0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

Annual Report 2022: Ubuntu Weekly Recipe & Ubuntu Ideal Day

Posted at

2022年最後のUbuntu Weekly Recipeは、第744回「Ubuntu Summit 2022 レポート」でした。というわけで今年もまた、2022年に掲載されたUbuntu Weekly Recipeの記事をまとめてみます。

これまでのAnnual Reportは次の記事を参照してください。

(注:本記事の公開は2024年はじめになってしまいましたが、実際は2022年年末ぐらいに半分ぐらい書いています。で、残りの半分は2022年に書いている体で追記しました)

2022年のUbuntu

2022年も世の中は引き続き「新型コロナウィルスに翻弄された年」でした。とは言え、昨年ほどの狂騒感はなく、やるべきことをやるという感じで過ごした人も多いと思います。Ubuntuもいつもどおり半年に一回のリリースを継続しました(ここまでは去年のコピペ)。今年は2年に1度のUbuntu 22.04 LTSのリリースでしたが、そちらも特別に大きな変化はなく順調に進化を遂げていったという感じです。

Ubuntu Weekly Topics2022年を見てみても、それがわかります。そんな中であえて取り上げるとしたら次のような話題でしょうか。

  • サポートサービスであるUbuntu Proの拡充
  • RISC-V対応の充実

Ubuntu Weekly Topicsでは吉田さんが年始にその年のUbuntuの予想を書いてくれていますので、そちらと照らし合わせて見直してみるのも楽しいでしょう。

Ubuntu Pro自体は2019年に登場したものの、どちらかと言うとクラウドサービス向けの位置づけでした。それが従来のサポートサービスであるUbuntu Advantageと統合し、デスクトップ・クラウド・IoTなど汎用的なサービスに進化したというのが2022年10月の話です。Ubuntu Proによるサポート内容の変化によって、たとえばデスクトップユーザーであってもUbuntu Proの無償枠に登録しておけば、10年間のセキュリティアップデートが受けられるようになります。5年で切り替えるのが厳しいという人にとっては嬉しい対応でしょう。

2022年はRISC-Vのボードがどんどんリリースされた年でした。RISC-V自体はマイコンからサーバー用途のCPUまで幅広く使われることを意識したアーキテクチャーであるため、「どうがんばってもUbuntuは動かない」ボードもあるものの、中にはRaspberry Piっぽいものや普通のデスクトップっぽいものもあり、Ubuntuではそちらをメインにいくつかサポートすることになります。代表的なものだとVisionFive 2とかでしょうか。Armと同じようにボードごとにDTB入りのイメージを配る方式であるため、公式サポートのボードの数はある程度限定されるとは思いますが、今後伸びていくことが期待される分野です。

コロナ禍で自粛されていた、オフラインイベントもどんどん増えてきました。ブロードバンド回線が充実している日本だと「できるだけハイブリッド」って感じが多い印象ですが、海外だとオフラインの場合はオンラインはやらないという判断になることも多いようです。第744回の「Ubuntu Summit 2022 レポート」は、そんな「オフラインのみ」のイベントですね。厳密には「リモートからの発表のみ」は可だったのですが、録画したデータを流してチャットで質疑応答みたいな感じでした。

日本でもからあげ会(通称:Ubuntuオフラインミーティング)を復活させたいのですが、いかせん食事ありはさすがに厳しいだろうという点、からあげがないオフラインミーティングに意味はあるのかという点、メインスタッフが現在死ぬほど忙しい点などさまざまな事情で、開催の目処は立っていない状況です。

連載記事としては、今年の4月からImpressのPC Watchにて「Ubuntu日和」が開始しました。掲載日は第一土曜日と第三土曜日と、少し変則的ではあるのですが、Ubuntu Japanese Teamのメンバーの多忙さを考えると「月二回が限界」という判断になったのです。PC Watchの方から「Ubuntuの記事を掲載したい」という話を受けて、パイロット版である「人気Linuxディストリビューション、Ubuntuを触ってみよう!」をいくやさんが書いたところ、評価が高く、では引き続き連載をとなった形になります。

Ubuntu Weekly Recipeとの棲み分けとしては執筆者ごとにわかれそうです。柴田としては、Recipeはソフトウェア的な意味での技術寄り(設定でも別案や背景情報もしっかり書く)、日和はハードウェア寄りやWindowsなら詳しいけどUbuntuは不慣れな人向け(とりあえずUbuntuを動かしてみる)みたいな分け方かなぁと思っています。今のところサーバーネタはRecipeだけに書くようにしていますが、日和に展開するかどうかは今後様子を見ながら判断するつもりです。ちなみに日経Linuxについては、紙媒体という都合もあるので、だいぶ初心者寄りです。

ちなみに今年はUbuntu Weekly Recipeが掲載されているgihyo.jp大幅にリニューアルされました。変更点はいろいろありますが、トップページがシンプルになったり、ページ分割がなくなったりと、より技術系の記事が読みやすくなったんじゃないかと思います。あと企業の技術ブログも読めるようになっているため、興味のある企業の方は相談してみると良いと思います。

実は事前にリニューアルすること自体は連絡を受けていて、こちらからも「連載回数は残るようにしてほしい」などの要望を出していたりします。せっかくなので第1000回になるまでは数字が残っていたほうがいいなぁと思った次第です。そういえばUbuntu Weekly RecipeUbuntu Weekly Topicsの連載一覧も、年ごとにわかれてたどりやすくなりました。この記事はもともと年ごとの連載一覧が欲しいよねと思って書き始めたものなので、もしかしてもう役目を終えてしまったのかも?

それとは関係なく、連載としては日和も増えたのでそれに合わせて本記事のタイトルは変えました。ただしこの記事はあくまでRecipeの記事の紹介にとどめます。


さて、2022年のUbuntu Weekly Recipeは、2014年ぐらいから恒例となっているいくやさんによる第698回「デスクトップ環境の2021-2022年」から始まりました。Ubuntu/GNOMEだけでなく、他のデスクトップ環境についても総ざらいしているので、Ubuntuや他のフレーバー、Ubuntu以外のLinuxディストリビューションのユーザーも、自分の使っているデスクトップ環境が一年でどう変わったのか振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。

2022年はこの第698回から第744回までの計47回の掲載でした。去年の50回に比べると減っていますが、一昨年の47回と同じ数字です。毎年そろそろ連載維持がつらくなってきたと言いつつ連載増やしているのがなかなか大変なところ。

RecipeっぽいRecipe

Ubuntu Weekly Recipe」は「 Ubuntuの強力なデスクトップ機能を活用するための、いろいろなレシピをお届けします。 」とあるように、本来はUbuntuの(主としてデスクトップの)ソフトウェアやカスタマイズ方法を紹介する連載でした。実はgihyo.jpのリニューアルに合わせて、この文言がなくなっていたりします。実際、今ではデスクトップやサーバーに関係なくUbuntu特有の機能を突っ込んで紹介したり、リリースごとの変更点のまとめ、イベントレポートなど執筆陣が思いついたものを自由に掲載していますが、今でもこのタイプの紹介記事はそれなりに存在します。

連載が長くなってくるけど、「前にも紹介したけれども改めて」とか「あえて今一度基本的なところを」なんて記事も増えてきます。特に新学生・新社会人が増える年度はじめとか、2年に一度のLTSリリースタイミングとかはそれに該当しますね。というわけで、基本的なツールの紹介と言えば次の記事です。

ファイル(Files/Nautilus) なんてお世話になっていない人なんていない定番中の定番ですね。GNOMEは基本ソフトウェアの名前に一般名詞を使うという、「誰も得しないんじゃないか?」というスタイルをとっています。英語だとまだ定冠詞とか先頭の大文字とかで区別できるのですが、日本語で正しい名前を使って説明しようとすると「Ubuntuではファイルでファイルを開きます」とかいうわけのわからないことになるのです。結果的にこういう説明をするときは「ファイル(Nautilus)」とか「内部的にはNautilusと呼ばれているもの」とか、補足を入れるのです。

ディスク(Disks) もの名前そうです。こちらは元々「GNOME Disk Utility」という名前だったので、オリジナルの名前を使うと長ったらしいという別の悩みもあります。これらの記事と、ネットワーク設定・Okularの話がいくやさんによるもので、最後のGRUBだけ別になります。GRUBに関しては、誰かからまとまった情報が欲しいとちらりと聞いて書いた記憶があります。たまたま、お仕事でもGRUBの挙動を調べる機会があったためそのへんも整理して記事にしてみました。

Ubuntuで採用されているGNOME Shellは拡張性の高いソフトウェアになっています。主にJavaScriptやCSSを使って、拡張機能を作って配布できるようになっているのです。そんな拡張機能のひとつが第716回の「Ubuntuにおけるマイクやスピーカーの切り替えを、システムメニューを使って手早く切り替える」で紹介した、「Sound Input & Output Device Chooser」です。元々マイクやヘッドフォン・ヘッドセットを複数使っていて、ミーティングの種別によって使い分けたいなぁと思っていた時に見つけたツールとなります。同じ思いを持っていた人が多かったのか、GNOME Shellの最新版では拡張機能なくても切り替えられるようになっています。

拡張機能の紹介としては、第725回の「Rcloneと専用GNOME Shell拡張機能を併用して、Ubuntuからさまざまなクラウドストレージサービスにアクセスする」もそうですね。こういうちょっとした機能を作り込んで取り込めるのが、GNOME Shellの良いところです。

デスクトップにおける機能の拡張という意味では「Flatpak」も重要です。正直snapとFlatpakを比較した時、デスクトップ用途ではFlatpak一択みたいな状態になっています。snapパッケージは仕組みとしてはいろいろ良いところも多いのですが、いかんせんCanonicalの政治力とセンスがなさすぎる。いい加減、白旗あげて、デスクトップでは最初からFlatpak対応にしたら良いのにと思います。本連載でも主にいくやさんが便利なFlatpakをいくつも紹介しています。そんなFlatpakとUbuntuの最小インストール機能を組み合わせた、新しいUbuntuの使い方が第720回の「Ubuntuの最小インストールとFlatpakでいつでも最新アプリ生活」です。

実はUbuntu以外のLinuxディストリビューションでは、「Immutable Desktop」という概念が流行っています。システム部分とアプリケーション部分を分離して、堅牢性やセキュリティを確保しつつ、ソフトウェアの更新頻度をあげられるようにしようという考え方です。これはスマートフォンを意識した作りであり、メジャーなところだとopenSUSEのAeonやFedoraのSiberblueなどが存在しますし、独立系だとNixOSも代表格のひとつです。このアプリ部分として、現在有力視されていうrのが「Flatpak」です。Ubuntuは元々Ubuntu CoreとかSnappyとかUbuntu Phoneとかやっていた時代から想定していた流れなのですが、そこからはあまり進展せず、現在は周回遅れな状況になっています。どうしてこうなった。

AIの進化による受容の増大ととコロナ禍による生産量の調整というダブルパンチによって発生した半導体不足はようやく落ち着きを見せ始めました。まだGPUは高止まりしていたり、ものによっては入手しづらい部分もありますが、それでも買おうと思えば買えるぐらいまでにはなったのです。そんなGPUのうち、Raedeonを活用する案としてAMDがリリースするプロプライエタリな「Radeon Software for Linux」やRadeon版CUDAとも言える「ROCm」を使う方法を紹介したのが次の記事です。

CUDA一択な状況は不健全だと思いますので、OpenCLやROCmはもうちょっと流行って欲しいですね。

流行りという意味では「SBOM(ソフトウェア部品表)」も流行りの部類に入りますね。いわゆるソフトウェアのサプライチェーンを記録として残すことで、セキュリティ的な問題を早期に発覚させることが主な理由なのですが、方法論としてはどんなソフトウェアのどのバージョンをどのライセンスで使っているかを明示するというものです。そんなネタに乗っかったのが第734回の「UbuntuでSBOM(ソフトウェア部品表)を作る方法」です。まあ、Ubuntuの場合、インストールされているパッケージのリストを表示すれば目的の大半は達成できます。ライセンスについてはパッケージがcopyrightファイルを必須化しているので、それを保存しておけば最低限の目的は満たせます。問題はsnapパッケージです。こいつはライセンス情報の提示を必須化しないという、機械的には取得できない頭おかしい実装になっているので、SBOMの文脈だと「snapは使うな」という話にせざるを得ないという。どうしてこうなった。

話を戻して、他にもRecipeらしい記事と言うとこのあたりでしょうか。

1個目は今となってはレアキャラになってしまった、村田さんの記事です。10Gbps回線も十分普及してきましたし、Ubuntuでもきちんと性能出ますよという紹介。AWSに20Gbpsインスタンスを用意して計測しているのがポイント。2個目は水野さんの記事です。記事にもあるようにDocker Desktopは有料化されてしまいましたが、それは大きめの企業で業務用途として使う場合だけ。Windows等の環境と同じように使いたいなら、十分な選択肢となります。Windows環境を意識して使うという意味では、.NETも同じです。MicrosoftはLinux環境での.NETも推しているので使おうと思ったら使えます。

最後のUSBGuardは、これなんで書いたんだっけかな。すぐに書けるネタということで、ネタ帳から緊急登板したような気がする。

買ってみた・インストールしてみた

Recipeの定番記事の一つが「新しいデバイスを買ってみた・Ubuntuをインストールしてみた」です。半導体不足が落ち着いてきたので、そろそろPCを慎重しようという人も多かったのではないでしょうか。あと「小型PC」がやたらと出るようになりましたよね。

定番の記事が「xxxで省エネPC生活」です。小型(ACアダプターを除く)でパワフルなPCが出てきたということで、水野さんが第711回の「Ryzen 5 5500Uで省エネPC生活」を書いてくれました。「省エネPC生活」は、いくやさんの定番ネタなのですが、本家に喧嘩(?)を売った感じです。

それに対してAMD大好きいくやさんが書いたのが、第715回の「Lenovo ThinkPad X13 Gen2 AMDにUbuntu 22.04 LTSをインストールして使用する」。最近ではノートPCでもAMD CPUの選択肢が「当たり前」になりました。選択の自由があることは良いことです。

今年は主に中国系のメーカーから格安の小型PCがたくさん出てくるようになりました。元々GPDなどから、小型ノートが流行りだしていたのですが、いつの間にか小型のボックス型PCが主戦場になっていたような。そんな中、2in1なノートPCをいくやさんが紹介してくれたのが、以下の前後編の記事です。

Windowsを動かすには少し心もとないかなという感じではありますが、Ubuntuだと問題なく動かせそう。でも、この手の小型デバイスはキーボードが鬼門ですよね。

自作PC界隈で話題になったのが、ASRockの「DeskMeet」です。PCIeデバイスも接続できる小型のベアボーンと言う触れ込みで、周囲でもみんな買ってました。みんなではなかったかも。いずれにせよRecipeでも何度か登場することになります。

メインで登場するのはこれぐらいですが、実際は他の記事の執筆時もテスト筐体として大活躍してくれています。うちだとだいたいLXDで仮想マシン起動して、クライアントマシンからSPICEでつないで画面表示しています。BIOS画面とか起動時の画面もスクリーンショット撮れるので便利です。

第12世代のIntel CPUであるAlder Lakeから、P-Core/E-Coreという概念が導入されたため、それをうまく使い分ける必要があります。上の2個の記事ではまだカーネルが対応していなかったため、とりあえずコアごとで性能違うようねってのを見せたものになります。P-Core/E-Coreを真に使い分けるためには、実行しているタスクの内容に合わせてどのコアに割り当てるかってのを判断する必要があるのですが、その元になるのがIntel Thread Director(IDT)と、それを一般化したEnhanced Hardware Eedback Interface(EHFI)です。IDTについては、Kernel 5.18ぐらいで対応しているらしいのですが、まだその恩恵を確認できず。どこかで整理したいところです。

いくやさんによる後ろの2個の記事は、読者も試しやすい「まっとうな」DeskMeetの使い方ですね。

サーバーとしてのUbuntu

Ubuntuが一躍人気ディストリビューションの一角を占めるようになったのは、紛れもなくデスクトップ版のUbuntuの使いやすさによるものです。しかしながらサーバー版のUbuntuも現在はCentOSやDebianと肩を並べる勢いで利用されています。そんなUbuntuサーバーのノウハウの紹介も、反応が良いカテゴリーの記事です。

ご家庭のLinuxサーバーの定番と言えば「NAS」。そんなNASをSambaとかNFSじゃなくて、Nextcloudで構築しようというのがいくやさんによる第703回の「NASをNextcloud化する」です。最近のサービスは、だいたいWeb UIがあれば事足りることが多いので、大半の人にはこれで十分なんじゃないか?って感じがします。

Web UIがあれば事足りるという意味では、昔はローカルのアプリケーションが定番だったソフトウェアもどんどんクラウド化しています。特にそのFLOSS版はDockerやdocker-composeでデプロイできるようになっているものが多く、クラウドサービスは有償でセルフデプロイならいくつか機能制限はあるものの無償、なんてサービスも多いです。そんな中からいくつか便利そうなサービスを紹介したのが次の記事。

作業者間の知識の共有というのはどの分野においても永遠の課題でして、プロジェクトにおいては常にWikiどうする?議事録どうする?作業ログどうする?みたいな話が付きまとっています。この時期、その手のツールをいろいろ探していたために、こんなリストになってしまったような。ただ、内容的にはほぼ同じなんですよね。せいぜいsystemdのサービスどうやって作るとか、定期的なバックアップ方法どうするとかそういう話が他とちょっと違うポイント?

ハードウェア寄りかサーバー寄りか悩んだのが上野さんによる次の記事。

監視は監視でも物理的な監視のほうですね。サーバーのLEDやネットワークケーブルの状態なんかは、その場にいないとわからないことも多いため、それを監視カメラでなんとかしようという話です。そういえばタイトルにカラー絵文字が入ったのはもしかすると初めてかもしれない。

サーバーなのかどうかさらに悩んだのが次の記事たちです。

いや、もうタイトル通りなので説明する必要すらなさそう。7月から9月にかけては、本気であちらの世界が見えてくるぐらい忙しかったので、自分が書いたことすら記憶が曖昧です。

そうえば最近は生成AIやらChatGPTやらが流行っております。学習関連はリソースの問題でRecipeで紹介するのはなかなか難しいですが、活用・生成ならできるはず。来年はこれらの記事がきっと増えることでしょう。

テーマ特化な連載記事

Recipeの記事は、おおよそ一回あたり数千から一万文字ぐらいの分量になっています。技術的な記事を書いた方ならわかると思いますが、これくらいの文字数だとちょっと丁寧に説明するだけであっという間に超えてしまいがちです。雑誌や書籍といった物理的な制約が存在する記事の場合、レイアウトやデザインにあわせて内容の取捨選択を行うことになります。しかしながらRecipeの場合は物理的な制約の少ないウェブ記事なので、著者が書きたいだけ書けるというメリットがあるのです。

とは言え、たくさん書いたからと言って原稿料が増えるわけでもありませんし、制約がないせいで内容が薄くなったり、発散してしまいがちです。読者としても一回の分量が長くなると読む気力が削られることでしょう。そもそも週刊連載で一回のボリュームを大きくすると執筆者・編集者への負担が大きくなります。つまり誰も幸せにならない可能性が高いのです。しかしながら特定のテーマに対して、一回では語りきれない量の話題が存在することもよくある話です。そんな事情を反映してか、最近のRecipeには「特定のテーマ」を複数回にわけて掲載する記事も存在します。

2022年の10月には、VirtualBox 7.0がリリースされました。それに合わせていくやさんが新機能を説明してくれています。

(2023年12月追記)ちなみに技術書典オンラインマーケットでは「ざっクリわかるVirtualBox 7.0対応版」も販売中です。興味ある方はぜひそちらもどうぞ。

みんなLXDをもっと使おう!ってことで、紹介しているのがこちら。

2022年では、LXD/VM上でWindowsを使えるようになったのでその発展です。LXDにはswTPMを使ったvTPM機能が存在し、ゲスト側からみるとTPMが存在するように見せられます。そうするとWindows 11やWSLgも普通に使えますよというのが前者。後者はさらにSPICEとLXDのリモート機能を使って、ネットワークの先にいる高性能なマシン上で動いているVMインスタンスのGUIを、ローカルから操作できますよという話です。

特にコロナ禍以降は、仕事においてチャットサービスが必須の存在となりました。FLOSSでセルフホスト可能なチャットサービスが「Mattermost」です。チャットサービスとしてはほぼ完成の域に達していて、最近はタスク管理等のオンラインコラボレーションなシステムに移行しようとしています。そんなMattermostを紹介したのが次の記事。

実は対抗馬であるSlackが、2022年9月にサービス改定を行い、無料版に対していくつか制約事項が増えてしまいました。最後の記事はそれに対する別案としての紹介です。Teams?あれは人類には難しすぎる。

それなりにイベントが増えてきましたよねってことでおがさわらさんと太田さんに書いてもらったのが、Ubuntu関連のイベントレポートです。

第741回の「UbuCon Asia 2022 Korea参加レポート
第744回の「Ubuntu Summit 2022 レポート

リリースごとの紹介記事

Ubuntuは半年毎にリリースしているので、半年毎に「 今回のUbuntuリリース! 」みたいな記事が書けるわけです。今年もいくやさんが書いてくれました。ロングテールで考えると、この手の記事が一番読まれる&役に立つんですよね。

今回はLTSということもあって、過去2年間のリリースにおいて実装された記事を改めて紹介するタイミングでもあります。特にX Window SystemからWaylandへの移行とFirefoxのsnapパッケージ化は大きなポイントです。そのあたりも含めて、いくつかの機能や注意点は別の記事として取り上げています。

今年のUbuntu Weekly Recipe一覧

今年掲載された47回のうち3回はゲスト投稿でした。多様性を確保したいのでいい感じだと思います。また、チーム内の担当回数としては、いくやさんが23回、柴田が17回、水野さんと村田さんがそれぞれ1回という内訳です。いくやさんがトップに躍り出ました!

そういえば第700回も特別なことはせず、普通の記事としました。再来年には800回になりぞうで、1000回も見えてきましたね。

今年のUbuntu日和一覧

Ubuntu日和のほうは連載が始まったばかりということもあって、基本的な部分の紹介、考え方の紹介がメインです。こちらもアクセス数は上々ということで、長い連載になればなと思っています。

まとめ

今年のUbuntu Weekly Recipeはいかがでしたでしょうか。読んだ記事・読んでない記事・書いた記事の振り返りとして参考になれば幸いです。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?