スピーカーケーブル MOGAMI 3103
をもちいたスピーカー内部ケーブル製作における終端処理をメモします。ここではファストン端子による終端処理を示します。
なお、ファストン端子として OYAIDE FTL-G
(金メッキ) を使用、接点改質材として CI-G100
を使用した例になっています。
完成系
この記事の終端処理の実施後は以下のようなスピーカー内部ケーブルが出来上がります。
使用するケーブル、ファストン端子
この記事では ケーブルに MOGAMI 3103、ファストン端子に OYAIDE FTL-G を使用します。
写真左側のケーブルが MOGAMI 3103 です。参考として右側に MOGAMI 3104 を示します。
MOGAMI 3103 とは
MOGAMI 3103 とは、 モガミ電線
の品番3103にあたるプロ用・マルチシリーズ・スピーカーケーブルです。
導体断面積 2.0、2.5、及び4 平方ミリの3種類および芯線数バリエーションのうちの一つに位置付けられており、 3103
は導線が2芯タイプになります。
導体は音響愛好家のあいだで有名な モガミ電線の NEGLEX
OFC
のロープ撚りで出来ており、非常に柔軟かつ丈夫で、アナログの高音質を保つとのことです。ジャケット材について、上品なタッチの黒のツヤ消し PVC(塩化ビニル) で極めて柔軟なものを採用しており、多彩なプロ使用に最適とのことです。
※モガミ電線のカタログから引用。
より詳細な仕様についてもカタログから読み取ることができます。
OYAIDE FTL-G とは
OYAIDE
さんが販売しているファストン端子です。
金メッキファストン端子を探しこちらのファストン端子にたどり着きました。
圧着工具をもちいて締め付けが可能です。
※私は何種類かのファストン端子を試した結果、今では FTL-G を愛用しています。
使用する工具
このケーブル終端処理にはニッパおよびケーブルストリッパーなどの器具が必要になります。
私は FUJIYA 770-150
および FUJIYA FA106
、小さいラジオペンチ、そして作業用クリップ を使用しました。
※作業用クリップがなくても作業は可能ですが、代わりに高い器用さが必要でしょう。
MOGAMI 3103 終端処理
MOGAMI 3103 を入手
MOGAMI 3103 を入手します。メートル単位の切り売りをしているオンラインショップなどを利用することができます。
※私は CABLECRAFT 音光堂
というオンラインショップから入手しました。
希望のケーブル長さで切り取り
作成するケーブルを希望の長さで切り取ります。
ファストン端子の取り付け
黒色の外皮を除去
黒色の外皮を剥きます。6cm 程度の長さを目安としました。
黒色の外皮を除去すると、内側に巻かれた紙が露出します。
内側に巻かれていた紙を除去します。
2色のケーブル+部材が現れる
紙を除去すると、2色(赤と黒)の皮で覆われた芯となる2本のケーブルなどが現れます。
余分な白色の部材を除去
この白色の部材は導線ではありません。この余分な白色の部材は除去します。
ファストン端子の準備
ファストン端子を準備します。ここでは OYAIDE FTL-G
を利用しています。
私は大手家電通販サイト(某カメラ的チェーン店)から入手しました。
ケーブルストリッパーで内皮を除去
ケーブルストリッパーで内皮を除去します。6mm 程度の長さを目安にしました。
ファストン端子でかしめる必要十分な長さで皮むきすることが重要です(音質に影響が出ます)。
接点改質材(CI-G100)の塗布
露出した導線部分に接点改質材を塗布します。この記事では終端のハンダ処理を行なっていないので、接点改質材は必要だと私は考えます。私は セッテンプロ(CI-G100
) という商品を使用します。
※CI-G100
の塗布により、高音域と弱音の音質が改善されました。(個人の感想です)
※私はCI-G100
は大手家電通販サイト(某カメラ的チェーン店)から入手しました。
※振って塗って、振って塗って、振って先端に塗って、と3回たっぷり塗布しました。
ファストン端子を取り付け
工具を使用してファストン端子を圧着します。
導線部分、ケーブルの皮の部分、共にしっかり圧着します。
そして、他の3終端についても、ケーブルストリッパーによる皮剥き、接点改質材の塗布、工具による圧着を同様に繰り返します。
完成図
ファストン端子を4ヶ所すべてつけ終えると、以下のようになります。
これでケーブルの終端加工は終了です。
スピーカー内部への取り付けイメージ
Z601(V2)への取付例を参考までに示します。
※ファストン端子が緩かったので、注意深くラジオペンチで微妙に調整しました。
※バインディングポストやスピーカーユニット端子を破損しないよう注意して作業しました。
感想
- MOGAMI 2534, MOGAMI 3104 を利用している環境下において、スピーカー内部ケーブルを 同じ MOGAMI NEGLEX OFC を導体とする MOGAMI 3103 を利用することにより統一感を得られました。
- MOGAMI
3103
、OYAIDEFTL-G
、接点改質材CI-G100
によって音の解像度の高さ、音の再現性の高さを得られました(個人の感想です)。 - 接点改質材
CI-G100
を使用しないケースも試しましたが、高音域と音のシャープさに課題がありました。MOGAMI 3103 を使用する場合は(ハンダ処理を行わない場合は)接点改質材などによる調整は必要なものだと考えます。なお CANARE 4S6G の場合には 接点改質材 の必要性はあまり感じませんでしたのでケーブル種類によるケースバイケースだと考えます(個人の感想です)。
自分の環境
- 当初、私の音響機器環境では FTL-G の特性は好ましくありませんでした。その時には FX-AUDIO- FX1002J+ を使用していました。
- パワーアンプの機種を FX-AUDIO- FX-98E に変更することによりかなり好みのサウンドが出るようになりました。SONY MDR-M1ST と比較しましたが、それほどは違和感ありませんでした。
- パワーアンプの機種・スピーカーケーブル・スピーカー内部ケーブル(終端処理の技法を含む)は各々のバランスで成り立つのだと改めて気づきがありました(個人の感想です)。
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