キャリア入社から、金融領域の事業主管へ。数百名規模の組織を見る2人が語る、日立で事業を広げる面白さ

キャリア入社で、数百名規模の中核事業を率いる立場までたどり着けるのか。そう問われたとき、どこかで「無理だろう」と感じる人は少なくないかもしれません。長い歴史を持つ大企業であれば、なおさらのことです。

今回は、日立製作所にキャリア入社後、長期にわたって組織の中核を担い続け、現在は金融システム事業部の事業主管として事業を率いるおふたりにお話を伺いました。
印象的だったのは、最初からそのポジションをめざしていたわけではなく、目の前の事業や顧客に向き合い、その領域を広げてきた結果として現在の立場に至ったと語っていたことです。

本記事では、おふたりのキャリアの歩みを軸に、数百名規模の組織を束ねる面白さ、金融という社会インフラ領域ならではの責任と手応え、そして日立で事業を動かすことのダイナミズムに迫ります。

プロフィール

鈴木 滋(すずき しげる)
株式会社日立製作所
デジタルサービスビジネスユニット 金融第二システム事業部 事業主管
新卒で大手生命保険会社に入社し、企業年金制度の数理計算業務などに従事した後、1998年に日立製作所へと転職。入社後は生命保険会社関連のSEや新規サービス立ち上げなど、一貫して金融システムに携わり、2011年より部長、2022年より本部長、2026年より事業主管に就任。主に保険領域における事業を広げていくことをミッションに、約300名規模の組織のマネジメントに従事している。
安田 智也(やすだ ともや)
株式会社日立製作所
デジタルサービスビジネスユニット 金融第一システム事業部 事業主管
日立製作所関連のIT業務を請け負う企業に入社し金融関係のシステム開発プロジェクト等に従事した後、2008年に日立製作所へと転職。入社後も大手金融機関向けのシステム開発に携わり、2021年より部長、2025年より本部長、2026年より事業主管に就任。主に大手金融機関向けのシステムインテグレーション事業を通じた経営課題の解決をミッションに、約500名規模の組織のマネジメントに従事している。

「役割の拡大」は結果であって、最初からめざしていたわけではない

――まずは、おふたりが所管する組織の前提として、金融システム事業部全体のミッションを教えてください。

鈴木:金融システム事業部全体としては、大手金融機関や地域金融機関、生損保険会社・共済事業者、証券会社、政府系金融機関などをお客さまとして、幅広くビジネスを展開している組織です。

基幹系システムを中心に、地域金融機関であればチャネル系システム(窓口業務をサポートするシステム)も含め、幅広くSI事業を手がけています。また近年は、従来のSIだけではなく、データ×ドメインナレッジ×AIで新サービスの創出や業務改善を実現する「HMAX Finance」をはじめとする AIソリューション群の提供にも力を入れています。既存事業を担いながら、新事業の拡大もめざしている組織になります。

――その中でおふたりは、どのような領域や規模の組織を担当されているのでしょうか?

鈴木:私は、主に生命保険領域における各種プロジェクトと、保険系の新事業を担当しています。組織の規模としては、私のラインでは300名ほどになります。大規模プロジェクトが複数並行で走る中で、トラブルを未然に防ぐためのチェック・マネジメントなどに取り組んでおります。

安田:私は主に大手金融機関、および信託領域を担当しています。組織の規模感としては約500名程度です。

――すごい人数規模ですね!おふたりともキャリア採用で日立に入社されたとのことで、現在に至るまでのご経歴を教えてください。

安田:私はいわゆる就職氷河期世代の人間です。キャリアとしては、日立製作所のシステム開発周りを請け負う会社に入り、そこで10年弱、主に金融領域のプロジェクトに携わりました。右も左も分からないようなところから育てていただいた中で、転職を検討するときにご縁があり、日立に入社して現在に至ります。入社後から一貫して、大手金融機関の案件を担当してきました。

鈴木:私は新卒で大手生命保険に入社し、そこで5年半ほど、企業年金制度の数理計算業務や団体保険・団体年金の決算業務に携わっていました。
当時はまだ1990年代でしたが、この先はITがより重要になっていくという感覚を持っており、次のキャリアを考える中で、たまたま日立が出していた保険領域の情報誌を見つけました。生命保険・損害保険業界向けにITソリューションを提供していることを知り、「これだ!」と思い、1998年に日立製作所へ転職しました。

入社後も一貫して保険領域に従事しており、生命保険・損害保険向けのSE業務や新規サービスの立ち上げなどを経験しながら、保険領域の事業を広げていく仕事を続けてきました。

――おふたりとも大きな組織を率いる立場になられていますが、入社当初からそこまで見据えていたのでしょうか?

鈴木:結果として今がある、という感覚ですね。日立に入った当初から、「上をめざす」というよりは、技術寄りの仕事を好きにやっていきたいという思いが強かったです。同年代で「社長をめざす」と言っている方もいましたが、私はどちらかというと、自分が面白いと思えることをやりたいタイプでした。

安田:私の場合は、入社前に一緒に仕事をしていた日立の方に育ててもらったという感覚が強く、その方々に報いたいという思いが根底にあります。「この人を採用して良かった」と思ってもらえる人財でありたい。その積み重ねが今につながっているのかなと思います。

日立には、新しいことに挑戦するときに進め方を個人に委ねる文化がある

――鈴木さんは、もともと日立から見ればお客さま側の企業にいらっしゃったわけですが、入社してどのような違いを感じましたか?

鈴木:入社してまず驚いたのは、SEが「技術に専念できる」環境であることです。当時在籍していた保険会社では、私は数理系の部署にいたのですが、営業実習に出たり、実際にお客さまに営業トークをする場面も多々ありました。
反面、日立では、SEは基本的には技術者としての業務に専念すべきだと考えられていて、システムについて考えることに注力でき、技術者としての本分が尊重されていると感じました。

ですが、少し慣れてきてから改めて見渡してみると、営業職から研究職、コンサルタントのような動き方をしている方もいて、すごく多様性のある会社だとも実感しました。技術一辺倒の会社ではない、幅の広い組織だと感じましたね。

――安田さんは、日立関連のIT業務を担う企業から日立へ入社されています。当時、どのような違いを感じましたか。

安田:会社の垣根を越えてプロジェクトメンバーを丁寧に育ててくれたので、当時の上司や先輩と同じかそれ以上に、日立の方々に成長させてもらったという感覚がありました。

ですから、仕事の進め方そのものに大きなギャップはなかったのですが、実際に入社して特に感じたのは、教育制度がとても充実しているということでした。技術研修はもちろんですが、「聴く力」を養うコミュニケーション研修などの技術以外の能力を磨くための研修も豊富で、ここまでやるのかと驚きました。

――部長→本部長→事業主管と昇格するには、どのような成果が評価されるのでしょうか?

鈴木:私の場合は、日立がこれまでできていなかった領域を広げられたことが大きかったと思っています。もともと生命保険の業務知識を持っていたので、それを活かして、当時の日立がまだ受注できていなかった業務システムの提案・受注・開発に携わることができました。

例えば、銀行での保険窓口販売が始まった時期に、窓口販売向けの保険管理システムを提案・受注して、自分がプロジェクトリーダーとして作る。そうした案件が連続して生まれ、ユーザーが増え、部下が増え、結果的にポジションも上がっていった、というような感覚です。業務を広げることと、自分の役割がリンクしていった印象です。

安田:私も、日立がまだ開拓できていなかったお客さまの領域に参入できたことが大きかったと考えています。他大手金融機関での実績をフックに、新しいお客さまの新しい領域に入っていけたことが、結果として評価されたのかなと思います。
もちろん、最終的には数字も必要です。プロセスは見ていただけますが、やはり結果は求められます。

――新しい領域を広げていくには、かなりの裁量が必要だったのではないでしょうか?会社としてのバックアップは何かありましたか?

安田:一言で表現すると、「君がやってくれ」と任せてもらえた感覚です。もちろん、新しい領域への提案活動は一朝一夕に成果が出るものではなく、地道に続ける苦労はありました。しかし、開拓領域に対して短期間で強いプレッシャーをかけられたことは、実はあまりありませんでした。

日立の創業の精神(VALUES)の1つに「開拓者精神」があります。私はこの言葉がすごく好きで、新しい挑戦において、そのプロセスや進め方を現場でお客さまと相対しているメンバーに委ねる文化が、現場の隅々まで根づいているのだと実感しています。

鈴木:私も同じです。主任・課長相当職の頃からかなり自由にやらせてもらいました。「それはダメだ」と細かく止められることはあまりなく、新しいお客さまを連れてきても「やっていいよ」と背中を押してもらえました。あれこれ細かく指示されないこと自体が、ある意味でバックアップだったと思います。

一方で、プロジェクトでトラブルが発生した際には、上司が黙って処理してくれることもありました。「今はシステム開発に集中して、プロジェクトを推進してくれ」と。そういう支え方をしてくれる上司がいたのは大きかったですね。

現場で判断できることは、現場で判断してほしい

――おふたりはそれぞれ数百名規模の組織を率いるにあたり、普段、どのようなことを意識されていますか?

鈴木:一番は「全体最適」です。現場に出るとどうしても、自分のチームの範囲内で人を抱えて、やりたいことをやりたくなります。ですが、それが積み上がると個別最適になってしまいます。全体を見渡し「今、本当に増員すべきなのはどこか」「どこに選択と集中すべきか」をトップダウンで決める必要があります。

特にトラブルが発生したプロジェクトでは、無理をしてでも増員すべきか否かの判断をしないといけないフェーズもあります。そのためには、現場やチーム同士の関係性を日頃から作っておくことが重要です。気持ちよく協力してもらえる土台を作るのも私の役割だと思っています。

安田:私は、まずメンバーの心身の健康を大前提にしています。日々の勤怠や残業時間は、部長も含めてしっかり見るよう徹底しています。その上で、現場にはできるだけ裁量を持たせたいと考えています。
お客さまから「できますか?」と聞かれたときに、何でも「持ち帰って検討します」となると、リードタイムが長くなり、お客さまにメリットがありません。ですから、現場で判断できることは現場で判断してほしいと考えており、特に課長層にはその意識を強く持ってもらっています。

――現場判断を尊重すると、時には判断ミスも起こりそうなものですが、どのようにバランスを取られていますか?

安田:おっしゃる通り、プロジェクトが苦しくなることはあります。ただ、挑戦しなかった場合に失うものの方が大きいと私は常に思っています。

少し話は変わりますが、私は少年サッカーのコーチをしているのですが、子どもたちには練習や試合の際、「積極的に挑戦しよう」と伝えています。挑戦した際に失敗したことばかりを責めると、子どもたちはミスを恐れ、挑戦することをやめてしまいます。結果として成長速度が鈍くなる。
これは子どもに限ったことではないと思っており、大事なのは、「失敗」を責めるのではなく、どのプロセスでどうすれば良かったか、ここをしっかりと振り返り次に活かしていくことです。

お客さまと日立の間には、これまでの日立の諸先輩方が積み上げてきた揺るぎない信頼と実績があります。我々はそのバトンを受け取った側として、信頼を更に強固なものにして次世代につなげていく責任がある。そのためにはお客さまの課題に対してスピーディーに挑戦し続ける必要があると思っています。

鈴木:私も同じ考え方です。現場が意思を持って判断したことは、できる限り尊重します。致命的な考慮漏れなどがなければ、まずは実行してもらう。われわれの組織は自分たちで決めて進めていく方が本当に多いので、その自律性はすごくいいところだと思っています。

――おふたりのようなレイヤーになると、どうしても現場との距離が遠くなりがちかと思います。現場感を忘れないために工夫されていることを教えてください。

鈴木:意識的にコミュニケーションの場を作るようにしています。若手層、主任層など、様々なレイヤーと会話する機会を設けたり、飲みに行ったり。そうして私自身が現場の声に耳を傾けることで、メンバーが困りごとをフランクに相談しやすい関係性を築いていきたいと考えています。

安田:私の場合、若手とのラウンドテーブルや、1on1、部長との週次ミーティングなどの接点を作っています。特に部長とは、進捗を見極めたいプロジェクトなどについては、共通認識を持つことを目的とし、定期的に確認する打合せの場を持つようにしています。

お客さまに迷惑をかけないというマインドを実装するためのフェーズゲートの仕組み

――ここからは、おふたりが見られている業界について教えてください。まず、生命保険業界のトレンドについて教えてください。

鈴木:生命保険業界は、保険加入率は高止まりしており、商品開発競争もある程度出尽くした感があります。販売チャネルも広がり切っており、その中でどう成長するかを各社が模索している状況です。

大手生命保険会社は介護、ヘルスケア、資産形成など保険の周辺領域へと広げる動きを見せるなか、中堅の会社は自社のチャネルや商品の強みを磨く方向に舵を切っています。
両者に共通する課題として現状大きいのが、レガシーシステムの存在です。生命保険業界は保有契約が長期間継続する特性もあり他業界以上に古いシステムが残っている印象です。ただ、単純にモダナイズしようとしても、お客さまから見れば機能は変わらないのに何十億円もかかるという形にどうしてもなります。

だからこそ最近では、古いシステムの稼働を最小限にして、新しい商品向けの基盤については別に構築していくといった、広い意味でのモダナイゼーションが進んでいます。そこにAIを組み込める余地も生まれてきます。

――大手金融機関はいかがでしょうか?

安田:過去大手金融機関は、店舗網と営業人員が競争力の源泉でした。どのエリアにどれだけ効率的な支店を配置できるかが顧客獲得力や収益力を左右していたといえます。一方で現在は、状況が大きく変化しており、デジタルとデータに軸足が移っています。スマートフォンなどを中心としたデジタルチャネル戦略やデータを活用した金融サービスなどが競争の主戦場になっていると感じます。

近年はネット銀行の台頭もあり、特に競争が激しくなっています。金利環境も変わり、サービスをいかに早く市場に出すかが競争優位性を確保するために重要になってきており、アジリティへの要求も非常に高くなっています。日立としては、お客さまの独自戦略を踏まえつつ、各ご要望に対する実装スピードを高める部分で価値を出していると考えています。

――日立といえば、品質の高さを支えるフェーズゲートの存在も印象的です。外から入ったおふたりから見て、この仕組みはどう映っていますか?

鈴木:一見面倒なことでも、フェーズゲートのプロセスを怠ると、結果として問題が起きる可能性も高くなります。ですので、一定の枠組みで締めることは必要だと思っています。こうした仕組みが不足していると属人的になりやすく、プロジェクトでのトラブルも起きやすい印象です。そういう観点でも、フェーズゲートは日立の強みのひとつだと思います。

安田:金融機関のお客さまからも、日立は品質が高いと言っていただいています。半世紀以上、金融のミッションクリティカル領域を支え続けることができた背景にも、この仕組みが大きく寄与していると考えています。もちろん、フォーマットや資料作成が増えて大変な面はあります。ですが、お客さまに迷惑をかけないというマインドを実装するための仕組みだと捉えています。

グローバルリソースとAIで、金融システム開発の形も変わる

――日立ではグローバル展開が非常に積極的な印象です。金融システム事業部での具体例を教えてください。

安田:日立の4セクターの海外売上比率は61%にも達しており、グローバルで活躍できていると思っています。金融システム事業部でも国内のIT人財不足の中、海外リソースの活用も増えており、一緒にプロジェクトを推進することも多いです。

お客さまは日立のグローバルでの具体的な活動内容を知らないこともあるため、大手金融機関のお客さまに日立のベトナム拠点での業務研修に参加いただき、グローバル開発を実地で学んでいただくとともに、日立のグローバルの取り組みを知っていただく活動も実施しています。

――オフショア開発となると、品質周りの懸念をよく耳にするのですが、その点はいかがでしょうか?

安田:もちろん、そのような懸念を持たれることはありますが、日立は設計工程ごとに必要な品質水準をプロセス化しており、それをグローバル拠点にも時間をかけて教育・適用しています。日本の品質、ひいては日立の品質をどう現地に根づかせるか、その仕組みが効いていると感じています。

鈴木:私の組織では、健康リスクを評価するヘルスケア系の「Risk Simulator for Insurance」というSaaSを、自社サービスとして展開しています。これまでは国内での展開のみでしたが、東南アジアでもニーズがあるのではないかと考えており、海外展開の可能性を探っているところです。
すぐに大きく収益が出なくても、グローバル展開の経験値を増やしていくという意味で、非常に重要な取り組みと捉えています。

――もう1つ、AIの影響はいかがでしょうか?お客さまの内製化も進む中において、SI事業の役割はどう変わっていくと見ていますか?

鈴木:おっしゃる通り、お客さまが内製化を志向する動きは非常に強まっています。以前のように丸ごと任せるのではなく、ベンダーと一緒に作っていく方向へと舵を切っている企業が増えています。従来の人月ビジネスだけではお客さまが求める価値を提供することに限界があると、私たちも以前から感じていました。

だからこそ、自社サービスを持つこと、高度なスキルを持つエンジニアを育てること、そしてお客さまと会社対会社で新しいパートナーシップを組むことが重要になっています。お客さまのニーズに合わせて、柔軟に支えながら、一緒にビジネスを広げていく。そのような関係へと変わっていくと思います。

安田:AIは非常に有用であると思いますし、日立もこの技術を中核に据えて従来のSIではなく、AI駆動開発といった取り組みも増えてきています。

一方で、これまでもこれからもSIにおいて重要なのは、お客さまの期待通りのシステムができているか、その結果に責任を持つこと。日立はミッションクリティカルな金融システムをいくつも開発してきた実績と、蓄積してきたドメインナレッジ、さらに日立が独自で保有するAIアセットがあり、そこが強みであると考えています。AIを活用しながら、お客さまの要求水準を満たすことができるようにしっかりと応えていきます。

日立のイメージそのものを変えていくところから、一緒にやってほしい

――おふたりが感じる日立の魅力を教えてください。

安田:とにかく、事業の幅が広いことですね。やる気があれば社内転職や社内副業のような形で、別領域への挑戦もできます。成長のフィールドを社外に求めなくても、自社の中で広げられるのは大きな魅力だと感じています。
また、もちろん目標はありますが、そこに過度にとらわれず、楽しく、明るく働ける風土があります。とてもアットホームな会社だと思っています。

鈴木:私は、まさに人財こそが日立の魅力だと思っています。日立には多様な人財がいて、中には「本当にすごいな」と思えるようなメンバーがたくさんいます。営業でもSEでも、研究職でもいます。そのような方と仕事ができるのはすごく幸せです。

また、目立った成果を挙げる人だけが求められるわけではなく、地道に決まった仕事をきちんとやってくれるメンバーもいて、しっかりと評価されています。特定の技術やスキルが突出した人だけでなく、真面目に支える方も含めてワンチームになっているところが、日立の良さだと思います。

――これからの日立の金融領域事業で実現したいこと、そして来てほしい人財像を教えてください。

安田:日立は半世紀にわたって日本の金融インフラを支えてきました。ミッションクリティカル領域を支えてきたと自負しています。だからこそ、これからはデジタルやデータを活用して、お客さまにさらに大きな価値を提供していかなければいけません。そのために必要なのは、やはり開拓者精神を持つことだと思います。変化を恐れず、新しい価値を一緒に作っていける方と働きたいです。

鈴木:日立は品質や安定感で選ばれることが多い一方で、新しいことに一緒に取り組むパートナーとしては、まだまだ伸びしろがあると感じています。小さく、速く、アジャイルに、お客さまと一緒に新しい価値を作る存在になるためにも、技術を持っていて、かつスピーディに動けるマインドを持った方に来てほしいと考えています。日立のイメージそのものを変えていくところから、一緒にやってほしいと思っています。

――ありがとうございます。それでは最後に、Qiita読者の皆さまへメッセージをお願いします。

鈴木:転職を考えている方には、日立はお客さまと本当の意味でワンチームになれる会社だと伝えたいです。責任の範囲を線引きするのではなく、社会インフラとしての金融システムを一緒に支える。そのやりがいは非常に大きいです。

組織が大きすぎて全体感が見えづらいという声も耳にしますが、研究所や他事業部との接点を作ることも含めて、キャリア入社の方が力を発揮しやすい環境を整えていくことが私の仕事です。ぜひ、ご応募いただければと思います。

また学生の方には、日立にはとにかく「成長できる環境」があると伝えたいですね。自分から主体的に動いていけば、2年目でもリーダー級の役割を担えます。市場価値の高いエンジニアになりたい方には、非常に面白い環境だと思います。

安田:転職者の方には、日立は中途だから不利という会社ではないとまずお伝えしたいです。多様な人財がいて切磋琢磨しながら成長できますし、グローバルの仕事も含め、自分のフィールドを想像以上に広げられる会社です。

私は、転職そのものに大きな勇気が必要だと思っていて、会社を辞めて新しい環境に飛び込むという時点で、もう挑戦できる人なんだと捉えています。そのマインド自体が、日立の開拓者精神と非常に相性がいいなと。だからこそ、キャリア採用の方にはそのマインドを武器だと思ってほしいですね。
学生の方には、ただ大企業だからという理由ではなく、自分なりの信念を持って日立を選んでいただけたらうれしいですね。日本の社会インフラを支える責任と誇りを持ちながら、挑戦できる会社だと思います。

編集後記

金融というミッションクリティカルな領域の話を伺うと、どうしても「堅い」「慎重」という印象を持ちがちです。実際、フェーズゲートの話からは、巨大な社会インフラを預かる現場ならではの重みが伝わってきました。一方で今回印象的だったのは、その強固な基盤の上で、想像以上に「挑戦」が重視されていたことです。大規模開発の現場を知る人ほど、この「品質を守る仕組み」と「変化を起こす裁量」の両立の難しさがわかるはずです。その緊張感の中で事業を前に進めるおふたりの言葉に、日立の金融事業の底力を感じました。

取材/文:長岡 武司
撮影:平舘 平


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