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Pythonで0からディシジョンツリーを作って理解する (1. 概要編)

Pythonで0からディシジョンツリーを作って理解する
1.概要編 - 2. Pythonプログラム基礎編 - 3. データ分析ライブラリPandas編 - 4.データ構造編 - 5.情報エントロピー編 - 6.ツリー生成編

AI(機械学習)やデータマイニングの学習のために、Pythonで0からディシジョンツリーを作成することによって理解していきます。

1.1 ディシジョンツリー(決定木)とは

1.1.1 ディシジョンツリーの例

例えば次のようなデータあるとします。天気、温度、湿度、風が次のようなときだったときに、ゴルフに行った日は〇、行かなかった日は×とします。このようなデータが14個あるとします。
データ例

このデータから、ゴルフに行くときはどんなとき?というものを以下のようにツリー構造のルールとして記述したものを、ディシジョンツリー、または決定木と呼びます。
ディシジョンツリー例

例えばこのディシジョンツリーは、Startのところから見ていくと、まず天気について調べ、晴であれば次はその中で湿度について調べ、高い場合はゴルフに行く、低い場合にはいかない。また最初に戻って天気が曇りのときは、他の条件は関係なく、ゴルフに行く、とみることができます。

1.1.2 この記事について

このようなディシジョンツリーをデータから自動で作るアルゴリズムが知られています。この記事では、その中からID3というアルゴリズムについて、pythonを用いて実装します。

この1.概要編の以降は、次のように構成されています。

目的 記事
Pythonプログラムの基礎を学ぶ 2. Pythonプログラム基礎編
データ分析ライブラリのPandasについて必要なところだけを学ぶ 3. データ分析ライブラリPandas編
ディシジョンツリーというツリーをどのようにデータとしてプログラム内に持つかを学ぶ 4.データ構造編
ディシジョンツリーを作るための基礎となるデータの複雑さを表す情報エントロピーについて理解する 5.情報エントロピー編
ツリー構造を生成するアルゴリズムを学ぶ 6.ツリー生成編

1.1.3 ディシジョンツリー生成の学問上の位置づけ

ディシジョンツリーの生成は、主にAIの一部である機械学習における、教師付き学習、分類学習に属します。この分類学習とは、正解データのある学習用データが与えられ、そこから、正解を導くモデルを自動的に作成するという手法の総称です。近年に流行している画像認識において好成績を収めているディープラーニング1も分類学習の一種です。ディープラーニングとディシジョンツリーの違いは、生成されるルールが人に理解できる形になっているか、否かです。答えは出すけどその理由が人間には分からない、といわれるディープラーニングと異なり、先のディシジョンツリーの例のようにルールが人にとって分かり易いということも、ディシジョンツリーの特徴です。
このルールが分かり易いという特徴を使って、単に答えをAIが出力すればよいという機械学習という分野だけでなく、データから知識を人間が発見するというデータマイニングという分野の一部としてもディシジョンツリーは見られています。

1.2 作成するアルゴリズム ID3について

ID32は、1986年にRoss Quinlanによって発明されたディシジョンツリー生成のアルゴリズムです。以下の特徴があります。

  1. カテゴリカルデータ(名義尺度)と呼ばれる、ゴルフに行く/行かないといったようなラベル化されたデータのみを扱います。数値データを取り扱うことは出来ません。
  2. 情報エントロピーという指標を用いて、クラス属性値(分類したい列)のバラツキが最も小さくなる属性(データの列のこと)を捜します。

1.2.1 数値データの扱いについて

ID3を発展させたC4.53というアルゴリズムの場合には、数値データの分類も可能となっていますが、基本的な考え方はID3と同じなのでID3をまずこの記事では取り上げます。。

1.3 開発環境

以下に示すプログラムは、次の環境で動作を確認しました。

  • jupyter notebooks (azure notebooksを使わせて頂きました)
  • Python 3.6
  • import library: math, pandas, functools(scikit-learn, tensorflowなどは使いません)

1.4 プログラム例

1.4.1 プログラムの全文

とりあえずプログラムをJupyter Notebookにコピペすると、動作します。

id3.py
import math
import pandas as pd
from functools import reduce

# データセット
d = {
    "天気":["晴","晴","曇","雨","雨","雨","曇","晴","晴","雨","晴","曇","曇","雨"],
    "温度":["暑","暑","暑","暖","涼","涼","涼","暖","涼","暖","暖","暖","暑","暖"],
    "湿度":["高","高","高","高","普通","普通","普通","高","普通","普通","普通","高","普通","高"],
    "風":["無","有","無","無","無","有","有","無","無","無","有","有","無","有"],
    # 最後の列が、目的変数、正解データともよばれる、他の列から導き出したいデータとなる。
    "ゴルフ":["×","×","○","○","○","×","○","×","○","○","○","○","○","×"],
}
df0 = pd.DataFrame(d)

# 値の配分を求めるラムダ式、引数はpandas.Series、戻り値は各値の個数が入った配列
# 入力sからvalue_counts()で各値の度数を取得し、辞書型のデータのループ items()を呼び出す。
# sortedは、実行毎に出力結果が変化しないように、度数の小さい順に並べ替えている。
# そして、要素がキー(k)と値(v)の文字列となった配列を生成する。
cstr = lambda s:[k+":"+str(v) for k,v in sorted(s.value_counts().items())]

# ディシジョンツリーのデータ構造
tree = {
    # name: このノード(幹)の名前
    "name":"decision tree "+df0.columns[-1]+" "+str(cstr(df0.iloc[:,-1])),
    # df: このノードに関連付けられるデータ
    "df":df0,
    # edges: このノードから出ているエッジ(枝)一覧、下にエッジの無い葉ノードの場合は空配列となる。
    "edges":[],
}

# ツリーの生成は、枝が伸びる可能性のある幹についてこのopenに保存しておく。
open = [tree]

# エントロピーを計算するラムダ式、引数はpandas.Series、戻り値はエントロピーの数値
entropy = lambda s:-reduce(lambda x,y:x+y,map(lambda x:(x/len(s))*math.log2(x/len(s)),s.value_counts()))

# openが空になるまで繰り返す。
while(len(open)!=0):
    # openの先頭を取り出し、そのノードが保持しているデータを取り出しておく。
    n = open.pop(0)
    df_n = n["df"]

    # このノードのエントロピーが0の場合、これ以上エッジを展開できないので、
    # このノードからの枝分かれはしない。
    if 0==entropy(df_n.iloc[:,-1]):
        continue
    # 分岐可能性の属性値一覧を保存する変数を作成しておく。
    attrs = {}
    # クラス属性の最後の列以外の属性をすべて調査する。
    for attr in df_n.columns[:-1]:
        # この属性で分岐する場合のエントロピーと、
        # 分岐後のデータと分岐する属性値を保存する変数を作成する。
        attrs[attr] = {"entropy":0,"dfs":[],"values":[]}
        # この属性の取りうる値をすべて調査する。またsortedは、属性値の重複除去された配列を、
        # 実行のたびに順番が入れ替わらないようにするためである。
        for value in sorted(set(df_n[attr])):
            # 属性値でデータをフィルタリングする。
            df_m = df_n.query(attr+"=='"+value+"'")
            # エントロピーを計算し、関連するデータ、値をそれぞれ保存しておく。
            attrs[attr]["entropy"] += entropy(df_m.iloc[:,-1])*df_m.shape[0]/df_n.shape[0]
            attrs[attr]["dfs"] += [df_m]
            attrs[attr]["values"] += [value]
            pass
        pass
    # クラス値を分離可能な属性が1つも無い場合は、このノードの調査を終了する。
    if len(attrs)==0:
        continue
    # エントロピーが最小になる属性を取得する。
    attr = min(attrs,key=lambda x:attrs[x]["entropy"])
    # 分岐する属性のそれぞれの値、分岐後のデータを、ツリーとopenにそれぞれ追加する。
    for d,v in zip(attrs[attr]["dfs"],attrs[attr]["values"]):
        m = {"name":attr+"="+v,"edges":[],"df":d.drop(columns=attr)}
        n["edges"].append(m)
        open.append(m)
    pass

# データセットを出力する。
print(df0,"\n-------------")
# ツリーを文字に変換するメソッド、引数は tree:ツリーのデータ構造、indent:子ノードにつくインデント、
# 戻り値は、treeの文字表現。このメソッドは、再帰的に呼ばれて、ツリーのすべてを文字に変換する。
def tstr(tree,indent=""):
    # このノードの文字表現を作成する。このノードが葉ノードの場合(edges配列の要素数が0)には、
    # treeに関連付けられたデータdfの最後の列の度数分布を文字化する。
    s = indent+tree["name"]+str(cstr(tree["df"].iloc[:,-1]) if len(tree["edges"])==0 else "")+"\n"
    # このノードからのエッジについて、すべてループする。
    for e in tree["edges"]:
        # 子ノードの文字表現を、このノードの文字表現に付け加える。
        # indentには、このノードのindentに、さらに文字を加える。
        s += tstr(e,indent+"  ")
        pass
    return s
# ツリーを文字表現して、出力する。
print(tstr(tree))

1.4.2 実行結果

実行するとディシジョンツリーを文字表記として出力します。

decision tree ゴルフ ['×:5', '○:9']
  天気=晴
    湿度=普通['○:2']
    湿度=高['×:3']
  天気=曇['○:4']
  天気=雨
    風=有['×:2']
    風=無['○:3']

1.4.3 学習したい属性(データの列のこと)の変更

データ d の最後の列がクラス属性(分類したい目的のデータ列)となります。

data.py
d = {
    "天気":["晴","晴","曇","雨","雨","雨","曇","晴","晴","雨","晴","曇","曇","雨"],
    "温度":["暑","暑","暑","暖","涼","涼","涼","暖","涼","暖","暖","暖","暑","暖"],
    "湿度":["高","高","高","高","普通","普通","普通","高","普通","普通","普通","高","普通","高"],
    "ゴルフ":["×","×","○","○","○","×","○","×","○","○","○","○","○","×"],
    # 最後の列が、目的変数、正解データともよばれる、他の列から導き出したいデータとなる。
    "風":["無","有","無","無","無","有","有","無","無","無","有","有","無","有"],
}

例えば、上記のように 風 を最後にして実行すると、次のような結果となります。

decision tree 風 ['有:6', '無:8']
  ゴルフ=×
    天気=晴
      温度=暑
        湿度=高['有:1', '無:1']
      温度=暖['無:1']
    天気=雨['有:2']
  ゴルフ=○
    天気=晴
      温度=暖['有:1']
      温度=涼['無:1']
    天気=曇
      温度=暑['無:2']
      温度=暖['有:1']
      温度=涼['有:1']
    天気=雨['無:3']

風が有る/無いのときは、ゴルフに行かない、行くでまず分岐し...っといったルールが作られます。


  1. Krizhevsky,A., Sutskerver,I and Hinton,G. E.: ImageNet classification with deep convolutional neural networks, NIPS 2012 (2012) 

  2. Quinlan, J. R.: Induction of Decision Trees. Mach. Learn. 1, 1, 81–106, (1986) 

  3. Quinlan, J. R.: C4.5: Programs for Machine Learning. Morgan Kaufmann Publishers, (1993). 

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