2024年も押し迫ってまいりました。
今年の PowerVS IBM i 関連の機能拡張を 振り返りたいと思います。
順不同です。この順に機能拡張がされたわけではありません。
Power Edge Router (PER) が日本でも利用可能
『PowerVSのDAL10でPower Edge Router(PER)が利用可能になったので試してみる』で紹介されている機能です。
PER により、IBM Cloud の各種サービスや、オンプレ、Classic、VPN の各環境と PowerVS を非常に柔軟に接続できるようになりました。
2024 年には PER が TOK04・OSA21 でも利用可能になりました。
PowerVS ご利用の大きな懸案であったネットワーク設計から解放されました。
Flexible IOPS
『(57): 新しいストレージ・ティア -「Tire 0」と「Fixed IOPS」』 でご紹介した件です。
それまで Tier 1 / Tier 3 という2種類の IOPS の違うストレージ・ティアが用意されてきました。また、一度ストレージを構成してしまうと、後から Tire を変更することはできませんでした。
Flexible IOPS の導入で、より早い Tier 0 と Fixed IOPS が導入されました。さらに 4 つの IOPS の間を稼働中に無停止で自由に変更できるようになりました。
Cloud Monitoring による Platform Metrics 収集
『(58): IBM Cloud Monitoring で PowerVS のプラットフォーム・メトリックスをエージェントレスでモニター』でご紹介した件です。
PowerVS のプラットフォーム・メトリックスを IBM Cloud Monitoringで収集できるようになりました。ハイパーバイザーのレイヤーから情報取得するので、エージェントレスで、CPU・メモリ・I/Oの利用状況を取得・監視できます。
Consumer ID により利用内訳の判別が容易に
『PowerVSのUsage情報にConsumer IDが入り、内訳を判別しやすくなりました』で紹介されている機能です。
それまではワークスペース単位の合計の利用量が表示されていましたが、Consumer IDというリソース毎に一意の文字列が入るようになり、利用内訳を判別しやすくなりました。
Power10(S1022)が利用可能
TOK04・OSA21 の両方で Power10(S1022)が利用可能になっています。
TOK04に2台目の PowerVS E980 が設置
東京で E980 の筐体レベルでの冗長構成が可能になりました。
PowerVS Dedicated
通常の PowerVS は IBM Cloud DC にある POWER ホストをマルチテナントでご利用いただきます。
PowerVS Dedicated は、IBM Cloud DC にある POWER ホストを占有・シングルテナントでご利用いただくことができます。
すでに TOK04 で PowerVS Dedicated の提供が始まっています。
PowerVS Private
PowerVS Dedicated は IBM Cloud DC にある POWER ホストをシングルテナントで利用する方法ですが、PowerVS Private はお客様のオンプレ DC に POWER ホストを設置してご利用いただく形態です。
通常のオンプレ POWER と違うのは、あくまでも PowerVS として稼働させるという点です。
構成の自動化など PowerVS の柔軟性は欲しいが、機密データの Cloud 保管には不安がある場合や、レイテンシーが非常に重要である場合にご利用いただきたい利用形態です。
仮想シリアル番号(VSN)
『(61): 2024/12 発表の IBM i 関連新機能』でご紹介しました。
シリアル番号を仮想化し、他のホストに移動する時や、VMを削除後の新規作成で同じシリアル番号を使う事が出来ます。
シリアル番号でライセンス管理を行うサードベンダー S/W を使う場合でも、ほとんどの場合で PowerVS をホストにピン留めする必要がなくなったはずです。その結果、筐体障害時にも柔軟に対応できるようになりました。
このように、2024 年も非常に多くの機能拡張が PowerVS に行われました。
IBM の PowerVS への本気度を感じていただければと思います。
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