「失敗を許容する」なんて言われても失敗したくないです の続き。
技術者界隈で語られるスペシャリスト(専門職)と、マネジメント(管理職)あるいはジェネラリストは結局どちらを選択すべきなのかについて整理しておこうと思いました。タイトルは一般用語で単なる私の気持ちです。
この記事の結論
それぞれなので合うほうを選ぶ。どちらが楽ということはなくそもそも2項対立でもない。両方経験できるなら、幸せ。個人にもよるが、まず会社によるので、会社の定義している「求められること」を腹落ちするところまで確認しよう。
以上、解散!
ではお話にならないので、各所で読んだ個人のいろいろな意見を、自分のためにまとめておくことにしました。皆様にも何かのお助けになれば幸いです。
- 引用...引用です
- 感想...私の単なる感想です
参考まで。
まずは転職サイト
管理職vs専門職“どっちが幸せ”エンジニア35歳の決断(rikunabi)
Q:マネジャーになんかなりたくない。プログラミング一筋で生きていきたい。(日経xtech)
引用:「コードを書かないエンジニアになりたくない」新人マネジャーの憂鬱ーー澤円・えふしん・DMM松本勇気からの助言は?(type)
「リーダーはメンバーから尊敬されないとチームはまとまらないし、良いアウトプットをつくれない」と考えると、マネジャーはコードこそ書かないかもしれないけれど、「エンジニアを束ねる開発職の一つである」という解釈もできるのではないでしょうか?
感想:私も、プロの通翻訳者を束ねる仕事をしていた時期があります。3か月ごとに稟議を書き、見積もりと、実績と、だけではないそれこそ「専門職」である通翻訳者各位のパフォーマンスを発揮するための場のコーディネート、時間、場の調整、目的のすり合わせ、等々。ゴールは「海外と開発を進める」であるという開発者と同じ思いでやっていましたがまあ、自分が手を動かしていては話にならない量やクオリティを整えることがミッションなので、なかなかストレスは溜まりました。育休復帰直後で時間は無いし、知識だけでは務まらないです。良い経験だったと思います。
個人のblog
『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』
感想:書評がたくさんあります。読んだ気がするけど読みなおそうかな...。
『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』を読んだ (夜は寝る) hatena blog
エンジニアのためのマネジメントキャリアパスを読んだ - そのっつ (Naotoshi Seo) - Medium
『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』を読んだ - kenju's blog
書評)エンジニアのためのマネジメントキャリアパス - takacyk note
Qiita
Engineering Manager Advent Calendar 2019
エンジニアのキャリアの考え方
その他 (会社がらみの人とか、そうでない人も)
マネージャになりたくないプログラマのキャリアパス(ありえるえりあ)
私は何がやりたいのか、あるいは何がやりたくないのかという話
感想:やりたいこととやりたくないことまとめるの良いですね。飲み会の挨拶とかはやりたくない。挨拶の時に対角線上の席上で挨拶する人をちゃかしてすでに飲み始めてるポジションに万年居たいです。(最近はそんなリアルな飲み会、無いけれども)
どうしてプログラマがPMになりたくないのか(hatena diary)
海外の場合
感想:キャリアチェンジ。マネジメントが「キャリアアップ」という考え方も日本独特らしい。日本と言うか、アジアと欧米の差かなあ。
ロシアの天才ハッカーによる【新人エンジニアサバイバルガイド】 (Qiita)
専門職から総合職へのキャリアアップは難しいのでしょうか?(Quora)
誤解
感想:属人化は専門職ではない。両者の違いは知識がオープンにされているか。らしい。
大企業のIT部門も個人依存、属人化の何が悪い!(nikkei xtech)
感想:私なりのまとめ
ここまで読むとマネジメント拒否派としては結構閉塞感があるのですが、好きなことだけやっている=専門職 ではないと思っています(それは単なる趣味人)。管理職と専門職、管理職のほうが評価されやすいということはない。管理職だけが参加できる会議に、出ることができる?いや、自分でチャネルを開拓するのも専門職だからできること、あるいはしないといけないこと。
抱きがちなよくあるイメージ
専門職 自分だけが持つ力を深掘りして最大限成果を上げる。(なんだか楽しそう!カッコイイ!)
管理職 人の工数管理とか、進捗管理とか、他との調整とかをして頑張って最大限成果を上げる。
は正しいのか。余談ですが英語のmanageはそういう頑張るニュアンスらしい。いずれも、たしかにそうかもしれませんが、開発のゴールは、「良いものを作る」「売り上げに貢献する」。であるとすると、個人1名ができることより個人5名がいることで出来ることは増える。より正確を期すなら
管理職 自分の持てない力を束ねて最大限成果を上げる。
かもしれない。もちろん人の工数管理とか、進捗管理とか、他との調整とかがその中身に含まれるのだが
専門職 自分だけが持つ力を深掘りして最大限成果を上げる。
(そのために自分は、自分で自分の工数管理とか進捗管理とか他との調整を自分自身で行わないといけないかもしれない。)
都合の良いイメージで見ていないか、管理職、専門職、それぞれの、その組織の求める定義詳細を追わないといけなそうです。
実は?
- 専門職 自分だけが持つ力を深掘りして最大限成果を上げる。
- 管理職 自分の持てない力を束ねて最大限成果を上げる。
自分だけが持つ力と、持てない力は人の力を束ねて最大限成果を上げる、はダメなのか。それももちろんダメではなく状況による。「束ねる」のもスキルのひとつだと思う。マネジメント能力も、界隈で求められる専門職のひとつ。専門職と管理職という2項対立が誤りで、マネジメントという専門職なのかもしれない。
私の結論
会社が我々に何を期待していて、我々が会社に何が(何なら)できるか。あるいはやりたいかやりたくないか。先に引用のマネージャになりたくないプログラマのキャリアパス(ありえるえりあ) にこんなことが書いてあって気に入っています。
引用:
最後に誤解のないようにひとつだけ書いておきます。会社で偉くなるべきだとは一言も書いてはいません。会社で偉くなりたいと思うのは単なるひとつの価値観です。偉くなるのは給料を多くもらえるということです。ただそれだけのことです。何を価値観にして生きていくかは個人の自由だからです。
以上です。