概要
- Windows が乗っているPCにおいて、Windows 環境を残したままよく使用される Linux(Ubuntu) 環境構築方法は、次の4点ある。
- WSL
- デュアルブート
- Hyper-V
- Virtual Box
- それぞれの特徴と環境構築方法について記載する。詳細な環境構築方法は、各節の参考を参照。
1. WSL
1.1. 特徴
- PowerShell から簡単に仮想環境を作成できる。
- Windows のファイルシステムから WSL の仮想ディスクにアクセスできるため、データのやり取りが容易である。
- WSL で GUI を動かすには少し設定が必要である(この記事では扱わない)。
1.2. 環境構築方法
Windows 10 に対する環境構築方法を記載する。
(Windows 11 はもっと簡単に環境構築できるはず。時間があれば追記予定。)
- PowerShell を管理者権限で開く。
- 次のコマンドで Linux 用 Windows サブシステムを有効にする。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
- 仮想マシンの機能を有効にする。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
- PCを再起動する
- インストールできるディストリビューションを確認する。
wsl --list --online
- インストールを実行する(例:Ubuntu-22.04の場合)。
wsl --install -d ubuntu-22.04
- インストールが進むと Ubuntu が起動するので、ユーザー名やパスワードを設定する。
1.3. 参考
- Windows Subsystem for Linux(WSL)上にUbuntu 22.04 LTSをインストールする(次世代シークエンサー DRY解析教本 改訂第2版_勉強の足跡その2)
- WSLの有効化
2. デュアルブート
2.1. 特徴
- ドライブ自体を Windows 環境と分離する。
- 演算リソースをフルに使用できることが利点である。
- OSの切り替えには再起動が必要である。
2.2. 環境構築方法
BitLocker の無効化と高速スタートアップの無効化を実施済みとする。
- 次のいずれかのサイトから Ubuntu イメージファイルをダウンロードする。
[公式] https://ubuntu.com/download/desktop
[日本語版] https://www.ubuntulinux.jp/download/ja-remix - DVD 等のディスクに、手順1でダウンロードしたイメージファイルを書き出す。
- 書き出し済みのディクスをPCセットした状態で、PC を再起動する。
- 再起動直後の PC ロゴ画面で DEL キーや F10 等を連打してブートメニューを表示する。
- セットしたディスクを選択すると、Ubuntu のインストーラーが起動するので、後は指示に従い、パーティションの設定等を実施する。
2.3. 参考
- [メモ]Windows11とUbuntu22.04でデュアルブート環境を作成する
- [Windows で Ubuntu をインストールしてデュアルブートする方法] https://ja.linux-console.net/?p=31659
3. Hyper-V
3.1. 特徴
- 複数の OS を実行することができる。
- 複数の仮想環境の管理が容易である。
3.2. 環境構築方法
- 「2. デュアルブート」と同様に、Ubuntu のイメージファイルをダウンロードする。
- [コントロールパネル] ) [プログラム] ) [Windowsの機能の有効かまたは無効化] から Hyper-V を有効化する。
- PC を再起動する。
- Hyper-V マネージャーを起動し、次の手順で新規仮想マシンを作成する。
[Hyper-V マネージャー] ) [PC名] を右クリック ) [新規] ) [仮想マシン] - 仮想マシンを設定する。
- 「名前と場所の指定」: 適宜好みで修正する。
- 「世代の指定」: 第2世代を選択する。
- 「メモリの割り当て」: 4096 MB に設定する。
- 「ネットワークの構成」: 指定がなければ「Default Switch」を選択する(NAPTを設定したい場合は別途設定が必要)。
- 「仮想ハードディスクの接続」: サイズは 25GB 以上で、適宜好みで設定する
- 「インストールオプション」: 「ブートイメージファイルからオペレーティングシステムをインストールする」を選択し、手順1でダウンロードしたイメージファイルを指定する。
- 後は説明に従い、インストールを進める。
3.3. 参考
4. Virtual Box
4.1. 特徴
- 複数の OS を管理することができる仮想化ソフトウェアである。
- Hyper-V と似ていて、個別に仮想環境 OS を作成、切り替え、削除ができる。
- 簡単に環境構築できるのは利点であるが、アンインストーラーによるアンインストールでは完全に Virtual Box を削除できないため、あまりお薦めしない。
参考: 'VirtualBoxを完全にアンインストールしたいんだが...'
完全に削除するには、次の操作が必要である。- "C:\Windows\System32\drivers"の"VBoxDrv.sys","VBoxNetLwf.sys", "VBoxUSBMon.sys"を手動で削除
- "C:\Users\ユーザー名"の".VirtualBox", "VirtualBox VMs"を手動で削除
4.2. 環境構築方法
Ubuntu 20.04.6 の環境構築方法について記載する。異なるバージョンのUbuntu環境を作成したい場合は、適宜インストーラーファイル等を変更する。
4.2.1. Virtual BOXのインストール
- 「Microsoft Visual C++ Redistributable 2019」を次の URL からダウンロード&インストール。
Visual Studio Tools のダウンロード - Windows、Mac、Linux 用の無料インストール
https://visualstudio.microsoft.com/ja/downloads/#microsoft-visual-c-redistributable-for-visual-studio-2022 -
Oracle VM VirtualBox から VirtualBox をインストールする。
ダウンロードリンク:https://download.virtualbox.org/virtualbox/7.0.10/VirtualBox-7.0.10-158379-Win.exe
4.2.2. Ubuntuのイメージファイルをダウンロード
- 次の URL から「Ubuntu 20.04.6 LTS」の「64-bit PC (AMD64) desktop image」をダウンロードする。
https://releases.ubuntu.com/20.04/
4.2.3. Virtual Boxの起動とUbuntuのインストール
- 「名前」は、適当に付ける(例:Ubuntu)。
- 「ISO Image」は上でダウンロードした「ubuntu-20.04.6-desktop-amd64.iso」を選択する。
- 「次へ」を押す。
- 「Username」と「Password」を設定する(何でもよい)。
- 「次へ」を押し続ける。