この記事はMicrosoft Power BI Advent Calendar 2023の3日目の記事です。
Advent Calendarで年の瀬を感じる@kuwazzyです。本記事の連載も今年で6年目となりました。過去の記事はこちらよりご覧いただけます。
- Power BI コネクターアップデート情報 2022年版
- Power BI コネクターアップデート情報 2021年版
- Power BI コネクターアップデート情報 2020年版
- 2019年Power BI コネクターアップデート情報 2019年版
- 2018年Power BI におけるコネクタの役割と対応状況
それでは早速、今年はどのようなコネクタが追加されたかを見ていきましょう!
コネクタ数
今年は187と去年より一気に24増えました。記事を書き始めた2018年と比べると当時は94だったので2倍です。
全体のコネクタ数に対するベータ版の割合は今までは33〜34%だったのが今年となり29%と減少しました。GA(正式リリース)されたコネクタが多かったようです。
なお、本コネクターのアップデート情報はこちらのページより情報を取得しています。
新しいデータソース
今年もカテゴリ毎にどのようなコネクタが追加されたのか見てきます。
Azure
Cosmos DB v2がベータとして追加されました。v2ではDirectQueryとDataflowでの利用がサポートされたようです。
Azure HDInsightにHDFSおよびSparkに加えてAKS Trinoがベータとして追加されました。Trinoとは旧PrestSQLと呼ばれていたもので分散クエリエンジンの一つです。
Microsoft Fablic(プレビュー)
今回の目玉はこちらのMicrosoft Fablic用のコネクタが追加されたことでしょうか。Microsoft Fablicは私もあまりキャッチアップできていないので正確な情報ではないかも知れませんのでご了承ください。
KQLデータベースのKQLとはKusto Query Languageの略で、Azure Data ExplorerやAzure Log Analyticsなどで利用できる問い合わせ言語です。Microsoft FablicではKQLで利用できるデータベースを作成することがでできます。
Power BIセマンテックモデルについてです。「セマンテックモデル」というのは一般的にはデータベースの構造化形式を表す用語ですが、Power BIのデータセットがセマンテックモデルという名称に変更されたようです。
データウェアハウスは、Azure Synapse Warehouse、データフローはData Factory、データマートはPower BIのデータマート、レイクハウスはAzure Data Lake Storageでしょうか。
Power Platform
こちらは、Power BIデータフローに(レガシ)の記載が付与されただけのようです。
オンラインサービス
まずはじめに、Autodesk Costruction Cloudが追加されました。建設業界向けの建設・施工管理ソフトウェアです。
次は、CData Connect Cloudが追加されました。こちらは、私が所属するCData Softwareが提供する140を超えるクラウドサービスに接続するためのコネクタサービスです。同サービスを利用するとPower BIが標準でサポートしていないような140を超えるデータソースにもPower BIから接続してデータを取得できるようになります。上記Webページから30日の無償評価を申込み出来ますので是非お試しください。
Databricksコネクタが追加されました。元々Azure Databricsコネクタはありましたが、以下のリリースノートを確認するとAWS用のDatabricksに接続するためのOAuth認証対応を行ったコネクタのようです。
Dynamics 365(オンライン)が無くなり、Dynamics 365 Online(レガシ)となりました。
追加されたPlanview EnterpriseはPPMソリューションと呼ばれるプロセス自動化ソリューションです。これまではCMTとPRM、Power BI用Projectplaceと分かれていたものがArchitecture, IdeaPlace, OKR, Portfolios, Projectplaceと整理されたようです。以下の記事によるとAPIプロトコルはODataのようです。
追加されたProfiseeはMDMソリューションと呼ばれるマスタデータ管理ソリューションです。
Qucik Baseは削除されたものと思いましたが、日本語ドキュメントが「クイックベース」と翻訳されていただけでした。
削除されたspigitは先のPlanview Enterpriseに買収されてIdeaPlaceという名称となったようです。
Twilioは削除されたようです。
Workspace Analyticsの代わりにViva Insightsが追加されました。従業員のウェルビーイングと生産性の見える化に役立ちそうなコネクタですね。
最後の「じょうごグラフ」って何だろう🤔、それってチャートの種類じゃないのと調べてみたらFunnelというマーケティングのデータハブソリューションでしたw 納得
※製品マニュアルの「クリックブック -> Quickbook」「じょうごグラフ->Funnel」についてはこちらのデータソースリストのページからフィードバックを送信しておきましたので修正されているかもしれません
データベース
AtScaleはセマンテックレイヤーと呼ばれるビジネスで活用しやすいようにデータを定義するソリューションです。従来よりキューブへのアクセスが可能でしたが加えてモデルが追加されました。
Google BigQueryへの接続にAzureADベースのSSOでの接続が追加されました。
MongoDBについてはAtlas SQLというMongoDB側が提供したサードパーティコネクタが追加されました。MongoDBのPaaSであるAtlasのフェデレーションといった機能にも対応しているようです。
ファイル
ファイルについては変更はありません。
その他
BitSight Security Ratingというサイバーセキュリティのスコアを可視化可能なコネクタが追加されました。
Celonis EMSというプロセスマイニング基盤のコネクタが追加されました。
CloudBlue PSAを提供するCloudBlueはマーケットプレイスの収益管理プラットフォームを提供する企業で(確かな情報に辿り着けず)、CloudBlue PSAは、PSA(Professinal Service Automation)と呼ばれるカテゴリのソフトウェアのようです。
EduframeはCelonis社が提供するトレーニング提供者やビジネススクールが利用するLMS(Leaning Management System)のようです。
FactSet RMS(Research Management Solutions)は、ファイナンシャルデータの提供ソリューションのようです。
SingleStore Direct Query Connector 1.0は、SigleStoreというリアルタイム分散SQLデータベース向けのコネクタです。
Socialbakers Metrics 1.1.0は、emplifi社のソーシャルリスニングツール用のコネクタのようです。
SolarWindsサービスデスクは、クラウドベースのITサービスマネジメント(ITSM)プラットフォームです。
Wrikeは、プロジェクト管理を中心としたコラボレーション用のオンラインツールです。
まとめ
今年もざっとコネクタの追加情報をみてみました。来年の2024年はどのようなコネクターが増えるのか楽しみですね。また来年の「Power BI コネクターアップデート情報 2024年版」にてお会いしましょう👋