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#技術書典 7 をふりかえる(イベント編)

Last updated at Posted at 2019-09-30

技術書典7とは

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技術書典7 とは、2019/09/22(日)に開催された、日本最大の「技術書」オンリーの即売会です。
池袋サンシャインシティ2F, 3Fでの開催となり、なんとサークルは600超。
いろいろなジャンルの技術書が集まり、1日で1万人近くの動員数を記録するイベントです。

書いている人について

様々な組織・現場でチームビルディングやふりかえりを広めています。
IT現場だけでなく、様々な業界に対して、ふりかえりを広める活動をしています。
著作として「ふりかえり読本シリーズ」があります。

技術書典7では、新刊「ふりかえり読本 実践編」を頒布いたしました。
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この記事について

この記事は、技術書典7で本を出した人間による、ふりかえり記事です。
今後の自分のためという点が一番大きいですが、これから本を出そうとしてみたいという人にも、何か残せれば幸いです。

これまで、技術書典関連の記事は以下を書いています。

ふりかえりの手法は「フラクタル」+「YWT」の形式でふりかえります。
(ふりかえり手法に興味のある方はリンク先にて確認してください。手法を知らなくても読めるようになっています。)

また、この記事は「イベント編」です。
技術書典の前日と当日にまつわる色々を書いていきます。

ふりかえりの構成

技術書典7に関する活動を時系列順に並べ、その活動ごとにYWT(やったこと、わかったこと、つぎやること)を付箋で貼っていきます。また、最後に、技術書典7全体をFun/Done/Learnによってふりかえりを行います。
以下のようなイベントがありました。

太字の部分をこの記事でふりかえりしていきます。

  • 「ふりかえり読本」執筆について
  • 「ふりかえりチートシート」執筆について
  • 「ワンストップ目標設定」寄稿について
  • 「VUIデザインガイドブック」校閲&レビューについて
  • 「チームが知るべき37のこと」校閲&レビューについて
  • 技術書典マイページでの宣伝
  • Twitterでの宣伝
  • 推し祭りDの陣での宣伝
  • その他の宣伝
  • 道具の準備
  • 09/21 XP祭り2019
  • 09/22 技術書典7
  • 09/22 非公式アフター

イベントのふりかえり

イベント別にふりかえりを行います。

道具の準備

サークルの3人で最終準備&運営の確認です。
ここでは、使った道具も書いておきます。

道具の準備

【やったこと】

  • ダイソーでの購入
    • カウンター×6
    • POPスタンド×6
    • 見本用のシール
    • ブックカバー

【わかったこと】

  • カウンターよかった
    • 1つでもよかったかも
  • POPスタンドよかった
    • 新刊と分かるような見せ方が必要
  • ブックカバーは不要。
    • どんどん汚くなり、手に取るのが躊躇われてしまう
    • 本に直接「見本」とシールを付けておいてもいいかも

【つぎやること】

  • カウンター持っていく
  • POPスタンド持っていく
    • 新刊が分かるように事前に印刷も
  • 魅せる工夫
    • 机の前面に何を配布しているのかが分かるようにする

09/21 XP祭り2019

XP祭りとは

技術書典の前日である09/21(土)はXP祭り2019というイベントに参加・登壇してきました。

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XP祭りは、「XP(エクストリームプログラミング)」が土台となったカンファレンスですが、XPから派生したものなら何でもあり、みたいな感じになっており、ごった煮感が凄い(それがいい)イベントです。

XP祭りは何をしていたかというと

こんな感じでワークショップ×2を受け持っていました。

受け持ったのは以下の2セッション。

どちらもワークショップで、最初のワークショップは新刊「ふりかえり読本 実践編」からネタを抽出したものです。

スライドはこちらからどうぞ。
image.png

一番辛かったこと

何が一番つらかったかって、移動です。
264ページの鈍器を50冊と、ワークショップ道具を持って移動するのは地獄でした。
image.png

特に九段下駅の乗り換えでエスカレーター、エレベーターなしは本当に死ぬレベルです。
階段3往復する羽目になるとは…

イベントの楽しみ方

会場ついてからは、永和システムマネジメント(ESM)さんが物販ブース作っていたので、勝手に混じったりフラゲしたりと楽しんでました。

ふりかえりの心の師匠、天野さん(@amapyon )に献本してサインを貰ったり、
(新刊では、『KPT関連を広く』引用させていただいています)

いつもお世話になっているカイゼンジャーニーの著者、新井さんと一緒に写真を撮ったり。
(新刊では、『むきなおり』を引用させていただいています)

いつも励ましてくれる川口さんにお渡ししたり、
(新刊では、『ポジティブふりかえりマッピング』を引用させていただいています)

そして、「アジャイルチームを支える会」でいつもお世話になっている及部さんにお渡ししたり、
(新刊では、『斜に構える、構えないを切り替えるふりかえり』を引用させていただいています)

とお世話になっている(今作のふりかえり読本の元ネタを提供していただいている方々)に10冊位献本して、宣伝に手伝ってもらってました。本当にありがとうございます。

「旅するアジャイル本棚」の岩切さんにお声がけいただき、ふりかえり読本シリーズを寄贈させていただいたりしました。こちらは、色んなアジャイルな現場を旅していく本棚なので、とても嬉しかったなぁ。ちなみに、技術書典6で人気だった「自己肯定本」や、「モチベ本」も本棚に入っています。

そして、1日で50冊がまさかの完売。楽しくやらせていただきました。

やはり、イベントはよい。
ご購入いただいた皆様、感謝です。

いつもお世話になっている人への感謝を伝えつつ、宣伝にも手伝ってもらい、感謝です。
今年も本当に楽しいXP祭りでした。

そんな感じで、前日はMPを補給しつつ、終電ギリギリまで飲んで、HPを極限まで減らした状態で技術書典に臨むことに。
これが非常にマズかった(後述)

09/22 技術書典7

夜も更けて…

そして、イベント当日。
結局寝たのは01:00ごろだったのですが、それまではずっと宣伝していました。

宣伝をしつつ酔いを醒ます、そんな感じです。

イベントに向かう

朝05:00に目が覚めます。
この時点で睡眠不足です。
前日にワークショップを2本やっており疲労もなかなかのもの
ただ、イベントに向けてアドレナリンが出て高ぶっております。

家で最終準備です。
見本シールを貼りました。
この見本シール、自作ですがわかりやすくてよかったです。次回も継続します。

会場に向かいながら、宣伝ツイート。
08:12時点の被チェックは233でした。

宣伝は手を変え品を変え。
Auth屋さんリスペクトの宣伝をしたり。

皆に刺さるような宣伝を仕掛けてみたり。

そんなこんなで、サンシャインにつきます。09:00にみんなで集合しました。

事前準備~入場まで

スタバに集合し、最終準備です。

【やったこと】

  • 道具の最終準備
    • お品書き
    • POPスタンド
  • ご飯を食べつつ運用プロセスの確認
    • どの本が売れたのをカウントするか
    • 金銭のやりとりをどうするか
    • 本の品出しや声出し、宣伝の戦略
  • 9:40に会場到着
  • 11:10にサークル入り

【わかったこと】

  • サンシャインのトイレはなかなか空かない
  • 運用プロセスの事前確認大事
  • お品書きは大成功。お品書きに簡単後払いのQRコードを載せたら便利だった

【つぎやること】

  • 運用の打ち合わせは当日でもOK(メンバーが変わらなければ)
  • サークル待機列を見越して早めに行く

そして、搬入

11:05に会場入りします。
そこで目にしたものは

段ボールの山。20箱。

周りを見渡しても、この段ボールの数を積んでいるところが見当たらない。
おかしい。発注数を見誤ったか。
あと、印刷をpopls様にお願いしているのですが、poplsだとサークルスペースの手前に本を持っていかないといけない。多分、3Fだと死んでいたと思います

やばいぞ、とテンパり出したところに師匠 (@DiscoveryCoach )の「焦るな」の一声。
そこでハッとなり、焦っていた自分を俯瞰し、すぐに正気に戻ることが出来たのは、ファシリテーターとしての成長を感じました。自己俯瞰スキルが凄く上がっているように思います。

今回、やってよかったのは、配送票にちょっとした工夫を入れること。
今回6種類の本があって、前回どの段ボールにどの本が入っているのかが分からなくなった経験から、
配送票の左下に、識別子を埋め込みました。
本の特徴を表す文字を小さく入れておくのです。

  • ふりかえり読本 実践編=「赤」
  • ふりかえり読本 学び編=「青」
  • ふりかえり読本 場づくり編=「緑」
  • チームが知るべき37のこと=「team」
  • ガオ流ワークブック vol.1=「vol.1」
  • ガオ流ワークブック vol.2=「vol.2」

こんな具合です。
そして、配送票を前面(売り子側から見える位置)にそろえることで、欲しい本をすぐにとれるようにしました。これが、かなり功を奏しました。

ここで本当に助かったのが、となりのサークルのうめりんさん。
和やかな挨拶をしつつ準備をしたり、1人参加だったので「トイレとか行くときは店番しますので、いつでも言ってくださいね」と言ったり、和やかにやらせていただきました。
うめりんさんのツイートを見るとわかりますが、はみ出てます。

ご厚意によりはみ出させていただきました。本当に感謝しかない…ありがとうございます。

そして、開場!

売るのも楽しみながら進めていきます。
全部で8,500円。商品数も増えてきましたね。
(全部買って行ってくれた人が5人くらいいるんですよね…嬉しすぎます。)

開始早々嬉しかったのが、12冊まとめ買いしていただいた方がいること。

場づくり編、学び編、実践編をそれぞれ3冊ずつ、といったように買っていただけました。
これまでの本を職場で活用していただいており、価値を感じていただき、職場全体へとふりかえりを広めようとしてくれているからこその購入。
著者冥利に尽きる、と言っても過言ではありません。
(このとき記念写真撮らせていただければよかった・・・・!)

また、「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」の著者、西村さんが来場してご購入いただいたりもして、
びっくりなことが多かった1日でした。

売り子の最中はアドレナリン全開で、飲み物もほとんど飲まず、食事も食べず、売り続けました。
本当にこれがマズかった(後述)
3人体制だったので食事をとってもよかったのですが、皆テンションマックスでご飯食べようとしないんですよね。ここはすごく反省しています。

あとは、感謝したいのは色んな人が差し入れをくれたこと。
ドーナツ、とてもおいしかったです。
水も超嬉しかった…!(飲めなかったけど気持ちだけで)

売り上げと分析

終わってみて、結果は以下のとおりです。

最終チェック数:240

属性 タイトル 値段 発注部数 配布数
新刊 ふりかえり読本 実践編(冊子&DLカード) 2,500円 400部 143部
既刊 ふりかえり読本 学び編(冊子&DLカード) 2,000円 150部 76部
既刊 ふりかえり読本 場作り編(冊子&DLカード) 1,000円 150部 53部
新刊 チームが知るべき37のこと(冊子) 1,000円 200部 85部
新刊 かきこみ式のガオ流ワークブック vol.2(冊子) 1,000円 200部 31部
既刊 かきこみ式のガオ流ワークブック vol.1(冊子) 1,000円 20部 5部
1120部 392部

私の書籍だけでいくと、売り上げは517,450円。
経費は実践編255,752円 + 学び編97,914円 + 場作り編51,364円 + A1ポスター2,700円 + DLカード13,824円 + チートシート35,424円 + 道具準備2160円 = 459,138円。
利益は517,450-459,138=58,312円。
oh...辛(から)い...
デザイナさんへの支払いや雑費もろもろもあるので、ギリギリトントンです。ちょっと想定外。
(記事書いていて今気づいた)

今後のboothの売り上げや書籍の販売は純利益に変換されるので、どこまで盛り返せるか、といったところですね。

チェック数と頒布数の係数は392/240=1.63でした。

そのほかに、おまけとして作ったふりかえりチートシートが195部配布されました。
ふりかえりチートシートはふりかえり読本シリーズをどれか買っていただいた人に1部差し上げていたので、195名の方がふりかえり読本シリーズを何かしら手に取っていただけたことになります。
また、「ふりかえり読本シリーズ」「チームが知るべき37のこと」「ガオ流ワークブックシリーズ」はそれぞれ購入者層があまり被っていないのもあり、実際に本サークルで購入いただいた人は300人程度だと思われます。

サークルチェック数が240だったことから、サークルチェック数以上の方は来てくれた計算です。
購入に至らなかった離脱率は体感5割程度。実際のところ、600人程度がサークルに足を運んでいただいた計算です。

次回はこのサークルに来ていただいた人数をカウントしても面白いかもしれません。

なお、前回の技術書典6はサークルチェック数278で頒布数547部(係数1.97)なのを考えると、前回に比べ今回(1.63)は減っていることがわかります。これは2Fへの来場者数もあるとは思いますが、恐らく、一番の原因は「値段が高すぎること」。宣伝がうまくいっていなかった部分もありそうです。

ここは、うまく次回に繋げたいところです。

最初に手を取ってもらえるのは、青色の学び編(既刊)か37のこと(新刊)だったのもあり、新刊アピールが足りなかった可能性もあります。
**その本がどんな本なのかを表すPOPが必要ですね。**次回導入してみます。

そして、撤収

撤収はギリギリまで(17:50くらいまで)かかりました。
ゴミの処理と、boothへの発送が時間がかかった原因です。

9箱発送するのは心が折れそうになりました。

【やったこと】

  • 売り上げの配分
  • 段ボールの廃棄
  • 燃えるごみの廃棄
  • boothへの倉庫配送

【わかったこと】

  • ゴミ袋大事
  • 段ボールがいっぱいあると辛い
  • boothへの発送はしなくていいかな…
    • 入庫までに時間がかかりすぎる

【つぎやること】

  • ゴミ袋は3袋以上持っていく

09/22 非公式アフター

そして、非公式アフター。
ボロボロになりつつ向かいます。

本当に死にそうな目をしてました。
連日の疲労と、寝不足、栄養不足。
そして、上記の状態で撤収後に飲んだMONSTER ENERGYが大ダメージを与えています。
なんとか元気を振り絞ろうとしたのですが、過労状態でエナジードリンクは危険です。
イベント後、(大して酔ってないのに)電車の中やタクシーを並んでて立てなくなっていました。
皆さんもお気を付けください。

こんな状態でもふりかえりしてるのはもはや習性。

イベントでは飛び込みLTをしました。
2つ伝えたいことがあって、1つ目はFORTEさんの「全サークル紹介の取り組み」。これは本当にすごい。この取り組みの凄さと、やるメリットについてお話しました。
私も技術書典7のサークルまとめをやったからこそわかるのですが、全サークル簡単にでも目を通しておくと、自分が欲しい本のサークルが、サークルスペースに目配せしただけでわかるようになります。売り子の合間に2F, 3Fを15分程度でざっと行き来して買い物をしてきたのですが、欲しいものはあらかた買えました。
人も少なくなってきた16:30ごろだったので、早歩きでざっと目を向けながら、欲しい本のところを買って、すぐに帰る。そんなことができていました。
主目的が自分のためのまとめだったとは言え、まとめたり読み上げたりして初めて得られる恩恵かもしれません。

そして、2点目が、値段付けについて。
今回、2,500円という技術書典の中ではかなり高い部類の値付けをしています。
(といってもページ数相当ではあります)

ただし、『LINE API HANDBOOK 368ページ / 1500円』や、『わかりみSQL 500ページ / 2000円」と比べられてしまうと値段がどうしても高く見えます。自分の知識をフル動員して、商業誌に負けないクオリティのものを作ったと信じているからこその1ページ10円換算の値付けでしたが、値段を見て購入を諦めた人もかなりの数がいそうです。
技術書典6では2,000円で236部の売り上げがありましたが、今回はその半数近くまで売り上げが落ちていることから、2,500円は技術書(特に同人誌)としてはチャレンジングな値付けだということが分かりました。

2,500円は恐らく、かなり売りにくくなる。そんなことをLTで伝えました。

といっても、価値を感じて買っていただいている人がXP祭り含めて200名、技術書典後の購入を含めると250名近い方に手を取ってもらっていることを勘案すると、全力を注ぎこんでよかった、とも思えます。
値付けは本当に悩ましい部分だと思います。

最後のほうは、上記の人たちと色々な情報交換。(カウブランドではなくカウプランさんが正しいです) 私が混ざっていいのかちょっと恐縮を感じつつ、技術書に関する意見交換ができたのはとても有意義な時間でした。この場で得られた知識や活力は次回の技術書典に活かしていきたいと思います。

おわりに

ぶっ倒れそうになりながらもつぶやいた一言。

学びしかないイベントでした。
次回、総まとめ編へ続きます。(気力があれば)

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