「AZ-104: Microsoft Azure Administrator」に合格したので、その勉強方法を記載したいと思います。
#■AZ-104: Microsoft Azure Administratorとは
Azureの管理者用の資格です。サーバやコンテナの構築・管理、監視やバックアップ方法等、Azueの全般的な内容を包括しており、ほかのAzure資格に派生する中核的な資格のように思います。AZ-900を取得したあとに取得するのが順番的には良いかと思います。
公式には以下の証明となることが記載されています。
この試験の受験者は、Azure のコア サービス、Azure ワークロード、セキュリティ、およびガバナンスについて十分に理解しているとともに、Azure の管理に関する少なくとも 6 か月の実務経験が必要です。さらに、このロールには、PowerShell、Azure CLI、Azure portal、Azure Resource Manager テンプレートの使用経験が必要です。
「AZ+認定資格」で検索すると以下の10資格が表示されます。
「AZ104」は5つの中級クラスのうちの1つになります。
一覧表にすると以下のようになります。
AZ-600は名前に「Associate」と付くのに「上級」であったり、Microsoftの資格は複雑です。
AWSの認定資格と比較した場合、「AZ-900」と「AWSクラウドプラクティショナー」はほぼ同じ位置付と思います。しかし、「AZ-104」と「AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト」が同じ位置付かと言うとそうではありません。AZ-104にはデータベースなどが含まれておらず、管理面に特化した狭い範囲の内容になっているイメージです。
資格コード | 資格名 | 難易度 | 対象 |
---|---|---|---|
AZ-900 | Azure Fundamentals | 初級 | 管理者 |
AZ-104 | Azure Administrator Associate | 中級 | 管理者 |
AZ-500 | Azure Security Engineer Associate | 中級 | セキュリティエンジニア |
AZ-220 | Azure IoT Developer Specialty | 中級 | 開発者 |
AZ-140 | Windows Virtual Desktop Specialty | 中級 | 管理者 |
AZ-204 | Azure Developer Associate | 中級 | 開発者 |
AZ-120 | Azure for SAP Workloads Specialty | 上級 | 管理者 |
AZ-600 | Azure Stack Hub Operator Associate | 上級 | 管理者 |
AZ-303AZ-304 | Azure Solutions Architect Expert | 上級 | ソリューションアーキテクト |
AZ-400 | DevOps Engineer Expert | 上級 | DevOps エンジニア |
#■筆者情報(2021年4月:試験勉強開始時点)
・インフラエンジニア。
・AWS資格はプロフェッショナルを含め6資格取得済み(体験記)。
・「AWS認定 機械学習-専門知識-」合格済み(体験記)。
・「AWS認定 セキュリティ-専門知識-」合格済み(体験記)。
・「AZ-900:Azure Fundamentals」合格済み(体験記)。
・「MS-900:Microsoft365 Fundamentals」合格済み(体験記)。
・「AI-900:Microsoft Azure AI Fundamentals」合格済み(体験記)。
#■受験動機
以前よりAzureの資格を取得したいと考えており、前年度にAZ-103(AZ-104の旧資格)を取得しようとしていました。しかし他の資格試験を優先する必要があり、取得を断念していました。今年度に資格勉強する時間が取れたため、1年ぶりにAZ-104資格の取得に挑戦することにしました。
#■勉強方法と活用した教材
以下の教材を活用しました。
教材名 | 区分 | 勉強方法 |
---|---|---|
Microsoft Docs(公式) | Web(無料) | まずはDocsという公式サイトにアカウントを作成してログインしました。ここはAWSで言うこところの「AWS Training and Certification」です。トレーニングを実施したり、資格試験の申し込みや、資格情報の管理を実施するサイトです。 |
試験 AZ-104(公式) | Web(無料) | 試験の説明が記載されています。ラーニングパスも掲載されています。 |
Azureアカウントの作成 | Web(無料) | ラーニングの際にアカウントが必要になるので、作成は必須です。ただ、試験勉強をする際に一番有効なのは、実際の環境をさわり倒すことです。ですので、環境を触り倒しましょう! 私はAWSを理解していたのでAWSとAzureの違いは何か?と言う観点で色々触っていました。その内容は別途投稿した「AWSと比較するAzure環境構築(アカウント作成~仮想マシン起動まで)(2021年5月時点)」に纏めています。AWSの知識がある方はご確認ください。この差異が分かるとAzureを理解しやすくなると思います。 |
ラーニング | Web資料(無料) | マイクロソフトがAZ-104を受験する人は、これで学習するようにHPに記載しています。試験内容に沿っており、ラーニングの中に操作訓練等もあるので、実施すると効果的です。 ただ、無料だけのことはあり、日本語が分かりにくかったり、画面が古かったり、演習通りに操作してるのにうまく動かなかったり、色々と問題もあります。そこは無料と割り切って、演習で動かない場合はその部分は飛ばすくらいで進めた方がよいと思います。 ・管理者向けの前提条件 ・ID とガバナンスの管理 ・ストレージの実装と管理 ・コンピューティング リソースのデプロイと管理 ・管理者向けの仮想ネットワークの構成と管理 ・リソースの監視とバックアップ |
AZ-104 Microsoft Azure Administrator (短縮3日) | 研修(有料) | オンライン研修です。AZ-104に関しては色々な講座がありますが、私は「エディフィストラーニング株式会社」の講座を受講しました。 理由は2つです。 ・他社が4日間で実施している講座を3日間に短縮しており、仕事への影響を最小限にできるから。 ・1日少ない分、金額も安くて会社に補助してもらいやすいから。 安いといっても価格は19万円です。 しかし受講する効果が大きいと思います。 クラウドの資格には「この試験勉強の際には研修受けた方がよいよ!」というタイミングがあると私は思っています。例えばAWSなら「AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト」受験の際の「Architecting on AWS」です。この試験自体がAWSの全般的な内容に対する試験の為、この研修を受けることでAWSの全体像が理解できて、効果抜群でした。 そしてAzureではそれがAZ-104のタイミングでの研修だと思います。この試験がAzureの全般的な範囲の試験となっているからです。是非、会社を説得して、費用を会社負担にしてもらってください。 その効果の詳細は別途記載します。 |
AZ-104 - Microsoft Azure Administrator Practice Tests 2021 | Web問題集(有料) | 試験に備えて模擬問題を解くことは非常に重要です。私はUdemyの講座を購入して勉強しました。Udemyはタイムセールで60%引きくらいのセールを定期的に実施するので、セールの時に購入することをお勧めします。 この問題集のよいところは以下の通りです。 ・問題異数が52問×6試験=312問もあり、多くの模擬問題を解ける。 ・回答に画面のハードコピーや解説URLが記載されており、非常に丁寧で解りやすい。 ・時間測定しながら問題を解けるので、本番を想定した試験勉強が可能。 この問題集を毎日やり続けて、ほとんど100%正解できるところまで対策しました。 注意点は英語の問題集という点ですが、Webブラウザの翻訳機能を使えば問題なく利用できます。 |
#■「AZ-104 Microsoft Azure Administrator (短縮3日)」の効果
先ほど受講した方がよいと記載した研修ですが、以下の効果があります。
###効果1:AZ-104の教科書を入手できる
受講者は「AZ-104管理者」という教科書が手に入ります。これが日本語で解りやすい。マイクロソフトのラーニングは正直日本語が分かりにくく、情報を検索するのも大変です。この教科書は章単位で分割して記載されており、重要なところは図で纏められているのでとても解りやすいです。試験勉強をしていて解らないところをすぐに確認出来て、大変活躍しました。正直、この教科書だけ売ってほしいところです。AWSとは違いドキュメントが圧倒的に少ないAzureは貴重な資料だと思います。
###効果2:AZ-104演習マニュアルが入手できる
受講者は「AZ-104演習マニュアル」を入手できます。230ページくらいのボリュームで非常に解りやすく記載されています。最も重要なところは研修前に講師が全部チェックして、動作することを確認しているところです。
マイクロソフトのラーニングは更新が追い付いておらず、記載通りに実施してもエラーになる、動かない、画面が違う、という問題が多発して、それに多くの時間を費やします。そのストレスが無く学習だけに集中できるのが何より大きいです。Azureは画面操作や表示も頻繁に変更になり、実際に研修の際にも何か所も変更箇所がありましたが、講師の方の説明があったので、問題なく研修を進めることができました。
###効果3:Azure研修用アカウントが提供される
Azure研修用アカウントが提供されます。1か月は使い倒すことができるので、研修が終わった後も利用できます。10,500円のクレジットがついているので、使い倒せます。私は自分のAzureアカウントはクレジットはなくなっていたので、この研修用アカウントを使い倒しました。演習マニュアルで操作の復習をすることで、理解を深めました。
###効果4:講師に質問できる
疑問があったら質問して講師が即時で回答してくれるのが大きいです。講師が即答できないことは確認して後から回答してくれます。ここで、疑問を一気に解消することができます。
ここで重要なことは、「マイクロソフトのラーニングを一通り実施してから、この研修を受ける」という点です。この研修は短縮して3日間なので進みが早いです。あまり理解せずに挑むと演習の時には画面入力に追われて、何も習得できない状況に陥ります。事前にラーニングを終了させて、復習のつもりでこの研修を受講するべきです。その場合、だいたいの操作は理解しているので操作で悩むこともなく、知識の上澄みと疑問の解消に専念することができて、この演習を受ける効果を最大化できます。ここは私は一番のポイントと思う点です。けして、全く勉強せず「この研修で1から勉強すればよいや!」といった自爆行為はしないでください。
#■受験(2021年5月:合格)
ポイント | 内容 |
---|---|
試験会場 | 試験会場は「ピアソン VUE」の会場から選択できます。 |
所感 | 問題内容については記載できません。150分の試験でしたが、残り20分くらいで見直しを終了して試験終了しました。その瞬間合否が画面に表示されます。 |
結果 | 余裕をもった点数で合格でした。 |
#■感想
今回の試験勉強では研修受講が大きなポイントでした。本当にAZ-104の研修受講は受講する意味があると思うので、試験を受ける人は受講を検討した方がよいと思います。研修で提供される「AZ-104管理者」の教科書はその後も利用できます。私もAzureで解らない時はこの教科書をみるようにしています。Web版として提供されるのでスマホからでも閲覧でき、とても良いツールだと思います。
以 上