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「エンジニアはテクニカルサポートを絶対にやったほうがいい」 - カスタマーサクセスエンジニア論

Last updated at Posted at 2020-12-09

エンジニアがテクニカルサポートを絶対にやったほうがいい5つの理由 という記事を読み、敢えて違和感を持ったので書く。結論を先に書く。エンジニアなのにテクニカルサポートすら出来ないで、本当に売れる新機能を作れると思ってるの? なのである。

サポートエンジニアとは

「顧客がプロダクトを利用する際に発生した問題を、技術的なサポートを通して解決する」職業

この定義に従うと私もサポートエンジニアの1人だ。
やったほうがいい理由は5つある、と記事では述べられている。その5つとは

  1. 広範なエンジニアスキルが身につく
  2. ロジカルシンキングが鍛えられ、課題解決力が上がる
  3. プロダクトの仕様をすぐに覚えられる
  4. 顧客が本当にプロダクトに求めていることが分かる
  5. 現場・顧客からのGoodな声をたくさん聞けて、仕事のモチベーションが上がる

その結論として

まだまだメジャーではないお仕事ですが、1エンジニアとしても1ビジネスパーソンとしても大きく成長でき、何より困っている顧客の課題を解決し、笑顔にしていくことができる素敵なお仕事です!

であるという。

…違う!

サポートエンジニアはそんなハッピールンルンな「だけ」な仕事なのだろうか?
だからサポートエンジニアはサポートエンジニア「だけ」していれば良いのだろうか?
そうではない。自分の仕事のモチベーション「だけ」上げていてはただの自己満足だ。

テクニカルサポートを絶対にやって当然という理由は「さらに」3つ

ややもすれば「お客様の笑顔」とか、そのような表面的なことがテクニカルサポートの意味では決してない。なんのために? 当然だ。製品に還元するためである。 そして「やったほうがいい理由」は5つではない。最も大事な3つが抜けている。その3つは以下だと私は考える。

6. 現状の製品に足りない部分がわかる
7. 現状の課題を根本解決する新機能を考えることができる
8. 新機能をリリースする圧倒的なモチベーションが得られる

6. 現状の製品に足りない部分がわかる

テクニカルサポートに携わることで、現状の製品に何が足りないのか、具体的に知ることが出来る。ある機能の使用手順から、例えばエラーメッセージの1つに至るまで「ここが我々の認識とのギャップなのか」という気づきを非常にタイムリーに得られる。

7. 現状の課題を根本解決する新機能を考えることができる

知ることができるだけではない。だからこそ、新機能を具体的に描くことが出来る。こうすれば使ってもらえるだろう、という現実的なユーザーストーリーを的確に考えることが出来る。

8. 新機能をリリースする圧倒的なモチベーションが得られる

そして最終的に。エンジニアとしての花形は新機能をリリースして製品をUpgradeさせ、よりお客様の業務を改善すること。そのゴールへの圧倒的なモチベーションは、具体的なまさに目の前のお客様に喜んで頂く、「テクニカルサポート」を経験することでこそ爆発的に培うことができるものである。

つまり

これらは4つ目に述べられていた「顧客が本当にプロダクトに求めていることが分かる」の最終的な、最も重要なゴールだ。

顧客が深層でプロダクトに何を解決してくれることを期待しているのか

を理解し、それだけではない、それを含めたすべての知見に基づいて
新機能をなんとしてもリリースして課題を解決しなければならない という動機が、テクニカルサポートだからこそ、得られる

テクニカルサポートだけしていても開発のお仕事は務まらないという別の話でもある。

実際のところ

弊社で、純粋未経験の新人さんがこのいわゆるテクニカルサポートを経験せずに新規開発をすることはあまりないと思う。それは上のような エンジニアとしての大きな価値、最終的なゴール を理解した上で新規開発をすることのほうが圧倒的スピードで、いとも簡単に成長できる、との考えがあるからだと思っている。重要なのは、「どうせ新人だから(雑用のような)テクニカルサポートをやる」なのではない。それが紛れもない成長の最短距離だからなのだ。

だから結論、エンジニアなのにテクニカルサポートすら出来ないで、本当に売れる新機能を作れると思ってるの? だし、優れた新機能開発エンジニアは、最強のテクニカルサポートを行える者だなあと常に思います。真の結論、「エンジニアがテクニカルサポートを絶対にやったほうがいい」は、非常に分かりやすい記事でした!

参考

参照しやすいインシデントチケットの書き方 など、テクニカルサポートの知恵になる記事もあります。

以上です~

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