding audience ノートは「自分のために書く」のが基本
(読者を意識しすぎない)

ツェッテルカステンを継続的に実践を可能にするためのルールといえる。

3. 地図を自動でつくる

最近、Notion, Obisidian, CosenseなどとAIの組み合わせを見かける。

ツールは、あくまで補助である。
自身が動き、"地"を一つ一つ観察し、感じ、紙片に記す。
その紙片を組み合わせ、つなぎ、"関わり"や"つながり"や"連想"から発想が生まれる。

その"つなぐ"作業量を極力短くするために、上記のツールが活用できそうだ。

9. リンク

URL

note:書きはじめる前に「地図」を描こう
宗教の分布と信者の人数が一目で分かる地図
world economic forum:These are all the world's major religions in one map
wired:「地図が読めない人」の脳はどうなっているのか
10plus:空間論的思考の現在──篠原雅武『空間のために』から
wikipedia:KJ法
wikipedia:マンダラート
STUDY HACKER:大谷翔平選手の「マンダラート」を分析したら、仕事に活かせる “3つの教え” が見えてきた。
wikipedia:ツェッテルカステン
Andyʼs working notes:Evergreen notes

論文

若林芳樹,石川 徹(2010).地理情報科学と空間的思考.
NRC (National Research Council)(2006).Learning to Think Spatially. The National Academies Press.
西村 和雄, 八木 匡(2024).思考タイプと仕事・学習における能力形成.独立行政法人経済産業研究所

書籍

アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ, 藤井 留美 (訳)(2002).文庫版 話を聞かない男、地図が読めない女.主婦の友社.
ズンク・アーレンス, 二木 夢子(訳)(2021).TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる.日経BP.

変更履歴

2025/10/01 新規作成
2025/10/01 2./3.追加

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