記事の背景
Webサイト検索で MOGAMI 3082 スピーカーケーブルの終端処理のしかたをあまり目にしなかったので、これは他の方の参考になるかもと思い、ここに記述します。
MOGAMI 3082 スピーカーケーブルは同軸型となっており、スピーカーケーブルの多数派とは型式が異なります。初見だと終端処理で困る方もいらっしゃるかもしれません。そういった方の役に立てば幸いです。
なお、この記事は、プッシュ式スピーカーターミナル (押して刺してハサむタイプ) の受け口での利用を想定して記述されています。
また、この終端処理の一部には、私の独自の処理方式が含まれますので、実際に終端処理される際には各人で咀嚼して工夫するようしてください。
ケーブルの皮を剥ぐ
(外皮で熱収縮チューブ処理する場合は) 熱収縮チューブを通す
あとの手順にある、外皮を熱収縮チューブ処理する場合は、この時点でチューブを通しておきます。
外皮を剥ぐ
最初にニッパなどで外皮を剥ぎます。私は 3.5 cm ほどを目安にしています。
写真からも読み取れるように、外側の銅線は、ケーブル切断面から見て時計回り(右回り)で巻かれています。
外側の銅線をまとめる
外皮と内皮の間にある外側の銅線を、作業しやすさの目的で軽くまとめます。
まとめる際に銅線が切れたり抜けたりしないように注意します。
内皮を剥ぐ
次に内皮を剥ぎます。私は 1.5cmほどを目安にしています。
私は、ケーブルストリッパーの 2 mm のゲージを頼りに剥いでいます。
銅線の太さを調整
ここからは私なりの独自な終端処理のやり方です。
これは、私の環境だと、全ての銅線はプッシュ式の口に刺さらなかったため必要な手順となります。線を細く調整するために以下のように半分ずつ束にわけて処理しています。
各銅線の群れを半分に束分け
同軸側の銅線の群れ、内皮と外皮の間の銅線の群れ、それぞれの群れを 各々おおむね半分に束分けします。分けられた束を、束その1、束その2、と呼ぶようにします。
この束分けされた銅線を、以下のように処理します。
束その1を時計回り(右回り)にねじる
束その1を時計回り(右回り)にねじります。
束その2を時計回り(右回り)にねじる
束その2を時計回り(右回り)にねじります。
束その2を束その1に時計回り(右回り)でトグロ巻き
束その2を束その1にケーブル切断面から見て時計回り(右回り)でトグロ巻きします。
後述の熱収縮チューブ込みの写真を示しています。(後工程で熱収縮処理をした後はチューブはスリム化する)
熱収縮チューブ処理その1
外皮寄り銅線を熱収縮チューブで 1.5 cm ほど覆います。
これは、強度を補い、かつ電気的短絡を防ぐのが目的です。
終端ハンダ処理
私は終端はハンダ処理するようにしています。これも私のなりの独自のやり方です。
- トグロ巻きおよびそれより先端をハンダ処理対象とします。
- ハンダゴテを 320度に設定して、さっと手早くひと塗りします。同じ箇所は二度塗りせず一発勝負とします。
- ハンダは極力少量とし、部分的な銅線の露出は許容する独自ルールとします。
ざっくりハンダ付けすることにより、ケーブルがほどけて絡まることを抑止するのが目的です。
※注意:ハンダ付けにより音質に変化が出る場合がある。
熱収縮チューブ処理その2
内皮からの分岐箇所について、補強のため 2 cm ほど熱収縮チューブ処理します。
これは分岐の箇所で銅線が切れたり電気的短絡したりすることを防ぐ目的です。
まとめ
MOGAMI 3082 スピーカーケーブルの終端処理をこれからはじめて処理する人には役立つかもしれない、と思い記載しました。
MOGAMI 3082 は MOGAMI OFC 銅線を利用している魅力的なスピーカーケーブルですね。
私は CANARE や BELDEN のスピーカーケーブル複数種類を試したのちに、MOGAMI 3082 が私にはベストとの結論を得ました。現在は 最優先で MOGAMI 3082 を利用しています。
さらに私は LINEケーブルは MOGAMI 2534、マイクケーブルは MOGAMI 2549 というように、ケーブル類の基本型を MOGAMI で染めています。MOGAMI OFC すてきです。
みなさまが、すてきな MOGAMI 3082 体験を持っていただけることを祈念します。
参考
MOGAMI 3082 の仕様
MOGAMI カタログから
- 銅線は 外側、内側ともに80本ずつ。
完全な MOGAMI カタログ
モガミ電線 (ogami Wire & Cable Corp) について
- 現在は 沖電線グループ 傘下 (2015年に全株式を取得)
- MOGAMI工場紹介ビデオ