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Annual Report of the Ubuntu Weekly Recipe 2016

Last updated at Posted at 2016-12-30

2016年最後のUbuntu Weekly Recipeは、よこざわさんによる12月17日に行われたオフラインミーティングのレポートとなりました。というわけで2014年2015年に引き続き、2016年に掲載されたUbuntu Weekly Recipeの記事をまとめてみます。

2016年のUbuntu

2016年のUbuntuで大きな話題と言えば、やはり2年ぶりのLTSのリリースでしょう。最近は通常リリースに目立った動きがないこと、通常リリースのサポート期間が9ヶ月と短くなったことから、LTSのみ利用しているという方も多いと思います。そんな方にとってUbunutu 16.04 LTSは、Upstartからsystemdに移行した最初のリリースとなったはずです。またUbuntu 16.04 LTSは次世代パッケージマネージャーであるsnapが最初からインストールされていたり、サーバー版にはコンテナのハイパーバイザーであるLXDが最初からインストールされていたりと、未来に向けての布石が着々と打たれてもいます。次のLTSである18.04では、さらに大きく変わったUbuntuとなっていることでしょう。

Ubuntuの開発という点においては、snap関連の実装が一気に進みました。2年前に「Snappy Ubuntu Core」として公開された頃と比べると、別物と言っていいぐらい変わっています。結果的に組み込み向けだけではなく、デスクトップ向けのサードパーティアプリケーションもsnapで提供されるようになってきました。変わりどころとしてはCanonicalの「Kernel Livepatch Service」もバックエンドのパッケージはsnapとして提供されています。今後もリリーススピードの速いアプリケーションは、選択肢の一つとしてsnapが採用されることでしょう。

Ubuntu Touch関連では待望のUbuntu Tabletが、bqからリリースされています。しかしながらUbuntu TabletとMeizu PRO 5以外に特に新製品はなく、既成品も売り切れが続いてて、入手性が乏しい状態です。年明けのイベントで新製品が発表されるのでは、という噂もなくはないのですが、果たしてどうなることやら。

Ubuntu Touchのソフトウェア側はOTA-9からOTA-14までの6回のリリースでした。ほぼ2ヶ月に一回のペースです。これらとは別にリリース後の不具合対応のホットフィックスが何回かリリースされています。OTAは「Ubuntu TouchのOver the Airアップデート」がいつのまにか「リリース」そのもの指すようになりました。「OTA-9」は9回目のアップデートですが、実質リリース番号です。AndroidやiOSに比べると回数は多めですが、細かい修正を繰り返し行なっていくという方針のようです。

こうやって並べて見ると、不具合修正やちょっとした機能の追加が多そうですね。その中でも一番大きいのは通常のデスクトップアプリケーションをそのまま実行できる「Desktop Apps」でしょうか。以前のリリースから使う方法は存在してはいましたが、OTA-11あたりでのソフトウェアキーボード対応、OTA-13でのコピーペースト対応など、通常のアプリと同程度の使い勝手に近づきつつあります。日本語キーボードの追加も今年の話でしたね。

Ubuntu Weekly Topicsを振り返ってみれば、MicrosoftがLinuxに向けに積極的に協力する年でもありました。まずはWindows 10でのAnniversary UpdateにおけるBash on Windowsのリリースがあげられるでしょう。Windowsの上で、LinuxのELFバイナリがそのまま動くということで、非常に大きな話題になりました。Bash on Windowsでは、標準のLinuxのルートファイルシステムとしてUbuntu 14.04 LTSが使われています。このルートファイルシステムは次の大規模アップデートではUbuntu 16.04 LTSに対応する見込みです。次のアップデートは年明けに予定されている、Creators Updateでしょうか。そういえばPowerShellのLinux版の提供も今年の記事でしたね。Linux版SkypeやらSQL Server on Linuxやら、いくつものMicrosoft製品がUbuntuでも使えるようになりつつあります。

Ubuntu本体では32bit版のサポート終了スケジュールなんて話も出ています。ユーザーには直接関係ありませんが、Core DeveloperであるpittiやdholbachのCanonicalからの転職も、時代の流れを感じさせますね。

情報技術としては、VRとDeepLearningが大きく躍進した年でもありました。VRについては、特にコンテンツ面でWindows/DirectXメインで進んでおり、Linuxは主にコミュニティ側でハードウェアの検証を進めているという状況です。そんな中、ValveはSteamVRをLinuxに正式対応させるというアナウンスも出していますので、来年以降はより簡単にLinuxでもVRを楽しめるようになるかもしれません。またValveに限らず他のベンダーも次世代グラフィックスAPIであるVulkan対応を視野に入れています。Vulkan対応がソフトウェアでもGPUドライバでも進めば、UbuntuでもWindows/DirectX同等のVR体験をできるようになるかもしれませんね。

VRと比べるとDeepLearningについては、Linuxが標準プラットフォームの地位を確立しつつあります。よく使われているフレームワークであるGoogleのTensorFlowや国産のChainerはいずれもインストールガイドにUbuntuが載っているぐらいです。DeepLearning系の入門書でも、最初のステップとして「Ubuntuをインストールしましょう」になっていることが多いようです。これを機にUbuntuユーザーが増えてくれるといいなぁ。いや大抵はMacでも動くんですけどね。

さて、2016年のUbuntu Weekly Recipeは、一昨年ぐらいから恒例となっているいくやさんによる「第404回 2016年のデスクトップ環境 」から始まりました。Ubuntu/Unityだけでなく、他のデスクトップ環境についても総ざらいしているので、Ubuntuや他のフレーバー、Ubuntu以外のLinuxディストリビューションのユーザーも、自分の使っているデスクトップ環境が一年でどう変わったのか振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。

2016年はこの第404回から第452回までの計49回の掲載でした。昨年の48回と同程度です。ペースをあげるという話はどこにいった。このままいけば2017年末ぎりぎりぐらいに500回に到達ということになりそうです。前回も述べたように、できればオフラインミーティングの時期に500回記念をあわせたいので、2017年は何回か特別企画をはさまないといけなさそうですね。

RecipeっぽいRecipe

Ubuntu Weekly Recipe」は「 Ubuntuの強力なデスクトップ機能を活用するための、いろいろなレシピをお届けします。 」とあるように、本来はUbuntuの(主としてデスクトップの)ソフトウェアやカスタマイズ方法を紹介する連載でした。今ではデスクトップやサーバーに関係なくUbuntu特有の機能を突っ込んで紹介したり、リリースごとの変更点のまとめ、イベントレポートなど執筆陣が思いついたものを自由に掲載していますが、今でもこのタイプの紹介記事はそれなりに存在します。

今年の記事でもっとも上記の説明に合致した記事はいくやさんによる第429回の「ウイルススキャンの結果を通知する」でしょうか。アンチウィルスソフトであるClamAVを使ってウィルスを検知させた上で、さらにターミナルマルチプレクサであるByobuに通知させるという手順の紹介ですね。単に便利なソフトウェアを紹介するだけでなく、便利なソフトウェア同士を組み合わえればさらに便利になるよという、お手本のような記事です。

便利なツールの紹介というカテゴリだと坂本さんが第425回で楽譜ソフトウェアでMuseScoreを紹介していますし、第406回では柴田が電子書籍作成ツールであるGitBookを紹介しています。また第422回で紹介しているwhiptailはCUI上で動くダイアログを作りたい時に便利でしょう。第410回は、おそらく読者も毎日のように使っているであろうsudoコマンドについて改めて使い方を紹介する記事です。

ちょっと変わったところだと、第409回ではいくやさんがWindows用のソフトウェアインストーラーを作るツールであるNSISをUbuntuで動かす方法を紹介していますね。必要性はちょっと思いつきませんけど、こういうこともUbuntuでできるんだという気付きにはなるはずです。Windows絡みだと、今年Linux向けにソースコードが公開されたPowerShellを動かす方法を第435回で紹介しています。

個人的な希望として、Recipeにはもう少し「作ってみた」系の記事を掲載したいという思いがあります。ただ作ってみた記事は、けっこう事前準備が大変で、ネタは思いついても後回しになりがちです。そんな中、坂本さんが第424回にてGUIアプリケーションを作る記事を書いてくれました。しかも同じ機能をPython 3、Ruby、ECMA Scriptごとの実装例を見せてくれていますし、Python 3についてはGTK+だけでなくQt5の実装コードも掲載しています。とりあえずサンプルを実行してみたい場合に、良いとっかかりとなるでしょう。また、その前の週の第423回では、ソフトウェアのパッケージングの話も坂本さんが執筆していますので、自分が作ったソフトウェアをパッケージ化したい人にとって雰囲気を掴めるかもしれません。さらに第426回第427回では、TwitterクライアントであるMikutterを読み上げるプラグインを「作って」います。坂本さんは、第423回から第426回まで5週連続で書いているんですね。ちょっと前に「事前準備が大変で」とか言っていた自分が恥ずかしくなってきた。

Recipeの定番記事の一つが「買ってみた・Ubuntuをインストールしてみた」ですが、今年は坂本さんが第432回で紹介しているHP EliteBook Folio G1だけでした。いちおういくやさんが第407回で書いてくれたXperia Z5とUbuntuとの連携も、広い意味では「買ってみた」に入るのでしょうか。ちなみに、今年の年末は大きな買い物をいた方をちらほら見かけるので、来年早々にもそのへんの話が読めるかもしれません。期待していますよ。

去年のRaspberry Pi 2に引き続き、今年はよりスペックアップしたRaspebbry Pi 3が発売されました。特にUbuntu 16.04 LTSは長期サポート版と言うこともあって、特にUbuntuフレーバーを中心にRaspberry Piサポートが続いています。そんな中、いくやさんが第421回第450回第451回などでさまざまな観点からUbuntuをRaspberry Piにインストール方法を説明してくれています。Raspberry Pi 2がリリースされた昨年に比べると、だいぶインストール方法が洗練されてきていますので、今一度これらの記事を参考にチャレンジしてもらえればと思います。

テーマ特化な連載記事

Recipeの記事は、おおよそ一回あたり数千から一万文字ぐらいの分量になっています。技術的な記事を書いた方ならわかると思いますが、これくらいの文字数だとちょっと丁寧に説明するだけであっという間に超えてしまいがちです。雑誌や書籍といった物理的な制約が存在する記事の場合、レイアウトやデザインにあわせて内容の取捨選択を行うことになります。しかしながらRecipeの場合は物理的な制約の少ないウェブ記事なので、著者が書きたいだけ書けるというメリットがあるのです。

とは言え、たくさん書いたからと言って原稿料が増えるわけでもありませんし、制約がないせいで内容が薄くなったり、発散してしまいがちです。読者としても一回の分量が長くなると読む気力が削られることでしょう。そもそも週刊連載で一回のボリュームを大きくすると執筆者・編集者への負担が大きくなります。つまり誰も幸せにならない可能性が高いのです。しかしながら特定のテーマに対して、一回では語りきれない量の話題が存在することもよくある話です。そんな事情を反映してか、今年のRecipeは「特定のテーマ」を三回以上にわけて掲載する記事がいくつか存在しました。

テーマ特化の最たるものは、いくやさんによる「LibreOffice 5.2特集」でしょう。まずは第434回においてLibreOffice 5.2の紹介に始まり、第436回ではImpressに特化した機能の紹介が行われました。第438回ではCalcについて単なる機能の紹介にとどまらず、Microsoft Excel 2016との実装されている関数の比較なども掲載されています。第440回はCalcではなくWriterで日本語をレイアウトする際のもろもろのテクニックの紹介です。第445回では「文書を構造化する」話に特化したWriterの記事で、第448回ではLibreOffice全般の便利機能を紹介してくれました。

せっかくLibreOfficeづくしから、これは自分もLibreOfficeネタを書かなくてはいけないのではという目に見えない神の啓示を受けて、LibreOffice Onlineの基幹機能を紹介する第437回とUbuntu PhoneでLibreOfficeを使うための第439回を書いてみました。前者については、はい、冒頭に『皆さんは「LibreOffice」というソフトウェアをご存知でしょうか(以下略)』って書きたかっただけです。ちなみにこれらのおかげで、9月は実質「LibreOffice Weekly Recipe」状態になっていました。

第441回第444回第446回はQEMUとセキュアブートの記事でした。もともとセキュアブート環境下の動作確認を仮想マシン上で行いたいという要望があって、それをひとつの記事として掲載する予定でした。しかしながらUbuntuではセキュアブートをどのように扱っているかや、セキュアブートを有効化するためにはUEFI対応ファームウェアが必要だけどもQEMUでそれを使うためにはどうすればよいのか、みたいにあとからどんどん書くべきものが膨らんできて三回に分割したという経緯があります。結局セキュアブートの有効化までで力尽きて、本来セキュアブート環境下でやりたかったことの記事は年内に掲載することはできませんでしたね。ただ手前味噌ではありますが、特にセキュアブートの仕組みを紹介した第444回については、今後のセキュアブート絡みのトラブルシューティングに役に立つのではないかと考えています。

Ubuntu 16.04 LTSのサーバー版では、コンテナ管理ツールである「LXD」が最初からインストールされることになりました。つまりUbuntuサーバーをインストールした直後から、ユーザーは簡単にシステムコンテナを作ることができるのです。LXDで作るシステムコンテナはDockerのアプリケーションコンテナと違い、「普通のUbuntu」がそのままコンテナの中で動く、より「仮想マシン」に近いコンテナです。もちろんデスクトップ版でもLXDをインストールすれば、同じことが実現できます。たとえば特定のアプリケーションをインストールしたいものの、日常環境に直接インストールすることはためらわれるときに、コンテナを作って隔離環境にインストールし、そこからX転送などで動かすといった方法が使えます。

Scratch 2.0の第416回やVivaldiの第420回、Kindleの第433回はいずれもその方法を使ってプロプライエタリなGUIソフトウェアをインストールしています。よってこれらも「LXD」というテーマに特化した記事と言えるかもしれませんね。LXDは個人的にデスクトップユーザーにとってもサーバーユーザーにとってもすごく便利な機能だと思いますので、今後もプッシュしていきたい所存です。ちなみにLXDについてはLXD 2.0: Blog post seriesも参照してください。

リリースごとの紹介記事

Ubuntuは半年毎にリリースしているので、半年毎に「 今回のUbuntuリリース! 」みたいな記事が書けるわけです。ただ最近はおとなしめのリリースが続いているため、ちゃんと追っかけておかないと記事にできるだけの変更点を把握できなかったりもします。

今年は冒頭にも書いたとおり2年ぶりの長期サポート版(LTS:Long Term Support)がリリースされる年でした。LTSでは、一つ前の通常リリースはもとより、前回のLTSからアップグレードをする方もいます。特に今回はLTS-to-LTSによって、Upstartからsystemdに変わるという大きなイベントが控えていました。幸いなことに、全ユーザーに影響するような大きなトラブルはなく、なんとかなったようではあります。ただ世界的にはまだ、14.04ユーザーの方が多いかもしれませんね。

さて、16.04のリリース前には、いくやさんが第415回において「Ubuntuを実機にインストールする際に注意すべきこと」という記事を書いてくれています。LTSに限らずUbuntuをインストール際には参考になる記事です。また第417回では定番の日本語入力関連の注意点の紹介、第418回ではUbuntu GNOME 16.04 LTSの記事をいくやさんが書いています。そういえば、Ubuntu 14.04 LTSと比べると、日本語入力も「IBus+Anthy」から「Fcitx+Mozc」に変わっているのですね。

Ubuntuユーザーだと、PPAをたくさん登録して使っているというユーザーもそれなりにいることと思います。そんなユーザーに向けて、アップグレードの前に一度整理してみませんか?と問いかけるために、第419回で「長期サポート版で改めて見直す,PPAとのお付き合い」を書いてみました。記事中のサブタイトルは頑張って考えたので、ぜひ読んでみてください。ちなみに個人的には、Ubuntuはアップグレードせずに毎回インストールする方が好みだったりします。そうすることで、インストール後に行なった設定・パッケージリストなどを整理・文書化した上で、何かトラブルが発生したときも比較的簡単にリカバリー可能な状況を維持できるためです。

Ubuntu 16.10は、表面上あまり大きな変更点はありませんでいた。でも、実際GNOME系のアプリケーション・ライブラリのジャンプアップやデスクトップセッションにおけるsystemdへの移行、netplanの準備、Unity 8セッションの標準インストールなど、将来的な影響度の大きそうな変更は多岐にわたっています。GNOMEパッケージのアップデートを受けて、第442回では、定番のUbuntu GNOMEの紹介をいくやさんが書いてくれています。また、第447回では、Unity 8セッションの使い方を紹介しています。でも正直なところ16.10のUnity 8は忘れてしまっていいです。今から試すなら開発中のUbuntu 17.10(zenial)を試すか、Ubuntu 16.04 LTSにsnapパッケージ版のUnity 8を試す方が確実です。

サーバーとしてのUbuntu

Ubuntuが一躍人気ディストリビューションの一角を占めるようになったのは、紛れもなくデスクトップ版のUbuntuの使いやすさによるものです。しかしながらサーバー版のUbuntuも現在はCentOSやDebianと肩を並べる勢いで利用されています。

そんなUbuntuサーバーのノウハウの紹介も、反応が良いカテゴリーの記事です。このあたりは実際にサーバー運用のお仕事をしている水野さんが、いろいろと面白い記事を書いてくれていますね(ここまで去年のコピペ)。実際に第412回ではパスワード管理Webアプリケーション「RatticWeb」の導入方法を、第413回では画像共有サーバーである「Gyazo」を導入する方法を紹介してくれています。

クラウドの隆興を支える仮想化管理システムも根強い人気トピックです。第430回では、大田さんがクラウド構築・管理ツールであるOpenNebula 5.0の新機能を紹介してくれました。5.0のリリースに合わせて、2年前の第345回第346回の記事を更新してくれたという形です。これまで書いたネタでも、新しくリリースされたからまた語りたいという希望はいつでも歓迎しますよ!

第405回では、自分で構築できるオンラインストレージサービスとしてPydioを紹介しました。そういえばownCloudの話もそろそろ古くなってきましたし、snapと絡めてNextCloudを紹介したいところですね。またサーバーでの利用がメインであろう、CanonicalのLivepatchサービスを第443回で紹介しています。

全然RecipeじゃないRecipe

如何せん8年以上500回近くも連載を続けていると、書いている方も普段とは違う雰囲気の記事を書きたくなってきます。第428回第452回のオフラインミーティングのレポートはその代表ですね。

レポートはここ数回チームメンバーが書いていたものの、せっかくだから参加者に書いてもらいたいという希望はありました。第428回でが「フォトレポート」となっているのは、写真中心の紹介にすることで、レポートを書きたい人のハードルを下げようという魂胆でもあります。幸いなことに、第452回では参加者のよこざわさんがレポートを書いてくれることになりました。今後もイベントを開催するごとにレポートの執筆者を募集していますので、ぜひ立候補をよろしくお願いいたします。

オフラインミーティングは関連イベントも含めると、今の会場になってからおよそ8回ほど開催しています。これだけ回数が続くと、「常連」と「新規」で「イベントについて知っている」内容に隔たりができてしまいがちです。イベント開催告知の際は、初めて参加しようと考えている人へ雰囲気が伝わればなと、これまでのイベントレポートのURLを掲載していました。そのおかげかどうかはわかりませんが、前回のイベントも「初参加です!」とATNDに記述してくれた方が多かったので、より汎用的なガイドとして第449回では実際にイベントを楽しむためのあれこれを書いてみました。知り合いをオフラインミーティングに誘う場合は、ぜひご活用ください。

今回も「まじめにふざけた」記事がいくつか掲載されています。第414回は、今年話題になったAlphaGoの対局シーンにUbuntuが出てきたことに着想を得て執筆した記事です。最後のズンドコについては、今となってはもう意味不明ですね。時事ネタという点では第408回も同じです。「芸術展」のニュースで展示にUbuntuが使われていたことから、本記事が生まれました。普通の生活でUbuntuが使われていたりすると、「#ubuntuinthewild」なんてタグがつけられてSNSに投稿されることがあります。この二つの記事はいずれも、そのタグから着想を得たのです。

第431回では、「1994年にリリースされたばかり」のDebian 0.91をインストールしてみました。当時Software Designにaptのパッケージングシステムの歴史について執筆する機会があり、その際に調べたことをRecipeに活用したというわけですね。

数字で見るRecipe

今年掲載された49回のうちUbuntu Japanese Teamの投稿が47回、ゲスト投稿が2回でした。ゲスト投稿は昨年と同じですね。チーム内の担当回数としては、柴田が21回、いくやさんが18回、坂本さんが6回、水野さんが2回という内訳です。柴田が減った分、いくやさんが増えた感じ?

はてなブックマークの総数は684件でした。2012年が1001件、2013年が1015件、2014年が755件で2015年が858件なので、だいぶ減っていますね。個別の記事のウケのよさを見るために、はてなブックマークの12月30日時点での状況を軽くまとめてランキングにしてみました1

順位 はてなブックマーク数(2016年) はてなブックマーク数(2015年)
1 第406回(68件)
Node.js製のGitBookでお手軽に電子書籍作成
第359回(53件)
Muninでサーバーのリソースを可視化しよう
2 第410回(47件)
あなたの人生を少しだけ豊かにするsudoの使い方
第364回(48件)
Raspberry Pi 2でDockerとownCloudを動かす
3 第413回(46件)
UbuntuでGyazoサーバーを構築する
第362回(46件)
Raspberry Pi 2でXubuntu 14.04を動かす
4 第424回(35件)
GUIプログラムをPython/Ruby/ECMAScriptで書く
第372回(44件)
Ubuntu Makeで簡単にAndroid開発環境を構築する
5 第417回(30件)
Ubuntu 16.04 LTSの日本語入力
第361回(40件)
Sensuでサーバーのリソースを可視化しよう
6 第405回(28件)
Pydioで自分専用オンラインストレージ
第395回(37件)
Ubuntu 15.10の日本語入力
7 第419回(24件)
長期サポート版で改めて見直す,PPAとのお付き合い
第363回(34件)
CSVエディターとしてのLibreOffice Calc
8 第422回(22件)
whiptailでCUIをグラフィカルにする
第371回(33件)
無線LANの電波環境を視覚化・改善しよう
9 第404回(21件)
2016年のデスクトップ環境
第387回(28件)
UbuntuでSSLを利用したサービスを構築する
10 第415回(20件)
Ubuntuを実機にインストールする際に注意すべきこと
第379回(27件)
Jujuを使ってJenkins環境を構築する

今年一番ブックマーク数が多かったのは第406回のGitBookのお話でした。え、よりによってなんでこの記事がトップなの? はてなブックマークも数が減ってきたせいか、ちょっと精度が良くないのかもしれません。とはいえ、他に使えそうな指標がないんですよね……。

こうやって表にしてみると、今年はLTSリリース年だったせいか、リリース絡みの定番記事が半分ぐらい入ってますね。これを機にUbuntuユーザーが増えてくれるといいなぁ(今回二回目)。

今年のRecipe一覧

まとめ

今年のUbuntu Weekly Recipeはいかがでしたでしょうか。読んだ記事・読んでない記事・書いた記事の振り返りとして参考になれば幸いです。

  1. この手のランキングは話題がタイムリーかどうかやタイトルがキャッチーかどうかといったことはもちろんのこと、一週間前の記事が良記事だったどうかでも変わってくるため、「内容の良さ」とはほとんど関係がないことに注意が必要です。どんなネタやタイトルに食いついてくれるのかなと考える際のとっかかり程度に思ってもらえれば。

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