こんにちは、コネクター屋 @kuwazzy です。この記事は、Microsoft Power BI Advent Calendar 2020の2日目の投稿となります。今年で3回目の参加です。
過去の記事はこちら↓↓↓
それでは、早速、2020年のPower BIのコネクター周りのアップデート情報をみていきましょう!
データソース数
まずは、データソースの数の推移です。左下のグラフをみてみましょう。113から143と1年間で30も増えており、相変わらず凄い勢いで増えています。
次に、右上のカテゴリ毎の内訳をみていきます。Power BIがPower Platformというカテゴリ名に変わっただけで、Azure関連、SaaSなどのオンラインサービス、データベース、ファイルといった割合はほとんど変わりません。計画的に全体を増やしているように見えます。
最後に、右下のGA(リリース版)とBetaの割合です。こちらも割合は変わっていないということは、ベータ版でしばらく利用してもらってリリースしているとみて良いでしょう。
新しいデータソース
では、どのようなデータソースが増えたのか、カテゴリ毎にみていきましょう。もっと良いビジュアライズがありそうですが😅クロス集計表にしてみてみました。
Azure
まずはAzure関連のデータソースです。
翻訳の関係でカタカナとアルファベットの違い、バージョンの違いを除くと以下のデータソースが追加されていることを確認できます。
- Azure Database for PostgreSQL
- Azure Databricks
- Azure Synapse Analytics
- Azure Time Series Insights
- HDInsight対話型クエリ
Azureで提供されるデータベース、及び、データウェアハウスの拡充に追随しているのがわかりますね。Azureデータソースのバリエーションは流石です。
Power BI -> Power Platform
こちらは前述の通り、カテゴリ名がPower BIからPower Platformに変わりました。
Common Data Serviceは、オンラインサービスにあったものがこのカテゴリに含まれました。先日、Common Data Serviceの名称がDataflexに変更になるという発表がありましたので、直にこちらのデータソース名称も変更になるかもですね。また、Power BI データフローに加えてPower Platform データフローが追加されました。
オンラインサービス
続いて、SaaSなどのオンラインサービスのカテゴリをみていきます。
このカテゴリ内では以下のデータソースが新たに追加されました。この中で気になるデータソースとしては、Asanaはタスク管理のSaaSです。日本法人も設立され、国内でもユーザが多いようです。また、面白いのがZoho CreatorというPower Appsのような他ベンダーのノーコードアプリケーション構築サービスもサポートしている点です。
- Asana
- eWay-CRM
- FastSet Analytics
- Hexagon PPM Smart API
- LinkedIn Sales Navigator
- Palantir Foundry
- Power BI用 Projectplace
- Product Insight
- Spigt
- Witivio
- Workplace Analytics
- Zoho Creator
一方で、この以下のデータソースが無くなりました。
- comScore Digital Analytix
- MailChimp
- Stripe
- tyGraph
Facebookはみんながアカウントを持っているサービスだっただけに手軽に使えるデータソースとして利用していた方もいらっしゃったと思います。また、メール配信のMailChimpやオンライン決済のStripeなんかは国内のユーザも多いサービスだと思いますので要注意ですね。これらのデータソースをPower BIから利用したい方は、筆者が所属するCData Software のPower BI Connectorsをご利用ください😁
ついでに宣伝しておきますが、国内でよく利用されているオンラインサービス(kintone, Garoon, CloudSign, スマレジ, PCA, MoneyForward, Sansan)などのコネクタもあります!
データベース
データベースは、ファイルとともに利用者が多いデータソースですね。
以下のデータベースがデータソースとして追加されました。NoSQLとSQL両方を扱えるActianなど、多様なデータベースに対応を広げた印象です。また、MySQL互換のMariaDBは専用のデータソースとなりました。なお、Denodo、及び、Verticaはその他のカテゴリからデータベースカテゴリに移ってきました。
- Actian
- Data Virtuality LDW
- Denodo
- Linkar PICK スタイル / MultiValue Databases
- MariaDB
- Vertica
ファイル
ファイルのカテゴリに変更はありません。
その他
最後はその他のデータソースです。このカテゴリにはODBC、ODataといった標準規格のものの他に、データベースやオンラインサービスといったものも含まれていますので、いずれはそちらのカテゴリに移動するのかもしれません。
以下のデータソースが増えてますが、ほとんど初見です😅 その中でもいくつか取り上げると、Hive LLAPのLLAPはLive Long and Processの略で、Hiveを高速化したもののようです。また、Starburst Enterprise PrestoはPrestoのディストリビューションの一つのようです。TIBCO Data Virtualizationは、Denodoと同じようなデータ仮想化の製品ですので次回にはデータベースのカテゴリに移っているかもしれません。この中で一つ面白い取り組みだと思ったのがMicrostrategy for Power BIです。Microstrategyとはグローバルで利用されている大御所のBIツールです。他のBIツールのデータセットをPower BIで利用出来るという取り組みは面白いと思いました。
- Cognite Data Fusion
- FHIR
- Hive LLAP
- Jamf Pro
- Microstrategy for Power BI
- Shortcuts Business Insights
- Siteimprove
- Solver
- Starburst Enterprise Presto
- TIBCO Data Virtualization
- Vena
- Vessel Insight
- Zucchetti HR Infinity
マニュアルの拡充
この記事を書くのに気づいたことがあります。それは、データソース接続に関する製品マニュアルが、めちゃめちゃ丁寧に記載されている点です。どこにあるかというと「Power BI でデータに接続する ‐ ドキュメント」内の「攻略ガイド」です。データソース毎に接続時の手順や制約事項など事細かに記載されており、接続する時のトラブルシューティングにもとても役にたつでしょう。マニュアルのGithubのHistoryを見ると凄い勢いで追加されていることに気づきます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/connect-data/desktop-data-sources
まとめ
さて、今年もPower BIのコネクター周りの情報を振り返ってみました。3年目になると年末の恒例行事として自分の中でも定着してきました😊 日々アップデータされるPower BI、来年はどのくらいコネクター数が増えるのか楽しみです。トレンドから見ると、私の予想は180です。来年答え合わせをしましょう。それでは、来年「Power BI コネクターアップデート情報 2021年版」でお会いしましょう!