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本記事はEngineering Manager Advent Calendar 2024の7日目です。

はじめに

もう数ヶ月経つと、自身の組織マネジメント経験も約10年を迎えるので、老害化しないために知識・先入観(バイアス)・習慣・振る舞いをアップデートしようと、内省することを思い立ちました。

自己紹介

わたしは、合同会社DMM.com二次元事業のエンジニアリングマネジメントに携わっています。
今年でIT業界歴21年、組織マネジメントは合計して9年ほどになり、ここ1年間は統括部長として担当事業の開発職全体(エンジニア、デザイナー、ディレクター)をマネジメントしつつ、新規事業組織の採用協力やグループ会社の評価制度サポートなどもしていました。

脱学習と学習のあいだ

unlearn_and_learn.png

捨てるものを決めるためには、捨ててはいけないものを明らかにする必要があります。

私にとってこの領域は、楽しい・好きだと感じる活動と再認識し、マネジメントの中でも特に「自身が携わった際に何らかの付加価値を生むこと」と「育てること」でした。

アンラーン

上述した残したい部分と矛盾するようですが、自身が携わった際には何らかの付加価値を必ず生むことを意識しつつも、自身が関与しなくても組織全体として成果をだせたり、むしろ全く"関与しない"方が逆に成果が上がる可能性もあることに気づけたのは、主な脱学習できたことの1つです。

この気づきは、今年の9月〜12月に会社でEVeM社の研修を受講できた影響も大きかったと思います。

ただし"関与しない"ことは、放任・丸投げや無関心とは異なるため、結果責任や説明責任を果たすために多くの事実を収集・記録し良く見て、俯瞰的に眺め考えて、適時適切にフィードバックすることを意識しなくてはいけません。マネ型の関与方針の考え方が参考になりました。

また、「育てること」にも関わってくる観点として、メンバが遂行している案件において失敗しそうな兆候が見られた際のフォロー・バックアップ・リカバリーをどうするかは難しい問題です。
対処が早すぎると本人の経験・学びにならないですし、自身が適切だ(これ以上遅れるとダメージが大きい)と思って対処したとしても「結局最後は上司が割って入ってきてしまう」と携わったメンバが捉えオーナーシップを下げてしまうと中長期的には良くないからです。

熟達論 より引用
だから、人が主体的に行動するようになるには、やれば変わったという原体験が必要となる。「やれば変わる」と信じられる成功体験を得ることで、主体性を持つきっかけになる。

近年は常日頃、自身に言い続けていることではありますが「転ばぬ先の杖をやりすぎない」ために、失敗したとしても組織や本人が余裕をもって耐えられる影響の大きさにする工夫をやり続けたいと考えています。
この失敗を許容できる数や範囲が比較的大きいのは、自社サービスや非上場ならではだと日々感謝しています。

ただし同じ失敗を繰り返していれば直ぐに指摘し、行動を起こさないメンバに対しては先導するために割って入ることは厭わないです。

熟達論 より引用
伸び悩みには自分の思考の癖に由来するものがある。例えば他者の意見を受け入れられず、同じ失敗を繰り返す場合は、技能ではなく他者の意見への捉え方を変えなければならない。だが、本人が、問題は自分の考え方ではなく、あくまで自分の外側にあると考えているならば同じ失敗が繰り返されることになる。

ラーン

今年の学びとしては「セキュリティ」と「べき乗則」が象徴的でした。

セキュリティ

ランサムウェアの脅威はいまに始まったことではありませんが、より危機感を強くもったのが今年です。

知識の更新・獲得のために、情報処理安全確保支援士の学習も進めました。
どうしてもEM役割を続けていると、ピープルマネジメントやプロジェクトマネジメントに寄りがちになってしまうのですが、しっかりテクニカルマネジメントの刃も研がないとマズイと身を引き締めてます。
近年は社外コミュニティからも色々と学ばせて頂いています。

カクテルパーティ効果やカラーバス効果のように、問題意識を持っている間は情報が飛び込んできやすくなるので、しっかり蓄積していこうと思っています。

べき乗則

べき乗則があてはまる事象は、「起きるメカニズムが分かったとしても、いつ起きるか正確に予測することはほぼ不可能」と知り驚きました。

今年は年始から大きな地震が起きていましたが、いつ起きるか予測できないからこそ、起きた時にどう行動するかの前準備や蓄えはBCP観点でも継続的に必要だと感じさせられます。

他方で物事の上達にも、べき乗則があてはまるとのことで、まさに継続は力だということと、時間が経てば経つほど上達を実感する度合いが緩やかになっていくのが世の理りということで、短期的な結果に一喜一憂することなく続けたいと思います。

おわりに

EM役割の内省の1例として参考になれば幸いです。

少しでも興味を持って頂けた方は、過去のアドベントカレンダー記事もご参考ください。

参考書籍

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