前略、退職します。そんな実はいわゆる「退職エントリ」なのですが、会社の皆様へのお礼がてら。結論から書くと 「発信」することで自分の可能性と視野が広がるよ、発信は良いぞ、という話(ポエム)です。「自ら~」は有名な リクルート社 の言葉ですね(私はリクルート社のひとではありませんが)。純粋に好きで自分の感情にフィットするのです。
↑退職を伝える社内Slack
とてもとてもお世話になりました
自己紹介と経歴
2003年、新卒入社以来「ERPの開発」所属20年目。上海赴任経て2児の母をやっています。20年の構成成分は以下です。「発信活動」はそのうち10~20%くらい。およそ赤線の成分内にやっています。
だから、8割はインプットの人です。なので全くすごいことはありません。学びを結果に変えるアウトプット大全 という本では7割アウトプットすら奨められているようで。インプット・アウトプット半々くらいでよいのではと思って過ごしているくらいの人です。
発信活動
そんな私のお勧めは 誰でも始められる!発信活動を継続しながら楽しく成長する方法(Microsoft Build 2022) - Qiita
- ぶっちゃけプライベートで勉強するのは嫌
- 仕事で必要にせまられてプライベートでしぶしぶ勉強していた
- 仕事は真面目に頑張っていた
- 仕事にやりがいを持っていた
好きな記事です。「仕事 = 勉強」、とても幸せで素敵なことです。しかし。
ただ、ある時、何のために働くのかを考える出来事がありました。人生の中で仕事が最も大変でめちゃめちゃ忙しい時期がありました。
その頃は、娘が1歳で、家庭においても育児でなかなか大変な時期でした。1年以上、友人と会う機会もすべて断っていて、それほど心の余裕を無くしていました。
娘が雑に折られた折り紙で一人で遊んでいるのを見かけました。数ヶ月前に、私が心の余裕がない中で、雑に折ったペンギンの折り紙でした。そんなものを娘がずっと大事にして、一人でそれで遊んでいるのを見て、自分は何をしているんだと思って泣きました。
その時、私は自分にとって大切な事は何なのか、働く理由を考え直しました。家族との時間を大切にして、家族と幸せになる事が一番大切だと思いました。
上司に相談してプロジェクトの計画を変更してもらい、自分の業務量も減らしてもらい、家族との時間が確保できるようにしてもらいました (ホワイトな会社で良かったです)。
- 家族との幸せを維持する上で、自分はとても危うい状態である事を痛感する
- 今のままの自分では、今のチームでしか役に立たない人材だと感じる
- 会社に依存し過ぎだと気づく
- 当時の職場環境はホワイトだったから良かったものの、常にそうである保証はない
「自分の視野はとても狭く脆い」
私が筆者(小島さん)と年代が近いせいもありますが、よくわかります。きっかけは人それぞれでしょう、良い悪いでもないです。が、私も子育てをしはじめ、ブランクを経て保守の現場に戻ったことで、そういう立ち止まる時間がありました。「このテーブルのこのフラグの意味を知っていて、この会社でうまい稟議の回し方を知っていて、なにか私はスゴイのか...?」ふと自分の視野は狭いなとおもわされました。
発信は良いぞ
で私の場合。ちょうど会社でもテックブログ活動が盛り上がり始めました。だから発信という活動を私も勧めるのですが、私の場合は以下が特に鮮烈に印象深い経験でした。
Delphiなんかで開発していて恥ずかしくないの? - Qiita
失礼なタイトルですね。だから刺さったのだとおもいます。アンサー記事をもらいました。
Delphi なんかで開発していて恥ずかしくないよ? - Qiita
この記事を読むと(なぜか) Delphi がやり玉に挙げられただけで別に Delphi をことさらおとしめている訳では無いようです。
とはいえ、恐らく昔ながらの Delphi しか知らないのかな~と思います。ということで、拙作 Delphi Community Edition の記事からの抜粋になりますが、まずは最近の事情を紹介します。
そうだな。悪いのはDelphiじゃないです。
単にもどかしかったのはDelphiから未だに変えられない知識不足や能力不足な現状です。だから素直に感動しましたしとても嬉しかったです。そういえばこんな話も読みました。
ご存じの方ももしかしたらいるかもしれない。内多勝康さん、読んでいただけばそのままなのだが今は医療福祉の世界で働いているらしい。
最初の1年間は、しんどかったですね。ハウスマネージャーは、もみじの家の管理や運営にあたる事務職です。ところが、ぼくには、ちゃんと事務の仕事をした経験がありませんでした。
事業計画をたててくださいと言われても、どんな資料をつくればいいか、わからない。パソコンソフトのエクセルも使えない。「もうちょっと自覚をもってください」としかられました。
50歳をすぎて怒られるって、あんまりないじゃないですか。へこみましたね。次になにをしたらいいか、どこに情報があるか、つかむまで1年かかりました。
やっぱり自分の視野は狭かった
さて自分はその後1人アドカレしたりOSSに手をだしてみたりしました。2021年度には、Qiitaから賞を頂きました (Top Contributor)。嬉しかったです。最近は DevRel という専門職もなかなかに知名度が上がっていますが、私は開発者本人による発信が何より最強、DevRelの役割とは最高のファンでいること、という位置づけだと思っていて。個人の発信にまさるものはありません。なにより面白いとおもえる原動力は「反応」をいただけることです。
いえ、有名人に限らず元同僚、とても物理的に離れた地域の開発者。時として海外。誰とも公平に繋がれる、こういったことこそインターネットと我々の業界の強みですね。とりわけ私は会社のためだとかは全く考えていません。自分のためにやっています。社外の開発者とつながって反応をもらえるというのはただただすごいことです。
インターネットは怖いなんて思う方もいるかもしれません、しかしそんなのは本当にごく一部です。技術と事実に誠実に真摯に自分が取り組んで書いているなら、圧倒的大多数の普通の人たちは驚くくらい好意的でポジティブなコメント、有益なアドバイスをたくさんくれる存在です。発信しないと勿体ない。
同時に最近、製品でフィードバックを味わえてなかったこと、自分がこういう反応を開発として渇望していることにも気づきます。もっとお客様からフィードバックがほしいななどとも…
↑自分を育ててくれたのは製品ユーザーからのフィードバックそのものだと思う
原点
小さい頃は、物を書きながらダラダラ暮らしたかったです。
出版社とか新聞社とか入りたくって入りたかった就職氷河期世代のド文系です。就活たいへんだった。今の会社にいられて良かった。でもそれらが原点。
もう少し抽象化するとその原点ってのは「周りに好影響をもたらしたい」です。
というかもたらせる人になりたかったんだよなと思っていました。
アドカレ書いていたら夢が叶う話 - 未経験文系卒女性駆け出しエンジニアのその後 - Qiita
小さい頃から別にプログラマになどはなりたくなかった、が、いつのまにかその魅惑的な世界にのめり込まされ、ただただ目の前に必死でした。しかしいつのまにか自分も「発信」して好影響を与えることができるようになっていた。記事では20年越しで「夢が叶う」と大げさに表現してみましたが、本音です。嬉しかったです。と同時に「叶った夢の次」を考えるようになりました。
来年はもうすこしまともにミッションを開拓し良いね・良くないね・マサカリ・ダメ出しもらいながら引き続き お金を稼げるよう 頑張る
と書いたけれど、自分の人生は自分で開拓しないといけないよなあ?
つよぽん @w_tsuyopon_m
自分のスキルレベルはゴミクズだと判明しました
ここからここから、そのための転職
こっそり引用してしまうが、元同僚のつぶやきです。よくわかります。20年かけて保守、機能強化、海外赴任まで不相応なチャンスも、オポチュニティも、たくさんもらいました。
新卒で「ベンチャー」に入って良かったこと
が自分ごとき、開発者という枠で考えると信じられないくらい井の中の蛙です。やっぱり自分のゴミカスレベルをどうにかしたい。だから今度は開発として、修行に出たいと思うのです。
ふと気づけば娘は来年小学生。おかーさんも一足先に1年生になっちまおう!
上海に赴任するときもちょうど同じように思ったし、上海は楽しかった。今回も次の行き先に本当にワクワクします。
「で、なにやんの」
カスタマーサポート開発です。
って書くと「うわ勘弁...」の声が出がちだと勝手に想像します。
ですが、強く否定しましょう。偏見です。
自他に「対抗する」テクニカルサポートの目次 - Qiita
「レガシーのメンテばかりは嫌だ」と言う学生さんへのマジレス - Qiita
「良いFAQの書き方」を読んだので、その要点 - Qiita
開発チーム的「電話の取り方」 - Qiita
「ザッポス伝説」を読んで、カスタマーサポートにも活かしたい「アマゾンを震撼させた靴屋さん」の考え方 - Qiita
割と本気で、SaaSな時代、カスタマーサポート含めてお客様はソフトウェアを通じた体験を買って使ってくださるもの、トラブルや要件とは次の製品のアイディアの種そのもの 、その先端で技術で貢献できる役だとおもっています。ドキュメントを整えたり発信したり、もちろん技術を追求することも、この界隈をまだまだ、掘り進みたい野望があります。
「エンジニアはテクニカルサポートを絶対にやったほうがいい」 - カスタマーサクセスエンジニア論 - Qiita
現状の製品に足りない部分がわかる
現状の課題を根本解決する新機能を考えることができる
新機能をリリースする圧倒的なモチベーションが得られる
自ら機会をつくりだし自らを変える
そろそろタイトル回収します。当記事タイトルの言葉、この言葉が昔から好きでした。
機会は自分で作らないといけない。なんとなくインターンシップの成り行きで入った弊社だったが、行き当たりばったりな文系卒普通の人を業界の端っこに居座らせてくれたことにとてつもなく感謝しています。300人足らずだったどこの馬の骨だかの怪しい会社がどんどん大きくなり、日本の大企業と言われるお客様に対等に真剣に製品を提供する様子をともにできました。私自身も沢山怒られながら紡いだ経験です。そして 発信 することで意外や意外、技術の世界に新たな次の「機会」を見つけられた。
20年かけて私なんぞに機会をつくりださせてくれてありがとう。
目標: グレース・ホッパーおばちゃん 、
“最高齢アプリ開発者”若宮正子さん 「お荷物社員と言われたけれど・・・」
今度はちゃんと意思を持って外の、普通の、技術と製品を見てきます!「ここで働かせてください!」だな...。ベンチャーとしての会社に入社してだいぶアクの強いまま野蛮におとなになったような組織にいたので、何をどこまでやったら怒られるのかにはかなり興味がありますが、引き続き元気にやっていきます。皆様もお元気でいきましょう : https://twitter.com/e99h2121
参考: 発信は良いぞという話
技術記事を書かないプログラマへ向けた記事
「技術記事を書きたい気持ちはあるけど時間が・・・」という葛藤を乗り越える - Qiita
「技術記事って、別に書かなくてもよくないすか?」 - Qiita
誰でも始められる!発信活動を継続しながら楽しく成長する方法(Microsoft Build 2022) - Qiita
業界の端っこより "Respect" を込めて。どうもお粗末さまでした!!!
オマケ
こちらこそ本当にありがとうございました
以下お約束的なやつ、
40代新人頑張ります!